『家庭』(Domicile conjugal)

ライター 高田秀樹
2022年6月24日 午後1:10 公開

1970年

監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ジャン=ピエール・レオ、クロード・ジャド、松本弘子

クリスティーヌ(ジャド)と結婚したアントワーヌ(レオ)は、花屋――花を染料で染める仕事――をしながら、下町のアパートで幸せな暮らしを送っている。さらに、子どもが生まれたことで給料を稼ぎたいアントワーヌは、アメリカ資本の企業の求人に応募。運よく採用されるが、リモコンで船を操作するという彼にとっては面白くない仕事だった。
ある時、会社に日本人のヤマダ氏が訪れ、その娘であるキョーコ(松本弘子)に彼は浮気してしまう。そのことを知ったクリスティーヌは激怒し、2人は別居することになる。キョーコとの関係を続けるアントワーヌだが、食事の席で会話が続かない。たまらず公衆電話からクリスティーヌに電話を掛けてしまう。
結果的によりを戻した2人だが、男と女の行き違いはどこでも共通なのかもしれない。アントワーヌは、クリスティーヌに言う。「君はかわいい娘であり、妹であり、そして母だ」と。彼女は「妻にもなりたかった」と返すのだ。ドワネルシリーズ4作目。