【#17】
黒川(井上祐貴)とともに、黒川のアパートにいる、高畑(桜田ひより)、荻生田(西山潤)、小松(紺野彩夏)たちは、水口先生(滝沢カレン)の監禁動画を学年全員にスマホで公開しました。水口先生を心配する連絡が次々と届く中、朝6時半に監禁動画が新たに配信されます。タイムリミットまで7時間半。撮影していた犯人に何かがあったのか、カメラが急にぶれ、監禁場所の手がかりを見出す黒川。それは、小さく光るガラスの靴。音楽室を見張っていたときに目にしていたものでした。つまり、音楽の授業でやるミュージカルのため、ガラスの靴を磨いていた宇部先生(木村達成)こそ犯人だと黒川。一方、欅台高校の音楽室でピアノをかき鳴らす宇部先生はどこかへ立ち去り、監禁部屋にいる水口先生は全く動きません。
3月10日(木)朝7時。タイムリミットまで7時間。黒川たち4人は急いで欅台高校へと向かいます。生徒用の玄関は閉ざされており、職員玄関へ。登校禁止と怒鳴る警備員を何とか説得して、音楽室へと駆け上がっていきます。しかし、音楽室の扉は鍵がかかっていました。
今度は、職員室へ向かう黒川と高畑。電話が鳴り響く職員室では、柿本校長(峯村リエ)と久田教頭(枝元萌)が、監禁動画や卒業式の延期についての問い合わせに電話応対中。2人をよそに、黒川・高畑がキーボックスの中を確認するも音楽室の鍵はありません。音楽室前に戻り、合流する黒川たち4人。黒川は、荻生田と技術室で何か道具を、高畑と小松は警備室で予備の鍵を探す指示をして、走り出します。しかし、黒川だけは走るのをやめ、音楽室を振り返り、何か気にしている様子。黒川がついてきていないことに驚く荻生田。
静かな音楽室前。すっと鍵を開けて、出てきたのは宇部先生。誰もいないことを確認したのも束の間、隠れていた黒川が開いたドアを足で止め、音楽室の中へ。動揺し追いかける宇部先生は黒川を引き留めようとしますが、音楽準備室への扉を見つけた黒川は扉を開けようとします。宇部先生が黒川を羽交い絞めにし、音楽準備室の鍵も閉まっていて開けられません。ここで高畑、荻生田、小松が音楽室の中へ。
宇部先生が水口先生を誘拐したと問い詰める黒川たち。スマホで水口先生の監禁画像やガラスの靴が映り込んでいる画像を突き付けます。宇部先生をじっと見つめる小松。黒川たちの厳しい追及によって、水口先生が中にいることは認めた宇部先生でしたが、犯人ではないと主張します。脅されて音楽室の見張りだけをしており、水口先生に水をあげたりもしていたとのこと。警察に話せと荻生田。脅されていただけで、警察はやめてくれ、信じてくれと懇願する宇部先生。これまで黙っていた小松は、「それは無理。先生のいうことなんて信じない」と厳しく言い放つのでした。宇部先生は視線をピアノの方にやり、ついに観念します。ピアノの中にあった鍵を見つける黒川・荻生田。ようやく音楽準備室への扉が開きます。小松が宇部先生を見張り、黒川、高畑、荻生田が音楽準備室の中へ。
しかし、切られたロープが残っているだけで、水口先生はいませんでした。じっと室内を見渡す黒川。床に敷かれたビニールがずれており、それをたどると、隠された扉が。荷物をどかして、黒川、高畑は扉の外へ向かいます。校舎の裏手から駐車場に出てくる黒川、高畑。エンジン音が聞こえる方へ向かうと、寺木(高橋侃)がワゴン車を運転して外へ出ていくところでした。寺木が水口先生を連れ去ったのだと、走っていく車を必死に追いかける黒川。追いつきそうもないところで、後方から車の急ブレーキ音が鳴り響きます。駐車場の出入り口に再び集った黒川たち4人が目にしたのは、水口先生の車にひかれ、倒れている宇部先生。さらに、水口先生の車からおりてきたのは野上先生。あまりの衝撃に事態を飲み込めない、黒川たちでした。
【#18】
時は戻り、黒川と高畑、荻生田が音楽準備室の中へ入っていった頃、音楽室に残った小松と宇部先生が対峙していました。スマホで犯人から脅されていたという証拠のメールを小松に見せる宇部先生。誰からのメールかはわからないが、女子生徒との関係を公にすると書かれており、小松のために仕方なくやったといいます。しかし、「自分のためでしょ。言い訳は警察でしてください」と言い切る小松。宇部先生は小松を押しのけ、音楽室から逃げていきます。騒ぎに気付いた荻生田が、音楽準備室から戻ってきて状況を把握、宇部先生を追いかけ、外へ。水口先生の車が駐車場にちょうど入ってくるところで、宇部先生がひかれるのを目の当たりに。水口先生の車から降りてきた野上先生を追及する荻生田。野上先生は、水口先生の車を隠すようにメールで脅されていたと言います。高畑たちが学年に広めた監禁動画は、野上先生の元にも届いており、水口先生が監禁されていると知った野上先生は、車を戻して全部話そうと思ったのに、宇部先生が飛び出してきたのです。
