『未知との遭遇』

ライター 高田秀樹
2022年4月22日 午後0:00 公開

(Close Encounters of the Third Kind)

1977年

監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:リチャード・ドレイファス、メリンダ・ディロン

インディアナ州に住む発電所技師ロイは、ある時UFOを目撃する。ロイはそのことを家族に話すが、誰も信じてくれない。一方、別の場所では一人の小さな男の子が光に誘われるように一人で外出し、UFOにさらわれてしまう。それを目撃した母ジリアンの頭には、ある山の姿が浮かぶ。くしくもそれはロイの頭にこびりついて離れないものと同じワイオミング州のデビルスタワーという山だった。
意気投合した二人は、何とかしてその山頂にたどり着こうと警察などの規制線を突破していく。なんと、そこには多数の科学技術者が集まり、UFOの主と交信しようとしていたのだった。
UFOからは、連れ去られた人たちが穏やかな表情で降りてくる。宇宙人たちは人間を連れ去ったが、この映画では「悪者」としてではなく、むしろ神々しいものとして描かれている。それは、国家が真実を隠しているかもしれないと考えたことの、裏返しだったのだろうか。