岡田雄三選手は三島市出身の27歳で沼津中央高校を卒業。ベルテックスでは昨シーズンからプレーし、ポジションはチームの司令塔の役割を担うポイントガードで、視野の広いプレーが持ち味です。
QTシャツにも「昇格」と書いてあります。今の率直なお気持ちは。
(岡田選手)
チームができて4年になるんですけど、4年越しの、このB2で、僕たちもうれしいですけど、何よりファンの皆さんが喜んでくれてるのが僕たちにとっても一番うれしいです。
Qまずは、今シーズンのことについて。リーグ戦で行われるレギュラーシーズンは首位に立った時もあったんですが、結果、3位で終えました。
(岡田選手)。
リーグ戦52試合あるんですけど、前半は13連勝もあって、首位の時間も長くて良かったんですけど、後半3月の上位対決で1勝5敗と負け越してしまった時には、チームが正直崩れかけて。本当に紆余曲折というか、山あり谷ありのシーズンだったんですけど、そういった苦しい時期を乗り越えてプレーオフに進めたっていうのが一番チームとしてよかったかなと思います。
Qレギュラーシーズンの個人成績を見ても、突出して記録を残している選手はそれほど多くない。やっぱりチーム力で強くなっていったという印象があるんですけど、どうやってチーム力を磨いていきましたか。
(岡田選手)。
今年でファクンド・ミュラー監督も3年目になって、全員バスケっていうところを目指してやってきたので、それが今年、より磨きがかかったというか、チーム全員が自分の成績よりもチームの勝利を意識してプレーした結果だと思います。
Q一丸となってつかんだB2への扉だったわけですね。プレーオフの準決勝に進んで、さいたまブロンコスと対戦しました。3試合行って、先に2勝した方が決勝に進んで、同時にB2昇格が決まる、という試合だったわけですが、1勝1敗で第3戦を迎えました。これがまた大接戦だったわけですが、どういった試合でしたか。
(岡田選手)
両チーム、勝てば昇格っていうところですけど、第3戦で、本当に、出し切って、正直、体力的に、もう体が動かないっていう状態だったと思うんですけど、最後、アウェーの地に駆けつけてくれたブースターの、ファンの方々の声援が僕たちの背中を押してくれて、最後勝つことができたかなっていうふうに思います。
Q勝利の要因は
(岡田選手)。
本当に、さっきも言ったみたいに、チームひとりひとり、出てるメンバーも出てないメンバーも、自分ができることを最大限、今年「ALL IN」というスローガンを立ててやってきましたけど、それをこの試合で体現できたのかなっていうふうに思います。
QVTRにもありましたが、高校の後輩たちも応援に来ていました。声援は聞こえましたか。
(岡田選手)。
敵地の開催で、完全アウェーの中だったんですけど、高校生たちが先頭に立って声を出してくれて、もう本当に、ホームのように試合をすることができました。
QそしてB2昇格を決めた瞬間の岡田選手の涙が印象的でした。あの時、どんな思いでしたか。
(岡田選手)。
僕、泣いたの本当に何年ぶりっていうくらいなんですけど。シーズン中、辛いことの方が多かったですし、キャプテンも初めての経験だったので、なかなかうまくチームをまとめられないっていう葛藤もあったんですけど、そういうのが一瞬で蘇ってきて。そういう涙でした。
Q先ほど、シーズン中にチームが崩れてしまった時もあったとお話されていました。そういった思いもこみ上げてきての涙だったんですね。
(岡田選手)。
そうですね。
Q改めて、ポイントガードとして、キャプテンとして、どんなことを考えながらプレーしてたんですか。
(岡田選手)。
一番はチームが同じ方向、ベクトルを向くようにっていうところだったんですけど、僕自身もまだまだキャリアも浅いですし、ベテラン、いろんな選手がいる中で、チームをまとめるっていうのは難しかったんですけど。それでも、シーズン通して、選手、監督、スタッフとコミュニケーションをずっととり続けたっていうのがよかったかなって思います。
Qそして地元静岡も盛り上がりました。今月14日、昇格を祝うパレードに実に2000人が集まったということでした。ファンの姿、喜んでいる表情をご覧になっていかがでしたか。
(岡田選手)。
今シーズン、ずっと戦ってきて、約1年、ファンの方がどんどん増えてきて、熱量も上がっているっていうのは、僕たち選手もずっと体感してたことなので、そういった支えてくれたファンの方々に、いい報告ができたっていうのが本当に僕たちの一番の幸せかなって思います。
Q「ベルテックス・ファミリー」と言ってもいいんじゃないでしょうか。ファンも選手も一丸となってつかんだ昇格ですよね。
そして、B2は岡田選手にとっても、チームにとっても初の舞台となります。B1を経験したチームも多い中で、B2に対する印象はいかがですか。
(岡田選手)。
ちょうど先週までB2のプレーオフもやってて、見ていて本当にレベルが高いなっていう正直な印象もあるんですけど、昨シーズンB3で一緒に戦っていた「アルティーリ千葉」や「長崎ヴェルカ」がB1昇格をかけて戦っていて、実際に長崎はB1に昇格を決めたというところで、『自分たちもやれないことはない』っていうふうに思ってます。全員がしっかりといい準備をしてB2に臨むっていうのが大事かなっていうふうに思います。
Qずばり目標は
(岡田選手)。
もちろんやるからにはB2優勝、B1昇格ですけど、何よりもまずは自分たちのバスケットをやりきるっていうところが大事だと思いますし、ファンの皆さんに感動を届けられるっていうことが、まぁ、後の結果にもつながってくるのかなっていうふうには思います。
Qバスケットで夢を与えるというのも、プロのチームとしては必要になってくると思います。そのあたりはいかがですか。
(岡田選手)。
今シーズン、特に子どもたちが試合に応援に来てくれるっていうことがだいぶ増えて、それはひとつ、僕たち選手にとっての価値だと思いますし、子どもたちに夢を与えるっていうところは本当に大事だと思うので、それはどのカテゴリーでも同じことだと思うので、来年も子どもたちに夢を与えられるようなプレーをしていきたいなっていうふうに思います。
Q最後に、B2への意気込みを色紙に書いていただきました。
継続の“継”という字で、これはどういった思いを込めたのでしょうか。
(岡田選手)。
ベルテックスができて4年、ずっとB2昇格っていうところを目指してやってきて、やっとその目標を達成することができたんですけど、ここで終わりではないですし、この4年間、いろんな人が関わってここまで来ることができたので、この思いっていうのをつないで、今度はB2で暴れるっていうのが僕たちベルテックスの使命だと思うので、そういった意味で、この文字を使わせてもらいました。
新たな舞台での活躍が期待されるベルテックス静岡。B2の新たなシーズンは今年、秋に始まる予定です。