ドキュメント4

事故も多く、世界屈指の海の難所と言われる瀬戸内海の来島海峡。船の安全を守るため人知れず日夜奮闘する人々がいる。来島海峡海上交通センター、通称来島マーチスの管制官たちだ。小さな判断ミスが大事故へとつながりかねない緊張の現場に去年１人の新人女性管制官が配属された。重責に押しつぶされ、自信を喪失する日々の連続。早く一人前になれるよう悩み、もがきながら、ただひたすら前を向き続ける新人管制官の姿に密着した。

「いちばんは楽しく仕事するってことですかね」。コシがあるのにフワッとした食感。讃岐うどん伝統の「手打ち」「手切り」で独特の味わいを生み出す。うどん職人の山下義高は、伝統を守りつつ、客を楽しませるメニューを次々と生み出す。ライバルのうどん店主を巻き込み勉強会やイベントを開催したり、店の営業を弟子に任せたり。担い手不足で店が減少する中、讃岐うどんの文化をつなごうと楽しみながら挑戦する山下に密着した。

徳島の小さな町から世界の頂点を目指す若者がいる。海陽町に暮らすプロサーファー、上山キアヌ久里朱。４歳からサーフィンを始め、１７歳の時には世界ジュニア選手権で優勝するなど、オリンピックでの活躍が期待される選手の一人だ。しかし、その道のりは決して順風満帆ではなかった。原動力となったのが、両親を説得してまで移住した“徳島”への思い。パリオリンピック出場に挑む若きプロサーファーに密着した。

ことしの部員は６人。他校から２人が加わり合同チームで出場する。ほとんどが小学生から同じクラブに所属、チームワークの良さとローリー選手を軸にした攻撃力が武器だ。しかし大会１か月前、チームは苦しんでいた。主力の１人が膝の靭帯を切り出場が危ぶまれ、攻撃の幅を広げることを託された下級生はプレッシャーに苦しむ。そして主将のローリーもまた部員をどう引っ張っていくか悩んでいた。試練の先に彼らがつかんだものとは。

「死んだあとってどうなると思います？」白血病のユーチューバー「にゅーいん」として活動していた高知市出身の竹内蔵之介さんが２０２２年９月、２４歳で亡くなった。４年前から自身の闘病生活を発信。明るくユーモアあふれる動画は、白血病の当事者や家族から反響を集め、再生回数は３７万回を超えている。亡くなる直前まで動画発信にこだわり続けた「にゅーいんさん」。彼が残したものを家族や影響を受けた人のことばからたどる

徳島・剣山の山あいに暮らす西岡田治豈（はるき）さんと妻の節子さん。自宅があるのは谷底から高低差３００メートルもある急斜面。ここで伝統農業を５０年以上続けてきた。斜面にある畑は重機を入れることもできず、手作業だけが頼り。１０月、ふたりにとって最も楽しみなソバの花が満開となる。ふたりは力を合わせてソバを収穫。名物のソバ米を作る。手間がかかる山の暮らしを続ける理由とは何か、夫婦の生活を通して伝える。

四国に生きる人たちに正面から向き合い、その人生を描く新しいドキュメンタリー番組「ドキュメント４」▽舞台は“造船のまち”愛媛県今治市・主人公は春から大手造船会社に就職する村井珠夏さん▽目標とする溶接工は母という珠夏さん、そこには意外な理由が・・・▽その背中を追い続けてきた珠夏さんが高校卒業を前に母から受け取ったメッセージとは？▽高校生とその母３か月の記録▽ナレーターは俳優・奈緒