岩手県普代村、三陸鉄道普代駅から徒歩5分ほどのところにある商店街。
その名も“アビーロード商店街”。
この写真の通り、商店街内の横断歩道でビートルズのアルバムのジャケットのような写真が撮れるのです!
名付けたのは、商店街を盛り上げようと集まった店主4人組「ジョイフルイレブン」の皆さんです。皆さんは毎月最終土曜日にイベントを企画。当日限定の商品が買えたり、人気商品が割引で買えたりするそうです。こだわりが詰まった手描きのチラシも好評です。
その商店街が普代村の特産“昆布”で盛り上がっているらしい!と聞き、行ってきました。
品質が自慢!おいしい昆布
出迎えてくれたのは、村のご当地キャラクター「昆布ブラザーズ」。すき昆布の「すっきい」と塩蔵昆布の「えんぞー」です。兄弟ではなく幼なじみとのこと。確かに顔つきが少し違いますね。
サービス精神あふれる動き。
すこし大きい体で狭いところも歩いちゃう姿。
何をしていても感情の読めない表情。
全部全部、本当にかわいい…!!!
と、あふれるご当地キャラ愛は置いておいて、まずは普代村の昆布のおいしさの秘密を教えてもらいました。
ポイントは
・荒波にもまれる!
・栄養豊富な海で育つ!
の2点。
普代の海は深くて荒い外海。穏やかな湾と違って、波が強いのが特徴です。強い波でプランクトンなどが巻き上げられ、昆布が育つ水深2メートル50センチほどのところにもたくさんの栄養が届きます。そのため、肉厚で風味が強い昆布がとれるのです。
さらに、深さがあるため港のすぐ近くで養殖ができるというメリットもあります。
収穫された昆布は、細長く切った「すき昆布」などに加工されます。その際切り落とされる根本と先の部分は、多い時で全体の半分近く。
その未利用部分を活用して加工品を作ろうという取り組みが、村では12年ほど前から始まりました。アビーロード商店街でも複数の店舗が参加しています。
お肉とも相性抜群!
訪れた1軒目は、種類豊富なお肉がずらりと並び、総菜も人気の精肉店。
そこで食べられるのが、刻んだ昆布をたっぷり入れた「昆布入りメンチカツ」。みちのく潮風トレイルなどで商店街を歩く観光客にも人気です。
あつあつ、サクサクでとってもジューシー。お肉と昆布の相乗効果でうまみ引き立つ肉汁が、一口ごとに溢れます!
この店一押し、これからの季節に活躍する商品が「魚介昆布だし」です。店主の上神田敬二さんが、普代に伝わる食文化“魚だし”に6つの食材のうまみをブレンド。昆布はもちろん、普代の海でとれるヒラガニやシュウリ貝、小さい魚など、それぞれのおいしさを最大限引き出すため、4年もかけて開発したそうです。
上神田さんおすすめの食べ方、うどんのだしとして味わいました。
それぞれの食材のうまみがしっかり感じられる優しい塩味。ほっとするおいしさでした
普代のおいしさだけでなく、上神田さんの普代愛もつまっているそうです。
緑のどら焼き!お菓子にも昆布
2軒目は、店内で作るお菓子やパンなどが人気の商店。
まんじゅう・どら焼き・ブッセの3種類に昆布が使われています。
確かにどれも緑色です!
中でもおすすめはどら焼き。
生地にもあんにも粉末にした昆布が練りこまれていて、甘い中に昆布の風味とほのかな塩気が効いています。昆布の効果で食感は“もっちり”。
昆布と甘い和菓子を調和させるため、店主の中村英伸さんが使った隠し味はしょうゆだそうです。
村民が手土産などに利用するだけでなく、村外から来たお客さんにもお土産品として人気だとか。お店ではバラ売りもされているので、もちろん自分のおやつにもぴったりです。
昆布に込める村への思い
東日本大震災時、“奇跡の水門”とも呼ばれる普代水門に守られて無事だった商店街。一方で養殖施設は全滅し、今も収穫量は震災前の半分程度です。
商店街の皆さんは、その復旧と復興、そして発展を願い、応援したいという思いをそれぞれの昆布の加工品に込めているそうです。これからも村一丸となって盛り上げていきたいと語ってくださいました。養殖業者の皆さんにとっても商店街での盛り上がり、きっと力になっていますよね。
昆布だらけのアビーロード商店街で、たくさんのおいしいもの(と昆布ブラザーズ?)がいつでもあなたを待っています!
普代の昆布でみんな、よろコンブ~♪