大河ドラマ「どうする家康」。前回26話の放送では、武田軍を滅ぼし家康が信長を接待する「富士遊覧」が描かれました。瀬名を亡くした絶望を隠して信長を迎え、富士山の前でお茶を飲んでいたのが印象的でした。実はこのシーン、撮影はことし4月に富士宮市で行われていたんです。撮影の合間に、家康役の松本潤さん、信長役の岡田准一さんに静岡での撮影や今後の見どころを聞きました。
(記者 仲田萌重子)
4月下旬。武田軍を滅ぼし、安土に戻る信長を家康が接待するシーンの撮影が、富士宮市の山あいで行われていました。
【富士山の前でお茶を飲む】
最初の撮影はお茶を飲むシーンです。大きな富士山の前で、従順に信長に仕え、腹の中が見えなくなる家康、そして、それに気づき始めた信長を描きます。
(信長)
「家康よ。良い時を過ごした」
(家康)
「恐れ入りまする」
(信長)
「お主はまだ安土には来たことはなかったな」
(家康)
「は」
(信長)
「すぐに来い。今度は俺がもてなす」
(家康)
「恐悦至極に存じまする」
(明智光秀)
「私めが供応役を務めさせて頂きます」
(信長)
「またすぐに会おうぞ」
(家康)
「は」
ドラマではわずか1分ほどのシーン。しかし、撮影では表情がよく見えるようにしたり、富士山を背景にしたりして、さまざまな角度から2人の表情を捉えていきます。
【馬に乗り…富士山の前でピタリ】
続いては馬で駆けるシーンです。
信長を先頭に平野のおよそ200メートル先から馬で駆けてきて、富士山がよく見えるポイントでぴったり止まらないといけません。
(撮影スタッフ)
「もうちょっと前ですね」
「ちょっと行き過ぎ」
「でもその前後であれば」
何度も調整を続け、息の合う位置を繰り返し探していました。
【どうだった“静岡”? 松本さん・岡田さんインタビュー】
今回が県内で最後となったロケ。
2人に話を聞きました。まずは富士山や静岡の印象を尋ねると。
(松本さん)
「こんなに近くでこんなきれいな富士山を見たのは久しぶりですね。ロケに来てよかったなと思いますね」
岡田さんは、昼食に富士宮の名物料理を食べたそうで…。
(岡田さん)
「史実にもあるおもてなしを、この場所に来て、やれるというのはすごくいいことだなと思うし、焼きそばもおいしかった」
(記者)
「富士宮焼きそばですか?」
(岡田さん)
「もちろんもちろん。ここで作ってくださった焼きそばを」
一方、2人の思惑が交錯する場面を演じる上で、意識したこともあったといいます。
(松本さん)
「史実にもある富士遊覧で、信長様をおもてなしするというのを、その当時、家康公がどういう気持ちでやっていたんだろうというのは、台本を頂いたときにすごく想像した部分ですね」
(岡田さん)
「家康が変化をする時がどんどん近づいてきているので、(今後)僕は死んで、家康が変わっていくというか、その前に実際の史実のものをやれてよかったなと思っています」
【今後の見どころは?静岡のみなさんにメッセージ】
前回26話の最後では家康が家臣団に胸のうちをついに明かし、本能寺の変までに2人の関係が大きく変化していくことを示唆しました。静岡の視聴者に向けた今後の見どころを聞きました。
(松本さん)
「家康は中盤ずっと浜松にいる設定なので、みなさんにとってはなじみ深いエピソードがたくさん登場するんじゃないかなと思います。今までもそうですが、これからもぜひ楽しんでいただけたらと思っています」
(岡田さん)
「これから家康っていう存在がどんどん変わっていって、信長が家康にとって何か残せるかっていうことを思ってたんですが、2日前くらいに鼻水をだらだら流している松本君の芝居を見られて僕の役割は終わったなと」
(松本さん)
「終わってないです(笑)もうちょっとあります」
(岡田さん)
「僕が死ぬ本能寺の回あたりで見られると思いますので。これから家康が天下人として進んでいく姿が見れますので、ぜひ静岡のみなさんも楽しみに見てもらえたらうれしいです」