知的障害者サッカー 焼津・杉村流生選手 さらなる成長目指して打ち込む

ニュースディレクター 杉山正敏
2022年10月28日 午後7:37 公開

(2022年10月28日放送)

知的障害者の人たちがプレーする「知的障害者サッカー」。選手たちの多くはコミュニケーションなどを苦手としていますが、周りの支援もあってサッカーに打ち込んでいます。10月29日からは全国障害者スポーツ大会が栃木県で開かれ、静岡県の選抜チームが、東海・北信越地区の代表として出場します。サッカーが自分を成長させてくれているという選手の1人を取材しました。(ニュースディレクター 杉山正敏)

【守備の中心的存在  杉村 流生選手】

  (杉村流生選手) 「昔からテレビでサッカーを見ることがあってサッカー選手になりたかった夢があった」

  焼津市に住む知的障害者サッカー・県選抜チームの杉村 流生選手(すぎむら・りゅう)、22歳です。相手の攻撃を体を張って果敢に止める守備の中心、センターバックのポジションを務めています。

(西村拓コーチ)
「ふだんは控えめな子だが試合になると気持ちを出しながら周りに声をかけながら闘志あふれるプレーができる。守備の選手なので対人プレーの強さが彼の売り」

【知的障害者サッカーとは】

知的障害者サッカーは基本的にはFIFA=国際サッカー連盟が定めるルールと同じで、障害の程度により、試合時間を短くして行う場合があります。コミュニケーションや戦術的なことを理解するのが苦手な人も多く、指導者は丁寧な説明を心がけているということです。

軽度の知的障害がある杉村選手は子どものころからサッカーが大好きで、実力もつけていました。高校1年の時には知的障害者サッカーの県選抜チームに選ばれ、4年前に開催された知的障害者サッカーのワールドカップには日本代表として初出場を果たしました。

(杉村選手) 「知的のW杯に出場していろいろ学んでアドバイスもらったりすごいいい経験になってよかった」

【普段は地質調査用の道具製造の仕事】

国際大会を経験した杉村選手は、藤枝市内にある地質調査で使用する道具を製造する会社で働いています。担当しているのは主に部品の製造です。この会社にとって、初めての障害者雇用となった杉村選手。採用では人柄の良さを高く評価したということです。

【休み時間も1人練習】

仕事とともにサッカーの上達を目指して休み時間には1人で練習をしているということで、会社も温かく見守っています。

(上司の清水邦彦工場長)
「運動神経がいいので仕事に対しての覚えも早い。引き続きサッカーも頑張って仕事も頑張ってもらえればいい」

仕事でもサッカーでも基本的なことを大切にしながら日々、前向きに過ごしています。

(杉村選手) 「〃あいさつ〃仕事でもあいさつが大事。そこら辺はきっちりやってサッカーでも大事にしている。今は本当に楽しくやらせてもらっている」

【全国大会前に静岡学園と対戦】

この日、県選抜チームは、全国大会に向けて、高校の強豪校・静岡学園と練習試合を行いました。杉村選手は守りの要として出場しました。しかし、力を存分に発揮する強豪校に次々に攻められます。杉村選手もなかなか相手の攻撃を止められません。

(杉村選手) 「ちょっと悔しいですいろいろと。後半は自信を持ってプレーしたい」

【大差も諦めず最後まで戦い抜く】

後半、県選抜チームは杉村選手をはじめ、全員が一丸となってプレーします。大差をつけられましたが、それでも最後まで諦めずに戦い抜きました。

(西村拓コーチ)
「自分たちがやるべきことをきちんとやる。もう一回自分のやることしっかり確認しながら全国で上にいけるように頑張りましょう」

練習試合での大敗も今後につなげていきたいと意気込む杉村選手。全国大会での活躍を誓います。

(杉村選手) 「もちろん優勝しか考えていない。一戦一戦自分たちの力で頑張っていきたい」

【動画】