『俺たちに明日はない』(Bonnie and Clyde)

ライター 高田秀樹
2022年4月20日 午後3:20 公開

1967年

監督:アーサー・ペン
出演:ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウェイ

1930年代、世界恐慌時代のアメリカ・テキサスで、刑務所から出所してきたばかりのクライド・バロウ(ベイティ)とウエイトレスをしていたボニー・パーカー(ダナウェイ)は運命的な出会いを果たす。意気投合した二人はアメリカ各地で強盗を繰り返していく。
いつしか、クライドの兄夫妻らも加えた強盗団は、貧しい人たちは狙わずに銀行強盗を行う義賊的なスタイルで世間の人気を集めるようになる。だが、そんな無謀な生活がいつまでもつづくはずもない。警察は徐々に彼らを追い詰めるが、逃亡の中でボニーとクライドは愛を交わす。ついに二人の居場所を掴んだテキサスの警官隊は、彼らの車に向けて無数の銃弾を撃ち込むのだった。
ボニーとクライドは実在の人物。閉塞感のある時代に体制に逆行して駆け抜けた姿は、かつての西部劇にも重なる。直接的な暴力や性的描写で映画界に衝撃を与えた、アメリカンニューシネマを代表する一作。