(2022年10月26日放送)
駿府城公園のすぐそばにできた静岡市歴史博物館では、2023年1月のグランドオープンを前に、今まさに公開の準備の真っただ中です。大河ドラマ「どうする家康」の放送も始まりますけれども、徳川家康と関係が深い展示も見られるそうですよ。中継コーナー「たっぷりLIVE」の内容をお届けします。
(キャスター・末永万智)
静岡県庁のすぐ目の前、そして駿府城のお堀のすぐ外にあります静岡市歴史博物館です。
2023年1月にグランドオープンすると、3階の展望ラウンジからはこんな風景を見ることができます。駿府城の巽櫓(たつみやぐら)がきれいに見られるんです。
さっそく中に入っていきます。この施設、7月にプレオープンをして、現在は1階フロアのみを公開しています。入口を入っていくとすぐに、ガラス張りのギャラリーがあります。
ここでは大きなマップがあります。
100年前の静岡市の様子です。そして手前には静岡ゆかりの縄文土器ですとか、仏像も並んでいて、はるか昔からの静岡市の歴史を学ぶことができるんです。
1月のオープンに向けて公開の準備が進んでいますが、もうすでに、この施設の最大の見どころのひとつが1階フロアで公開されているんです。どんなものなのでしょうか。
きょうは学芸員の廣田さんにお話を伺っていきます。
(静岡市歴史博物館学芸員・廣田浩治さん)
「こんばんは」
最大の見どころがすでにあるということですが、どのようなものなのでしょうか?
「これからご案内します」
よろしくお願いします。この博物館の建設予定地を調査していたら、偶然見つかったというものなんです。どんなものでしょうか。
「こちらになります」
一部だけ、床がなくて、土が見えていますよね。そして両脇にはでこぼことしたところもあります。何だと思いますか?
(後藤康之アナウンサー)
「まっすぐになっているので、おそらく水路か、道か、どちらかかな」
(各務梓菜キャスター)
「そう思いました」
まっすぐになっているので、水路かなと思う方もいるかも知れません。近くで見られるので下りてみましょう。
(後藤アナウンサー)
「そんなに近づけるんですね」
近くまで来ると、ほのかに土の匂いを感じるんですよ。これ、何かと言いますと、まっすぐなところが道、両脇が石垣の遺構なんです。戦国時代のもので、400年以上前のものだと言われています。
とっても貴重なもので、なぜかというと家康の街作りに対する思いが見えてくるということなんです。廣田さんに解説していただきましょう。どんなことがわかるんですか?
(学芸員・廣田さん)
「道がまっすぐになっていまして、かなりしっかりと作られていますので、整った道だと言えると思います」
なるほど、近くで見ると石垣がでこぼこしていますけれども、どんな特徴があるんでしょうか。
「石を積みまして、その上にはおそらく塀が建てられていまして、その両側にはおそらく大きなお屋敷が道の両側にあったものと思われます」
大きなお屋敷というと、どんな人が住んでいたんでしょうか。
「それはやはり、駿府城に仕えるかなり地位の高い武士の屋敷であったろうと考えられています」
駿府城からの距離も近いですものね。ここからそんなことが分かるんですね。
では、ここから家康のどんな思いがわかるんでしょうか。
「まっすぐな道ですとか、整った屋敷を造るのは並大抵のことではできないと思います。ですので、そういう道を造る、そうすることによって駿府の街を整えていくためには、かなりの計画力と実行力が必要であったと思います」
家康の知恵とパワーが重要だったということなんですね。きょうはありがとうございました。
1月にグランドオープンをすると、2階、3階のフロアではこのような展示を見ることができます。
こちらは甲冑ですね。家康の一生をたどる展示がされます。
さらには、家康を育てたと言われている今川氏の歴史をたどる展示も行われる予定です。
静岡と家康を深掘りしていくこの施設。1月13日にグランドオープン予定です。
静岡市歴史博物館では、今月から土日祝日には観光コンシェルジュが常駐していて、静岡の観光の中心となるビジターセンターの役割も担っていくということです。