「やさしい猫」通信では、ドラマの中で登場する様々なコト・モノを詳しく紹介していきます。
今回は、第2話のこのシーンから。
働いていた自動車整備工場が倒産し、失業してしまったクマさん。
“仕事がないと、ミユキさんマヤちゃんを守れない”と、家を飛び出してしまいます。
ミユキは保育園で結婚の延期を告げたあと、ほなみ先生から「外国の人は在留資格によって働くことのできる業種が決まっているから、仕事を見つけるのは容易でない」という話を聞きます。
クマさんを探す手がかりを得るために、ペレラのスリランカ料理店に向かったミユキとマヤは、ペレラから「在留カード」を見せてもらいます。
この「在留カード」が、今後この物語を左右する大きな役割をもちます。
今回のやさしい猫通信では、この在留カードについて振り返っていきます。
「在留カード」とは?
3か月を超えて日本に滞在することが認められた外国人に、常時携帯が義務付けられているカードです(観光目的など短期滞在の方は持っていません)。免許証と同じくらいのサイズで、名前、生年月日、性別、出身国、現住所と在留資格の種類・期間、就労制限などが書かれています。
外国籍の人々が日本に在留するためには、旅券(パスポート)と査証(ビザ)、在留資格認定証明書が必要です。日本の空港などに到着して上陸が許可された後、在留カードが発行されます。
※こちらは撮影用の小道具です。
在留カードにはどんなことが記載されているか、作中に登場したペレラの在留カードを詳しく見てみましょう。
・在留資格
在留資格は、その人が持っている専門性、資格、経歴どによって分類されています。
「教授」「報道」「医療」「技術・人文知識・国際業務」などの就労を目的とする資格。また「留学」、「家族滞在」といったような非就労資格。ペレラさんのような「永住者」「日本人の配偶者等」などの、居住資格と呼ばれるものがあります。
・就労制限の有無
在留資格の横に書かれているのが、就労制限の有無です。
その人が持つ在留資格によって、「在留資格に基づく就労のみ可」/「就労不可」/「就労制限なし」などが記載されます。
・在留期間
在留資格の下に書かれているのが、在留期間です。在留資格や、滞在予定期間、住所移転や転職などによる届出の義務を順守しているかどうかなどをもとに決定されます。この期間をこえて日本に在留するためには、有効期限が切れる前に入管で更新手続きを行う必要があります。
誰にも相談せず、一人で仕事を探している間に、クマさんの在留期限が切れる日は、間近に迫ってきていたのでした・・・。
「やさしい猫」通信、今回は「在留カード」について詳しくお伝えしました。
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取材協力:NHK専門解説委員 二村 伸