6年前、ある母親が命を絶った。原発事故の後、福島を離れた「自主避難者」だった。子どもを被ばくから守りたいと逃れた先で、なぜ命を絶ったのか。知られざる日々を追う。
「私は命をかけて2人の子どもを守る」。そう誓ってふるさとを離れたひとりの母親が、6年前、自ら命を絶った。原発事故の後、福島から逃れることを決めた「自主避難者」だった。夫を地元に残し、母子だけでの県外生活。そこでいったい何があったのか。彼女がSNSに残していた1万3千あまりの投稿から見えてきた、心の内とは。命を守るため自ら決めた避難が、なぜ彼女を追い詰めることになったのか。知られざる日々を追った。