どこかの駐車場で車を止めて電話をしている寺木。電話の相手に金を要求し、指定された場所へと車を向かわせます。欅台高校では、宇部先生が応急処置を施され、柿本校長と病院へ運ばれていました。
3月10日(木)朝7時50分。タイムリミットまで時間6時間10分。欅台高校を訪れた警官の市原(森田甘路)と梶浦(足立梨花)は手分けをし、黒川たちにひとりずつ聞き取りをしていきます。小松に、誰が宇部先生を脅していたのか心当たりあるか問う梶浦。市原は、野上先生がサッカー部の暴行事件をネタに脅されていたと、荻生田に語り、同様に誰が脅していたのか尋ねます。さらに、梶浦は高畑に、水口先生と何があったのか聞くのでした。そして、黒川は市原に、水口先生を連れ去った寺木を早く探してほしいと懇願。市原は、学校関係者ではない寺木がこの事件を起こす動機を疑問視していました。
一方、どこかの廃墟で拘束した水口先生を地面に置き、誰かを待つ寺木。妻のレナと赤ちゃんが家を出て、焦っているようでした。
あらためて生徒指導室に集った黒川たち4人は、事件を整理します。誰かに脅されていたという宇部先生と野上先生ですが、心当たりはありません。また、水口先生を連れ去った寺木が脅していたのかどうか。黒川は、寺木が教師たちとのトラブルを知るはずもないと考え、トラブルを知る別の黒幕の存在に思い当たります。直接告白し合った自分たち以外に、トラブルを知っていた人間は誰なのか考える中、ふと告白カードのことを思い出す高畑。
伊藤先生に電話をかけ、告白カードが理事長室にあると知った黒川たち4人は、伊藤先生の到着を待たずして、部屋を捜索。告白カードが保管されているファイルを見つけますが、高畑、荻生田、小松の告白カードは抜きとられていました。さらに、理事長のデスクをあさる黒川。ようやく3人の告白カードを見つけ、これを読んだ人間であれば、今回の事件を起こせると考えます。そしてそれを読むことができる人間を伊藤先生に電話で確認する黒川。伊藤先生によって、それは学校内でただ一人、小菅理事長であることが明かされます。黒川たちは、今回の事件の黒幕が小菅理事長(北山宏光)だと確信するのでした。
【#19】
理事長室に集う、黒川たち4人と伊藤先生。伊藤先生は、告白カードに記されていた、水口先生、宇部先生、野上先生と生徒たちのトラブルを全く知りませんでした。警察を呼んでくるから警察に話してほしいと、伊藤先生は理事長室を出ていきます。残された黒川はポケットに隠していた、もう一枚の謎の告白カードを気にしているようでした。そして、高畑は、理事長のナイフを机から取り出し、そのカバーに見覚えがあるといいます。黒川はカバーに刻印されていたマークと、飲食店「よるイチ」のマスター(本間朋晃)が身に着けていたバンダナのマークが一致していることに気が付きます。
どこかの廃墟を訪ねる小菅理事長。寺木と水口先生に合流します。小菅理事長にとって、寺木が水口先生を学校外に連れ出したのは想定外とのこと。寺木に200万円を渡す小菅理事長でしたが、寺木はさらに300万円を要求。小菅理事長は承諾し「二度とバカな真似はするなと」恫喝して、その場を去っていきます。
別の廃墟で寺木を捜索する警官の市原と梶浦たち。寺木がなかなか見つからない中、梶浦の電話に着信が。欅台高校にいる伊藤先生が警察官の電話を通じて、生徒たちの話を聞いてほしいという連絡でした。しかし、理事長室に戻ると黒川たちはいません。黒川たちは既に飲食店「よるイチ」に向かっていたのです。タイムリミットまで4時間半。「よるイチ」は閉店しており、荻生田は水口先生監禁にマスターが関与しているのか恐れますが、結局皆で店の中へ。誰もいないと思いきや、金槌と鎖を持ったマスターが迫ってきて、絶体絶命!……実は、マスターは「冷やし中華はじめました」の看板を制作していただけでした。どうしてこの時期に?
