大津屋の主人・助右衛門(国広富之)が妾殺しの罪で牢にいた。無実を訴えていたが、目撃証言もあり有罪となった。体も心も弱り、処刑の日を待つばかりとなっていた。ある日、おちえ(平祐奈)が柳橋で、助右衛門の妻おえん(大路恵美)と手代の新七(田中幸太朗)が出会い茶屋から出てくるのを目撃する。新七は助右衛門の娘おゆき(北浦愛)の婿になる男で、大津屋を仕切っていた。不審に思った登(溝端淳平)は事件を洗い直し…。
深川で三人が立て続けに殺された。三人のつながりは、ろうを出所したばかりということ。登は次に出所する馬六(田山涼成)を診て事情をさぐるが、わからない。出所した馬六を直蔵(波岡一喜)が見張っていたが、何者かに襲われて、寸でのところを助けられる。登は馬六を、多田屋というろうそく問屋に居候させることにする。多田屋は馬六の娘おかつ(富山えり子)の嫁ぎ先で繁盛しており、馬六は安心して暮らせるはずだったのだが…
作次(黒田大輔)が牢を出たばかりで殺された。出所前、作次は登に、牢の中で押し込みの計画を盗み聞きしたと打ち明けた。仲間に誘われていた者の中に、酉蔵(浅野和之)という呑んだくれの男がいて、その妻、おとし(富田靖子)は玄庵の患者であった。登は心配になって酉蔵を探し、おとしの面倒をみろと叱り悪事には加担するなと諭す。だが、酉蔵は、苦労をかけたおとしに楽をさせようと、押し込みの見張りを引き受けてしまう…。
盗みを働いた砥ぎ屋の芳平(六角慎司)は出所寸前に牢(ろう)で病死した。芳平の突然死に疑惑を抱く登(溝端淳平)。一方本所深川では、二か月に六件も殺しがあり盗賊のむささびの七蔵が関わっていることが判明する。藤吉(石黒賢)から芳平もその手下だったことを知らされた登は、芳平の死は仕組まれた殺しではないかと思い牢内のことを調べ始める。ひとまず同じ牢にいて既に出所した職人・市次郎(眞島秀和)を調べはじめるが…
唐辛子売りの源次(和田正人)、湯屋の釜番の金平(ラサール石井)、元雪駄問屋の若旦那・保次郎(姜暢雄)の三人が、足袋屋の川庄に押し込み強盗をしようとしていた。源次は、同じ長屋に住む独り者で病弱なおしづ(笛木優子)を不幸にした川庄に、おしづに代わって復讐するつもりだった。ところが、ちょうど同じころ、川庄を別の悪党たちが狙っていた。それを知った登(溝端淳平)は、源次たちに計画を止めさせようとするが…。
畳刺し職人の房五郎(岡田義徳)が、連日与力の高瀬(小木茂光)からしつような拷問を受けていた。登(溝端淳平)は、高瀬の拷問が行きすぎと考えるが、どうやら高瀬は、房五郎が隠している別の強盗の罪を吐かせようとしているらしい。登は、房五郎が女房・おつぎ(玄理)とグルであると疑いを持ち、おつぎに会いに行く。しかし、おつぎは登の意に反し、地味な女だった。さらに真相を探る登。すると意外なことが明らかになる。
牢(ろう)に、はやり病の疑いのある巳之吉(忍成修吾)という男が送られて来る。巳之吉は、まもなく島送りになる身。登は巳之吉から、幼なじみのおこま(朝倉あき)のことを聞く。巳之吉にとっておこまは、愛しい人。しかしその消息は不明だった。登は巳之吉のためにおこまを探す。おこまは亡くなった親の借金を返すため、職を替え、悪事に加担しているという噂が。登は久坂(渡辺佑太朗)の手を借りて捜索を続けると…。
立花登(溝端淳平)は、小伝馬町の牢医者として働いている。叔父・玄庵(古谷一行)と叔母・松江(宮崎美子)が留守のある日、登は、突然診療所に現れた人相の悪い男(木村祐一)の手当てをする。数日後、牢に刃物の傷をこじらせた与吉(津田寛治)という囚人が来る。与吉は相棒と二人で強盗を働いた罪で捕まった。先日の人相の悪い男が、与吉の片割れではないかと疑いを持つ登。するとある晩、素性の知れない者に登は襲われて…。