西馬音内盆踊り 衣装の魅力!

NHK
2023年8月22日 午後6:33 公開

特別な衣装 端縫い

青・クリーム色・赤・花柄…。こちらが西馬音内盆踊りに使われる「端縫い(はぬい)」と呼ばれる衣装です。
4から5種類の絹の着物を左右対称にパッチワークのように縫い合わせて作ります。
ちなみにこちら、踊りが上手だと認められた人だけが着られる特別な衣装なんです。  

職人歴50年のベテラン

工房では、職人の方が生地を1針1針手で縫い合わせています。
今は、端縫いを作り終えて、衣装に合わせる小物を作っているところでした。
ちなみに、お2人ともとても明るくお若い!
若さの秘訣を聞いてみたところ、「笑いの絶えない工房でのお仕事」だそうです。
最初に工房にお邪魔した時から、皆さんの仲の良さがとても伝わってきました。  

こちらが、端縫いの巾着袋です。とても素敵で、スタッフも「買ってくれば良かった…」と後悔していました。

1cmの和裁の技術

こちらが、完成した衣装です。端縫いは和裁を始めて10年以上の人しかできないと
言われるほど高い技術が必要なんです。
その理由は、縫う幅がわずか1cm違うだけで、全体のデザインの印象が変わってしまうのです。  

生地の買い付けからデザインまで

その中でも1番難しいのが「デザインを決めること」です。
生地の買い付けからデザインまですべてを担当されているのが、衣装工房の代表・黒澤
テイ子さんです。  

  工房の中を眺めてみると、1つ1つ模様が違い、同じものは1つもありません。
(今井キャスター)
「どうしてこのようにデザインを変えているのですか?」
(黒澤テイ子さん)
「皆さん、地味目が良いとか派手目が良いとか、好みがありますので、出来るだけ
 それにお応えできるように様々なデザインを工夫して作っております。」  

黒澤テイ子さんこだわりの一着

こちらが、黒澤テイ子さんこだわりの一着です。
お話を伺ってみると、この一着にデザインのこだわりが詰まっていました。  

端縫い衣装は芸術作品

 (黒澤テイ子さん)
「まずは、額縁の色を決めます。」
額縁…?
「1枚の絵のように、1番外側に使う生地を額縁と呼びます。」  

「額縁に紫色を使ったので、2段目にも紫色を取り入れたんです。」

「そして、2段目の紫色の生地の中にブルーとかが使われていて、いいなと思ったので
 ブルーが入っている赤の生地を配置しました。」  

「メインにブルーを持ってきたいと思ったのですが、なかなか、いい色が見つからず
 白い生地を藍染めして絞りを入れたりして作りました。」  

(今井キャスター)
「生地の中に青色を取り入れることで、調和されるんですね!」
(黒澤テイ子さん)
「調和されるのと、上品な仕上がりになります。」  

踊りに欠かせない編み笠

もう1つ踊りに欠かせないのが、こちらの編み笠!

こちら、実際につけてみると、編み目のわずかな隙間からほんの少し前が見えるだけで、
ほぼ、地面しか見えません。
初心者がこれをつけて踊るのはかなり難しそうです。  

盆踊り歴20年

とても素晴らしい踊りでした。踊りを披露してくださったのは、黒澤美由紀さんです。
編み笠をつけて上手に踊るコツを聞いてみました。  

(黒澤美由紀さん)
「手の動きに合わせて頭を動かすように心がけています。また、ただ見るだけでは
 なくて、少し首をかしげてみたりすることによって綺麗にみえたりします」  

素敵な踊りを見せてくれた美由紀さん!
大学時代、県外に住んでいたときも毎年盆踊りに参加していたそうです。
そんな盆踊りへの熱い思いもお話してくださいました。

西馬音内盆踊りへの意気込みは?

(黒澤美由紀さん)
「次世代につなぐ」という気持ちで臨みたいと思います。西馬音内盆踊りは、私にとって
「心の活力」になっています。
 こどもたちの心の中に盆踊りが残ってくれたら、いつか心の活力になったり、
 ふるさとに戻るきっかけになったり、こどもたちにとって大切な財産になると
 思います。
 盆踊りに限らず、郷土芸能にはそんな力が宿っているとおもいますので、大切に継承
 していきたいと思います。」
※こちらは時間の都合で、番組内でご紹介する事ができませんでした。  

今後の衣装づくりは?

(黒澤テイ子さん)
「みなさんに喜んでいただけるような、踊りやすくて見栄えがする絹の生地も使いながら
 頑張っていきたいと思います。」  

盆踊り当日は大忙し

こちらの工房では着物の着付も教えているため、盆踊り当日は朝から深夜0時まで踊り手の着付をするので大忙しなんだそうです。
西馬音内盆踊りは、今月16日から18日まで無事開催されました!  

着付け体験も人気

また、端縫いや編み笠の体験もできます。国内だけではなく、海外からも体験に訪れる
そうです。
今井キャスターも貴重な端縫いの衣装を着付けしてもらいました。  

和気あいあいの工房

職人のお2人もおっしゃっていましたが、みなさんで写真を撮らせていただきましたが、
写真からも楽しさや仲の良さが伝わってきます。  

♪ニュースこまち~♪

美由紀さんのお子さん2人が、「ニュースこまち~」を練習してくれていました。
まだ、小さいのにすでに盆踊りも踊れることにスタッフはびっくり!
素敵な藍染めの浴衣で「ニュースこまち~」に参加してくれました(#^^#)
みなさん、ありがとうございました!