🎬1980年「ブルース・ブラザース」公開
監督のジョン・ランディスは、「狼男アメリカン」(81年)も手掛けた、ホラーとコメディの名手。なんと、マイケル・ジャクソン本人からミュージックビデオ「スリラー」(83年)を撮ってくれないかと誘われたという。ゾンビと踊るマイケルの姿は、全世界を魅了した。
当時、中学生だった番組プロデューサーSも、文化祭の余興で「スリラー」の物真似をさせられたのをおぼえている。アメリカ議会図書館は、これを「史上最も有名なミュージックビデオ」とし、2009年には文化的・歴史的・審美的に重要な作品として国立フィルム登録簿に収録された。ジョン・ランディスとマイケル・ジャクソン…
現在の「ユーチューバー」や「ティックトッカー」の大先輩…という気がしてならない。
🎬1985年「バック・トゥ・ザ・フューチャー」公開
アメリカの現在・過去・未来を行き来するこの映画で、要となる「時計」に注目してみよう。主人公のつけている腕時計はカシオ。相棒の科学者の時計はセイコー。劇中には日本製品がこれでもかと登場する。カセットテープレコーダーはアイワ、憧れのピックアップトラックはトヨタ…日本企業の存在感は、さらに89年と90年に公開された映画の続編でも増してゆく。主人公が日本企業の上司イトウ・フジツウから「クビだ!」と怒鳴られるシーンに大爆笑。「日本製品は最高さ」という主人公の台詞に思わずニヤニヤした。バブル崩壊の足音がすぐそこまで迫っているとは…まだ誰も知らなかった。
🎬1989年「ドゥ・ザ・ライト・シング」公開
この映画が誕生したきっかけは、86年ニューヨークのクイーンズでおきたハワードビーチ事件。ピザ屋に入ったアフリカ系の若者が、イタリア系の若者に暴行を受け、道に飛び出し、車に轢かれ死亡した。スパイク・リー監督は迷わず、映画の舞台をピザ屋に設定したという。彼が手掛けた脚本はアカデミー賞候補に選ばれ、アフリカ系アメリカ人のオリジナル脚本としては史上初の快挙となった。
じつは、若き日のオバマ大統領が、ミシェル夫人との初デートでこの映画を観ていたという。後のオバマ夫妻は、一見デートに相応しくないと思えた先鋭的な映画を、あえて選んで観た。結果的にそれは生涯忘れられない体験になったという。あなたは初デートの映画…覚えていますか?