めぐる季節をいとおしむ。ごちそういっぱいの尼寺、訪ねてみませんか?
奈良・桜井。山上の寺に暮らす尼僧たち3人はそろって料理上手。夏は野草、秋はぎんなん、自生する食材をおいしく食べ尽くす。笑顔あふれる究極の手作り生活をお届けする。
奈良・桜井。険しい山道を40分登らないとたどり着けない寺に暮らすご住職。コロナ禍でも守り続ける、季節を慈しみ、精進料理に丁寧に手をかける豊かな日常に寄り添う。
「たたきゴボウ」。細く長く根を張るゴボウには「家の基礎がしっかりするように」との願いがこめられる。たたいたゴボウをゆで、すりごま、酢、砂糖、塩をからめて作る。
年越しそばのお供、かき揚げ。奈良の伝統野菜“宇陀の金ごぼう”を、細かいささがきに。同じようにささがきしたにんじんと一緒にてんぷら粉をまとわせ、小さめに揚げる。
かりんジャムを作る。かりんをゆで、実をぎゅうぎゅう押してとろりとしたエキスを搾り出す。砂糖を加えてじっくり1時間炊いたら、おいしいジャムのできあがり。
今回の料理は「柿の葉ずし」。奈良の名産だが、寺では魚を使わない「精進柿の葉ずし」。具は甘辛く煮たしいたけ、寒こうじに漬けたかぶ、いぶりがっこの3種類。
「しば漬け」。お寺の庭の今年最後のみょうが、キュウリをそれぞれ塩でもみ、梅干の赤じそ、梅酢、しそジュースと一緒に保存バッグに入れて2~3日。新米にぴったり。
「ずいきの信田巻」。ずいき(芋の茎)に味をつけて炊き、甘辛いあげでくるりと巻き束ね、ゆでた三つ葉で結わえる。お祝いの食卓にもふさわしい、丁寧な秋の一皿。
「やまと尼寺」の料理自慢3人がつくる季節の献立。今回は「菊の酢のもの」。紫と黄色の食用菊をゆでて、甘酢にあえる。秋にだけ楽しめる、美しい一皿。
秋の庭のハーブでつくる絶品ドレッシング。みょうが、ウイキョウ、赤ジソ、青ジソ、レモンバーム。細かく刻んで自家製クリームチーズと一緒にオイルに漬ければできあがり。