【#13】
欅台高校3年の黒川(井上祐貴)、高畑(桜田ひより)、荻生田(西山潤)、小松澪(紺野彩夏)の4人は、水口先生(滝沢カレン)を監禁したのが伊藤先生(中尾明慶)ではないかと疑い、追跡します。赤い髪の寺木(高橋侃)と妻のレナ(尾碕真花)、伊藤先生が一緒にいるアパート付近に突撃する黒川たち4人。黒川は伊藤先生が寺木と組んで水口先生を監禁しているのか、寺木が動画を撮っているのかと問い詰めます。しかし、そこへ新たな監禁動画が配信され、知らん顔の寺木は「二度と近づくな」と言い残して去るのでした。伊藤先生は残った寺木の妻・レナに100万円の入った封筒を渡そうとするも、断り去っていくレナ。伊藤先生への疑いをぬぐえない黒川たち。
「俺みたいな人間のために、ここまでしてくれる先生がいることに驚いた。不良グループの仲間と一緒にいるよりも、先生の話を聞いているほうが面白いと気づくまで、そう時間はかからなかった。」
3月9日(水)16時。タイムリミットまで22時間。飲食店「よるイチ」で、黒川たちは伊藤先生に次々と疑問をぶつけ、回答を得ていきます。伊藤先生の話によると、学校不在で連絡がとれなかった間は、自宅でリモート研修中かつ、スマホは水没して使えなくなっており、猫のトイレに敷く猫砂の吸水力によって、スマホを復活させたのでした。水口先生の隣の部屋に住み、通うジムも一緒なのはあくまで偶然で、伊藤先生のあとから水口先生が引っ越してきて、ジムもあとから加入してきたといいます。さらに、水口先生の車の中に落ちていた家の鍵は、体調を崩した伊藤先生を水口先生が車で送ってくれたときに落としたもの。そして、寺木に渡そうとしていたお金は、寺木の妻・レナに渡そうと思ったものでした。レナは伊藤先生が前に勤めていた学校の教え子で、家族と町をでてやり直す支援をするつもりだったのです。それでも怪しむ高畑は、伊藤先生の部屋の中で入手した日記を突き付けます。「黒川から電話 寺木逮捕」の記述を示し、やはり信用できないという高畑。黒川との過去を語り始める伊藤先生。
伊藤先生は黒川たち4人が2年生になった頃、欅台高校に赴任してきました。2年3組の担当になった伊藤先生は、1年生の頃から不登校だった黒川を受け持つことに。怪しいクラブの中で、寺木と一緒にいる不良・黒川に初めて話しかけた伊藤先生。「ここが君の居場所なのか?」と問い、「一人一人に居場所を」という理事長の教育理念をアピールします。しかし、その言葉も教師も嫌いだと伊藤先生を突っぱねる黒川。伊藤先生は、まともに口も聞かない黒川の元に何度も通い、書籍が沢山入った袋を渡します。驚いた黒川は、そのビジネス本で読んだ起業に興味を示し、少しずつ伊藤先生に心を開き始めていきました。伊藤先生は、高卒で投資を勉強して財産を築き、それを元手に起業して欅台高校をつくった理事長と黒川は気が合うのではと話します。さらに伊藤先生は、黒川を飲食店「よるイチ」に連れて行き、焼うどんをご馳走。これからも「好きなだけ食わしてやる」と、マスター(本間朋晃)が言っていると冗談を言うと、伊藤先生はマスターに首を絞められ、黒川は初めて笑みをこぼしました。
「でも、あの事件が起きた…」と語る、現在の伊藤先生。
「だが――俺は先生を裏切った。とんでもないものを押し付けてしまった」
【#14】
飲食店「よるイチ」で引き続き、黒川の過去について伊藤先生から聞く高畑、小松、荻生田。かつて不良グループにいた黒川は、事件に遭遇し、電話で初めて助けを求めたのが伊藤先生でした。事件とは、大麻密売絡みの監禁・傷害事件。逮捕されたメンバーの中に、当時、黒川と親しかった寺木がいたのです。寺木は黒川と一緒にグループから逃げるはずでしたが、黒川だけが難を逃れていました。当時、寺木の彼女だったレナが妊娠し、お金が必要だったのだと黒川。黒川は寺木を見捨てたと思っていました。黒川が隠してきた過去を初めて知った高畑、荻生田、小松。黒川は伊藤先生と仲直りし、他の3人とも信じ合います。このとき、「よるイチ」の客として、あのお騒がせ三つ子の残る一人(クロちゃん)もいあわせ、話に感動していました。
