『ウォール街』(Wall Street)

ライター 高田秀樹
2022年4月22日 午後1:00 公開

1987年

監督:オリバー・ストーン
出演:マイケル・ダグラス、チャーリー・シーン

バド(シーン)は若き証券マンだ。業界で一旗揚げようと、大物投資家で儲けるためなら手段を選ばないゴードン・ゲッコー(ダグラス)にアプローチする。ゲッコーに気に入られたバドは、危ない取引に手を染めていくが、それによって好成績を収める。
ある時バドは、ゲッコーと手を組んで父親の勤める破綻寸前の航空会社を救おうとするが、ゲッコーは会社を売り払って利益を得ようとしていたことに気づく。ゲッコーに逆襲するため、バドは別の投資家と組んでブルースターの経営権を奪うべく仕手戦を仕掛けるが、その頃にはSEC(証券取引委員会)の捜査の手が彼に伸びていた。
監督のオリバー・ストーンは資本主義の弊害を描くつもりだったが、この映画は逆にゲッコーのような「稼ぐ」投資銀行家への憧れを若者に植え付けたと言われる。「欲望は善である」というゲッコーのセリフは、反発を覚えると同時に、ねじれた現実が生んだ、ある力強さをもって今も私たちを支配しているのかもしれない。