理事長のナイフのカバーのマークと、マスターのバンダナのマークが一緒であることを確認し、マスターから話を聞く黒川たち。マスターは若かりし頃、小菅理事長と同じカラーギャングのチームに所属していたことがわかります。マスターが「忘れるもんか、あんなやばいやつ」というほど昔悪かった小菅理事長。黒川がマスターに事情を伝えると、マスターは、昔チームでよく集まっていたバイク屋「ランナウェイ」の情報を教えてくれます。そして、黒川から伊藤先生、伊藤先生から警官の梶浦へと、その場所の情報が伝わり、警官隊は現場に急行するのでした。
一方、バイク屋「ランナウェイ」では、水口先生に水を与える小菅理事長。そして、寺木が要求した300万円を渡します。かつて恩師によって更生できた生徒になぞらえ、「寺木にも変わるチャンスが来ている。新しい街で新しい人生をやり直してほしい。居場所をみつけてほしい」と語ります。かつて黒川と仲が良かった頃、クラブに通ってきた伊藤先生がよく口にしていた「一人一人に居場所を」という言葉と結びつける寺木。妻子に去られ自暴自棄の寺木は、小菅理事長が自分の人生を壊したのだと、鉄パイプで殴りかかります。バイク屋「ランナウェイ」に向かって走る黒川たち4人。市原たち警官隊は、「ランナウェイ」に到着し、中へと突入するのでした。
【#20】
黒川たち4人がバイク屋「ランナウェイ」に到着すると、救急車が来ていました。担架で運ばれていく水口先生。命に別状はないとのことで、生徒たちの呼びかけに少し反応します。水口先生は、ようやく助かったのです。しかし、そこに小菅理事長と寺木の姿はありませんでした。
「よるイチ」に移動し、あの冷やし中華を食べる黒川たち4人。水口先生の無事にいったんは安堵し、伊藤先生は学校を代表して黒川たちに謝罪します。しかし、黒川は、寺木も小菅理事長も捕まっていないと、警察で水口先生が何を話したのか知りたいといいます。
警察署に向かう黒川たち4人と伊藤先生。むしろ黒川に話を聞きたいという警官の市原。市原と梶浦から、水口先生の証言では、寺木が小菅理事長を殴って連れ去ったと知る黒川。梶浦は今回の事件の発端が、高畑、荻生田、小松の3枚の告白カードを読んだ小菅理事長が、水口先生、野上先生、宇部先生を事件に巻き込み、挑戦状を4人に送ったことであると確認。しかし、なぜ黒川の告白カードがないのかを問います。実は、黒川は告白カードを一度も出したことがありませんでした。さらに、どうして黒川が今回の事件に巻き込まれたのか聞く市原。黒川は答えません。実は黒川は理事長室の中で見つけていた、4枚目の告白カードの存在を隠していました。
黒川たち4人の帰り道。事件は一件落着であると明るくふるまう黒川。表彰されるらしいという言葉に、喜ぶ荻生田。役に立っていたのか疑問視する小松。高畑は、荻生田が皆を明るくしてくれたとフォローします。賛同する黒川、小松でしたが、一人足早に歩く黒川に、高畑は黒川が何かおかしいと感じたようでした。
病院で母親から話を聞く黒川。欅台高校の教育理念「一人一人に居場所を」だけでなく、「高校時代の一日は大人の一か月」という言葉も、教師であった亡き父の哲学であったと知ります。さらには、告白カードも亡き父がよく書かせていたと知る黒川。小菅理事長は黒川に、思いを紙に書いてすっきりした経験があると語っていたため、黒川は亡き父と小菅理事長との繋がりを察するのでした。
職員会議が開かれている欅台高校。伊藤先生のスマホに小菅理事長は何歳かという質問が黒川から届きます。不思議に思うも「36歳」であると連絡する伊藤先生。衝撃を受けたような黒川。
夜、黒川は自宅アパートに戻ると、あらためて4枚目の告白カードを読みなおし、物に当たり散らします。さらに、「A型とO型の(両親の)間に、B型の俺は生まれない」ことを再び思い返し、亡き父の形見である腕時計を棄て去ろうとしますが、それはできず、座り込む黒川。そこへ高畑から電話がかかってきます。黒川の様子がおかしいと感じていたとのこと。高畑は、今回の事件が起きた最初の夜に黒川に投げかけた、「辛いときは頼ってほしかった。一人でどうにかしようとするの悪い癖だよ」という言葉を思い出させ、明日学校で何があったか聞かせてほしいと伝えます。黒川は了承します。
翌朝、自宅アパートのポストで郵便物を受け取る黒川。大学からの封筒でした。そしてスマホの着信が焦り鳴り響き、急いでとる黒川。それは寺木からのビデオ通話でした。縛られた小菅理事長の姿が映し出されます。寺木は小菅理事長を人質にとり、タイムリミットは1時間と黒川に告げるのでした。