振り出しに戻った監禁事件の調査。黒川はあらためて、伊藤先生が柿本校長(峯村リエ)に水口先生の監禁画像を見せたかどうか問います。伊藤先生は、たしかに見せたと答えますが、柿本校長は黒川たちには知らないと話していました。また、柿本校長は、伊藤先生には警察に通報すると言っていたため、嘘と発覚。伊藤先生はあらためて水口先生について柿本校長に確認すべく、欅台高校へと向かうのでした。
一方、寺木は自宅アパートで、妻・レナ、赤ちゃんと過ごしていました。レナからバイトは順調かと問われ、明日までやれば金が手に入ると話す寺木。寺木は赤ちゃんのためにも引っ越ししたいといい、どこか外へと向かいます。また、入院している黒川の母を訪ねる人物が…花を抱えた小菅理事長です。一体何がどうなっているのでしょうか。
飲食店「よるイチ」を後にし、黒川の自宅アパートに集う4人。作戦会議は続き、果たして犯人は柿本校長なのかどうか話し合います。また誰かからの電話がかかってくるも、でようとしない高畑。あらためて挑戦状の中の「真相は君たちにしかわからない」という一文に着目する黒川。荻生田たち3人は水口先生の情報をSNSで集めることにしますが、黒川は知り合いがいないので、みんなのために焼うどんをつくり始めます。水口先生に関する有益な情報を待っていたところ、福岡の大学に進学すると明かす小松。知らないところに行きたいとのこと。ロンドンの帰国子女で秀才、お金持ちの高畑をうらやむ荻生田、小松。それを否定し、幼馴染の黒川の方が頭がよかったと高畑。そんな中、荻生田が見つけた資料から、黒川が欅台高校で学年でただ一人の給付型奨学金受給者に選ばれたことが発覚します。高畑は大きな衝撃を受け、「私の奨学金返して!」と黒川に迫るのでした。
【#15】
激高する高畑は、家庭の事情を黒川、荻生田、小松に打ち明けます。高畑の家は、実はもうお金持ちではなく、父親がリストラされてから酒浸りになり、貯金も底をついていました。家庭内はケンカが絶えず、大学費用を自分で賄わなければならないとのこと。ずっと医者になりたかったものの、お金がないからなれないとさらに自暴自棄になる高畑に電話が。「かけてこないでって言ってるでしょ!お父さんのことは自分でどうにかして!」と泣き叫び、電話を切る高畑。遊びを我慢して、勉強ばかりしてきたにも関わらず、高畑が水口先生の英語の間違いを度々指摘してきたからか、奨学金がかかった大事なテストで水口先生に厳しく採点されたといいます。1位でなければならなかったのに、水口先生のせいで2位に落とされたのです。水口先生は「魔法」を使って好きな子に奨学金をとらせたと語っていました。そんなことは知らないという黒川。どんな手を使ったのか問い詰める高畑。
黒川をフォローしようとした小松に対しても、高畑は爆発してしまいます。高畑は「付きまとってくるJKがうざい」と題されたネットの掲示板を書いたのが、音楽の宇部先生(木村達成)だと気付いており、小松が宇部先生と付き合っていたことを暴露。そして、小松は宇部先生と破局後に受けた侮辱と、周囲に知られているのではないかという恐怖を涙ながらに語ります。小松と破局後の宇部先生と付き合っていた水口先生は、小松をあざ笑っていました。仕返しとして、小松が宇部先生の指揮棒を折っていたことも告白します。さらには、寄り添おうとする荻生田をも、何もわからないくせにと責める小松、高畑。
荻生田は、体育の野上先生(池内万作)、水口先生から受けた残酷な仕打ちについて告白します。野上の写真を破ったのは荻生田で、荻生田がサッカーを辞めた理由は、先輩たちから暴力を受け、足を折られたからでした。そして、サッカー部の顧問の野上先生と、副顧問の水口先生は、これまで試合で貢献してきた荻生田を見捨て、暴行事件をもみ消していたのです。そんな水口先生を助ける必要なんてないのではないか、「死んじゃえ」と言い合う高畑、小松、荻生田。しかし、黒川は「死んでいい人間なんていない」と強く否定します。
