まちを緑色に!? 宮古市の魅力発信策

大北啓史
2022年5月30日 午前11:05 公開

今、宮古市の“緑化”が進んでいます。と言っても草木を植えることではありません。

市役所を訪れると、女性職員の胸元には鮮やかな緑のスカーフ、

男性職員は緑のネクタイを締めています。

(緑のスカーフをつける女性職員)

(緑のネクタイを着ける男性職員)

さらには広報誌まで緑という徹底ぶりです。

町なかに出ても緑色が目にとまります。

商店街のバナーフラッグにも採用されていました。

このフラッグの導入を決めた宮古市中央通商店街振興組合の坂本智子さんです。

市民の方に「まちが明るくなったね」と言われるそうです。

(宮古市中央通商店街振興組合の坂本智子さん)

(商店街を彩るバナーフラッグ )

なぜ宮古市で“緑化”が進んでいるのでしょうか。仕掛け人は神奈川県のコンサルティング会社に勤める竹村育貴(たけむら・なるき)さんです。

竹村さんは秋田県出身。看板業の父の影響で幼いころから色に興味を持っていたといいます。

「カラフルな色彩って南の方にあるって思うんですけど、東北も四季それぞれの色というのがありまして、自分も東北出身なので、幼いころからみていた東北の自然というのが大きかったかなと思います。」

岩手大学でデザインを学んだのち2014年の復興庁委託事業の一環で始めたのが

「いわてのいいイロ発信プロジェクト」です。

このプロジェクトは色を使って地域の魅力を発信していく取り組みです。

これまで岩手県内で12の地域を手掛けています。

そのひとつが「浄法寺うるわしレッド」

国内有数の生産量を誇る二戸市浄法寺町の漆から名付けました。

(浄法寺漆を使った漆の器)

色の名前をきっかけに地域の産業振興に結びつけることが狙いです。

竹村さん:「日常に身近な色を入り口にして、そこからこの色はどこからきた色なのかなということに気づくきっかけをつくる。私たちが本当に伝えたいものは色の先にある地域資源そのものなんです。」

今回、13色目となる色を宮古市と共同で決定。

名前は「浄土ヶ浜エターナルグリーン」です。

市を代表する観光地、浄土ヶ浜の風景を色と名前にこめています。

この色は、ことし7月に運航を開始する浄土ヶ浜の遊覧船の色にも使われています。

(ことし7月に運行を開始する遊覧船)

市の担当者も期待を寄せています。

「身近なところにエターナルグリーンがある、そういう宮古市になっていったらいいなと思っていますし、ひとりでも多くのファンを増やしていければなと思っております。」

(宮古市企画課 畠山善徳さん)

宮古市ではエターナルグリーンをふるさと納税にも活用しています。

市に寄付を行った人に対する返礼品としてエターナルグリーンのインクを昨年末から

選べるようにしたのです。寄付額13,000円に対しインク1本が贈られます。

これまでに13件の寄付が寄せられていて、ふるさと納税で得られた税収のおよそ5割が市の事業に活用される見通しです。

(ふるさと納税の返礼品になっているエターナルグリーンのインク)

宮古市役所 畠山さん:

「ふるさと納税をしていただくことで浄土ヶ浜の遊覧船の支援、あとは浄土ヶ浜の自然保護の支援等につながりますのでそちらのほうに活用させていただければなと思います」

竹村さんは今後も色を使った地域の魅力発信には行政との連携が重要だと話しています。

「地域資源に対して、自分たちが大事にしていかなきゃいけないものなんだっていう、主体性っていうんですかね、そういったところの動機をもっていただくことがすごく大事で、我々と一緒に地域色をつくっていこうっていう関係性のところがまずとにかく一番最初に大事かなと。」

エターナルグリーンのインクを試してみました。

淡く透き通るような緑色で「浄土ヶ浜の海」を感じました。

浄土ヶ浜に行ったことがない人でも、このインクから実際の景色を想像することができるかもしれません。

色を地域活性化に生かしていこうとする竹村さんと宮古市にこれからも注目していきます。

大北啓史

NHK盛岡放送局 ディレクター 2020年入局

好きな色は青色でしたが、エターナルグリーンが気に入り

最近は緑系統の服ばかり購入しています。