コロナ禍もあって、アウトドアや登山の人気が高まっていますが、気をつけないといけないのが遭難。とりわけ「低い山での遭難」です。
去年県内で起きた山岳遭難のうち、およそ7割が、半日程度で往復できたり、ハイキング目的で行く人がいたりする「低い山」で発生しています。
さらに5月は、静岡県内の山岳遭難が一年間で最も多い時期。
安全に楽しむためのポイントを山岳遭難救助隊の方に聞きました。
去年の遭難者で最も多かったのが「道迷い」。次いで滑落や転倒でした。
体力的に無理な計画や不十分な装備などが原因です。
登山計画書は、静岡県の「ふじのくに電子申請サービス」などパソコンなどからも作ることができます。時間やルートの確認ができるので道に迷うリスクが少なくなる上、家族や友人と共有しておけば、万が一の場合に捜索の手がかりになります。
忘れずに持参してほしいのが、レインウエアとヘッドライトです。
変わりやすい山の天気、晴れていてもレインウエアは持って行くのが安全です。防寒具にもなります。
山の夜は真っ暗です。明るいうちに戻るつもりでも、下山が遅れたときに備えてライトは持参しましょう。
カロリーが高いおやつなどエネルギー補充のための「行動食」や、十分な水も携帯するようにしてください。
低い山は、木や草がはえやすかったり、獣道などで道が多かったりして、正しいルートが分かりにくいということです。紙の地図だけでなく、登山用の地図アプリも使えます。予備のバッテリーがあると安心です。
その3は、単独登山はできるだけ控えること。
去年県内で遭難した人の半数以上が単独登山でした。できるだけ、複数人で向かいましょう。
(静岡県警察山岳遭難救助隊長 坂上雅信さん) 「富士山や南アルプスといった本格的な山以外の遭難が多発しています。低い山でも日帰りでも、しっかりとした計画、しっかりとした装備をして、安全な登山を楽しんでください」。
万が一遭難した場合は、110番や119番してください。GPS機能付きのスマートフォンで通報すると、正確な位置情報を提供できる可能性が高くなるということです。
服装も大事です。では、ここでクイズです。
正解は・・・・
②番。
万が一の時に見つけてもらいやすくするためです。
新緑の時期は青や緑を避ける。逆に、紅葉の時期は、赤や黄色を避けるといいそうです。
県内の山岳遭難は、ことしに入ってから5月中旬までに30件近く起きていて、去年の1.5倍に増えています。
しっかりした準備や天候の判断をして、お出かけください。