一方、欅台高校の校長室で柿本校長と話す伊藤先生。柿本校長は、学校の評判を気にして、伊藤先生から見せられた監禁画像を警察には届けていませんでした。水口先生を心配する伊藤先生の必死の説得により、柿本校長と伊藤先生はあらためて水口先生の捜索を警察に頼むことに。
黒川のアパートでは、黒川以外の3人が水口先生救出に完全投げやりムード。そこへ黒川の電話が鳴り、病院から母・由美子(仙道敦子)の容態の急変を告げられ、黒川は部屋を飛び出します。
その頃、寺木は自分のアパートに帰りますが、妻・レナと赤ちゃんが姿を消しており、レナからの置手紙が。「創太、ごめん。創太の言ってること信じられなかった。わたしはただ、創太が更生して、貧乏でも家族3人暮らせたら、それでよかった…創太が黒川君ならよかった。」その手紙の内容に愕然とする寺木。さらに病院へと必死に走る黒川。
「『おい行くな!逃げるな!これを一緒に何とかしよう!戻ってこい!』その言葉を俺は無視した。全速力で逃げた。」
【#16】
3月9日(水)夜8時。タイムリミットまで18時間。病院へと走る黒川。黒川の家に残る高畑、荻生田、小松の3人の元には、学校から連絡が届き、卒業式が延期されることになりました。
病院に到着した黒川は、母の容態を確認します。看護師によれば、母は階段で躓いて頭を打ったが、検査の結果、無事であるとのこと。病室で黒川が見守る中、目を覚ます母。黒川は、見覚えのない花が置かれていることを問いますが、誰が来たのかには言及しません。そして、母は卒業式に参加できない代わりに、亡き父の形見の腕時計を黒川に手渡すのでした。
一方、警察所にいる伊藤先生と柿本校長。警官の市原(森田甘路)と梶浦(足立梨花)から、水口先生のマンション付近の監視カメラの映像を見せられます。すると、水口先生の水色の車を運転する野上先生(池内万作)の姿が映っていました。3月7日(月)14時に黒川たちが挑戦状を受け取ったあと、追いかけた車を運転していたのは野上先生だったのです。その頃、野上先生はどこかの駐車場で、水口先生の車を前に苦悩していました。
病院からアパートに戻る黒川。高畑たち3人とも、黒川の母を心配して部屋で待っていました。黒川が母の無事を報告すると、高畑はさきほど黒川を責めたことを謝罪。黒川は奨学金を手にしたことを謝り、亡き父の形見の腕時計を見せて自分の出生について語ります。父は生まれたばかりの黒川を抱えて車に飛び込んでいたこと、そして、黒川はそれを偶然親戚から聞いたため、母は黒川がこの話を知らないと思っていることを打ち明けるのでした。さらに、そんな父が教師であったため教師も嫌いになったといいます。そして、母と衝突してばかりで家にも帰らなくなっていた2年生の頃、母ががんで完治しないかもしれないということがわかったのです。だからこそ「もう誰も俺の周りで死んでほしくない」という黒川。高畑、荻生田、小松は、あらためて水口先生を助けたいと一致団結します。
夜は明けて3月10日(木)の朝。アパートにいる黒川たち4人は、黒川特製の焼うどんを食べながらも、水口先生の情報が依然として集まらないことに危機感を覚えていました。そこで、高畑の提案で、監禁動画を学年全員のグループチャットにスマホで公開することに。もしかしたら監禁場所を特定するヒントを得たり、犯人を揺さぶることができたりするのではないかという考えでした。
欅台高校に出勤する柿本校長。職員室で鳴っていた電話をとると、柿本校長が電話の相手の話しに驚くともに、次々と電話が鳴り響きわたります。
アパートにいる高畑たちのスマホに水口先生を心配する連絡が次々と届く中、朝6時半の監禁動画が配信。タイムリミットまで7時間半。最新の監禁動画では、撮影していた犯人に何かがあったのか、カメラが急にぶれていました。そして、そこに映された「何か」から、黒川は犯人に気が付くのでした。