熱海市の市長選挙は9月に投票が行われ、斉藤栄氏が5回目の当選を果たしました。
10月3日で発生から1年3か月となった伊豆山地区の土石流からの復興や、新型コロナで落ち込む観光の振興などの課題にどのように取り組むのか。担当記者が直接聞きました。
(伊東支局 武友優歩)
Q5期目当選されました。まず、率直な感想をいただけますか?
(斉藤市長)
選挙戦で訴えたこと、これを着実に実行することが自分がやらなければならないことだと思っております。痛感しております。本当に改めて身が引き締まる思いです。
【土石流“復興これから実感”】
選挙戦で争点となった、伊豆山地区の大規模な土石流。発生から10月3日で1年3か月となりました。
NHKが発生から1年を前に実施したアンケートでは、伊豆山地区で回答した118人のうち9割近くが復興が進んでいないと感じていると回答しています。これについての考えは。
(斉藤市長)
27名の方がお亡くなりになっています。また行方不明の方もいらっしゃる中で、なかなか復興ということを表だって言えないという雰囲気というか、空気もありました。ですので、去年7月の発災からことし7月3日までは復興ということは表に出さずに、そこから少しずつ出していこうと。これから具体的な現地での河川、逢初川、またそれに関連した道路の工事であるとか、そういった物理的なところが見えることによって復興が進んでいるということを皆さんに感じていただけるようになるかと思います。
斉藤市長は先月とりまとめた復興計画に基づいて、事業を進めていく考えを改めて示しました。令和8年度までに被災者が住宅を再建できるよう整備を行っていくとしています。
(斉藤市長)
修正は市の方で勝手にやるのではなくて、それをきちんとおはかりするための「懇談会」という形になると思いますが、その中に地域の被災者の皆さんも入っていただいて、やっていきたいと思います。これから本格的な事業が具体化するにあたっては、地域の皆さんに説明会をやる形になりますが、こういった機会を頻繁に、しっかりタイミングを逸することなく進めて参りたいと考えております。
【検証は“しっかりと対応”】
一方、土石流の問題をめぐっては、遺族や被災者などが市や県に損害賠償を求める訴えを起こしています。
(斉藤市長)
今回の土石流災害の原因等については、司法の場を通じて、事実関係が明らかになっていくという風に考えております。
Qこれから裁判も始まるということですがそちらについての対応は?
(斉藤市長)
裁判になりますので、しっかりと行政として対応して参りたい。
また、土石流の発生をめぐる当時の市の対応について、現在、事実関係の確認や検証作業を進めているとして、総括的な見解を公表したいといます。
(斉藤市長)
まだ、いつというのは申し上げられませんけども、鋭意作業を進めております。
【熱海の観光は・・・】
そして、外せないのが観光について。16年前の初当選以来、観光施策に力を入れてきた斉藤市長。コロナ禍での落ち込みからの脱却の“鍵”について、聞きました。
Qコロナ禍からの脱却については、どのように取り組まれますか?
(斉藤市長)
平日の旅館・ホテルの利用を増やしていかなければ、宿泊客数は増えないと思っています。平日、熱海に来て例えば研修であるとか、企業開発合宿ですね、缶詰めになって企画を練ったりする。例えば、1棟旅館を貸し切って、議論していただいたり、そういった需要がしっかりあるというふうに思っていますので、そこにこれから力を入れていきたいと思っています。
【4年の任期 どう向き合う】
最後に、4年の任期で目指すことについて聞きました。
(斉藤市長)
復興計画にもお示ししましたが、やっぱりあそこに帰りたいという方にお帰りいただけるように、計画通り進めることが重要だと思っています。警戒区域を来年の夏の終わりまでに解除し、そこから条件が整った方から帰還がスタートします。新たに家を建てられる方が令和8年度になりますので、ちょうど私の任期があと4年で令和8年までになりますから、そこまでに今あそこで家が流された方がお帰りになれるということを目標に努力していきたい。
Qそれを自ら実施する市長として、どのような姿勢で取り組まれるのでしょうか?
(斉藤市長)
それは地域の皆さんの声や要望をしっかりと聞きながら市役所をひとつにまとめて、市役所だけではありませんけども、県や国とも連携してその目標に向かって全力で取り組んで参りたいと考えております。