1976年

監督：マーティン・スコセッシ
出演：ロバート・デ・ニーロ、ジョディ・フォスター

ベトナム戦争帰りの元軍人トラヴィス・ビックル（デ・ニーロ）は、タクシー運転手となるが、まじめに働かずあてもなく街中を走っている。彼は、繁華街の麻薬や性欲に満ちた退廃的な雰囲気が我慢ならない。
トラヴィスは、町で一目ぼれしたパランタイン議員の事務所で働く女性ベッツィとデートをするも失敗してしまう。絶望した彼は、議員殺害を企て肉体を鍛えるが、これも失敗に終わる。
ある時、トラヴィスのタクシーに10代の娼婦アイリス（フォスター）が逃げ込んでくる。彼は彼女をヒモ男から開放することを決める。狂気に囚われ完全武装したトラヴィスは、アイリスのヒモ男や売春業のヤクザたちを次々と殺害する。結果的に彼は、裏社会から少女を救ったヒーローとして称えられるのだった。
トラヴィスが鏡の前で銃を構えながら「You talkin’to me?」とセリフまで練習する狂気的なシーンは象徴的だ。彼の暴力の対象は誰でもよく、銃を向けた鏡に映るのは自分自身の姿である。