ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、浜松市にはウクライナからの避難者を受け入れている専門学校があります。
避難して2か月になる女性の思いと地域で支えようという学校の取り組みを取材しました。
(浜松支局記者 渡邉亜沙)
ウクライナの首都・キーウ出身のヴィーラさん(20代)です。
避難民の支援団体を通じて、ことし7月、浜松市西区の専門学校に学費免除で入学しました。
大学で日本語を学んでいたというヴィーラさん。学校の寮で暮らしながら勉強を続けています。
(ヴィーラさん)
「日本文化が好きで日本にずっと行きたかった」
(Qいまがんばっていることは?)
「漢字。漢字を毎日勉強しています。漢字が一番難しい」
キーウの自宅で家族と暮らしていましたが、ロシアの侵攻で危険と隣り合わせの毎日に耐えられなくなり、単身で日本への避難を決意したといいます。
(ヴィーラさん)
「私の家の隣にミサイル来た、それはすごくびっくりした。日本に着いた日は安心した」
ヴィーラさんは、花火などの大きな音を聞くと、攻撃を思い出し、パニックになることもあるといいます。
(専門学校 校長)
「ジェット機の音は大丈夫?」
(ヴィーラさん)
「大丈夫です」
(校長さん)
「気丈にそう言ってますけど、まだまだ心の傷が残っているので気をつけてあげたいなと」
学校は、ヴィーラさんが卒業した後も、日本で孤立せずに暮らすためには、地域のつながりを作ることが大切だと考えました。
ヴィーラさんがウクライナで、弓道をしていたことがわかると、さっそく練習できる弓道場を探し、無償で練習させてもらえることになりました。
初めての練習となったこの日。
ヴィーラさんの緊張も少しずつほぐれていきました。
(ヴィーラさん)
「おもしろい。うれしい。(弓道は)心の安心になる。心もっと強いになる。私はいろんな話すできるととてもうれしいと思う」
地域に溶け込んでいくヴィーラさんの姿をみて、学校はより多くの避難者を受け入れたいと考えました。
ただ、ネックとなったのが支援のための資金です。自立までには最低でも2年ほどかかるとみられ、学費を免除するための日本語講師の人件費や生活費などは1人あたり年間でおよそ200万円。
このため学校は、今月から、クラウドファンディングを通じて受け入れの費用を募る取り組みを始めました。地域全体で避難民を支えようと呼びかけています。
(専門学校校長)
「まだまだ日本来たいという避難民の方いるので受け入れて日本の社会で自立できるまでにお世話したいなと」
日本での就職を目指す、ヴィーラさんも、クラウドファンディングが侵攻に苦しむ自分たちウクライナ人を支えることになればと期待しています。
(ヴィーラさん)
「ウクライナについて忘れないでください。ウクライナは毎日がんばってる。私は日本語と弓道と新しいバイトを頑張りたい。毎日がんばります」
このクラウドファンディングは11月末まで行われ、学校には受け入れを希望する声がすでに寄せられているということです。