【#1】
黒川良樹(井上祐貴)は、高校卒業を3日後に控えた、私立欅台高校3年1組の高校生。3月7日(月)朝の登校中、英語教師・水口里紗子(滝沢カレン)が水色の車で出勤するところに出くわします。水口だから水色。「不良くん!ごめん急いでるの」と声を掛けられ黒川が水口の車をよけると、今度は他の生徒たちが歩く黒川をよけていきます。黒川は学校内で不良として恐れられているようです。実際には“元”不良、受験した大学の合格発表を待っているのですが。車を降りた水口先生は、他の生徒たちに囲まれ「グッドモーニング!ヤッホー!」と明るく挨拶。ヤッホーはドイツ語からきているとかいないとか。英語教師なのに…黒川が校内に入ると、体育教師・野上厚(池内万作)が走って登校する生徒たちに注意を繰り返していました。モニターに映し出されているのは欅台高校の校訓です。「一人一人に居場所を」「高校時代の一日は大人の一か月」「見える山すべてに登り切れ」綺麗な校舎に、綺麗な校訓。覚えておくときっと良いことがあるんでしょうね。
生徒指導室で自画像を描く黒川。本人とは似ていない独特の画風。黒川の恩師、数学教師・伊藤倫太郎(中尾明慶)も一緒に黒川の絵を描いていて、こちらは似ています。数学教師なのに… 黒川の卒業のため、美術の補習課題に付き合っていたんですね。黒川は朝、水口を取り囲んでいた生徒が7人、野上が注意していた生徒が13人いたとボヤいていました。一瞬でわかるとのこと。伊藤と黒川はとても親しそうです。
伊藤が去った後、自宅アパートのポストで朝に受け取ってきたチラシとともに、差出人不明の手紙を広げる黒川。手紙には「3月7日月曜日14時 この手紙を受け取った4名の生徒はアカシア公園に集合のこと」「水口里紗子誘拐の謎を解け 真相は君たちにしかわからない」という言葉とQRコードが記されていました。スマホでQRコードを読み込む黒川。「14時配信」との画面。
14時前、黒川は指定されていたアカシア公園を訪ねます。同じ手紙を受け取った、3年7組の小松澪(紺野彩夏)が来ていました。小松に恐れられ、謝られる黒川。続いて、勢いよく走り込んできたのは3年5組の荻生田隼平(西山潤)。そして、3年2組の高畑あやね(桜田ひより)も手紙を手にやってきました。ほぼ親交のない4人。黒川と高畑は幼馴染でしたが、高校で接点はありませんでした。
14時になり、一緒にスマホを見ると、英語教師・水口が監禁されている映像が配信されます。黒川は手紙がポストに届いていたのは朝、出勤していたはずの水口先生の車は昼には消えていたことを思い返し、犯人の計画性を感じ取ります。そんな中、水色の車が近くに駐車されていることに気付く高畑。水口だから水色…水口先生の車のドアロックはなぜか開いていて、車の中には、車の鍵・家の鍵・財布・携帯電話が置かれたまま。財布に入っていた免許証から、水口先生の住むマンションはすぐ目の前とわかり、マンションに入っていく4人。車に置かれた鍵でマンションのエントランスは開きましたが、3階にある水口先生の部屋のドアは開きません。いったい、どこの鍵?そんな時、マンションの廊下から、水色の車が走り去るのが見え、必死で走って追いかける4人。
しかし、先頭を走る黒川が、自転車と衝突しそうになり、車を見失ってしまいます。あとで追いついた小松が拾ってきた手紙には「72時間後には水口里紗子を始末する」との文字が。4人は、手紙が犯人からの挑戦状であると確信しました。
【#2】
謎の挑戦状を受け取った欅台高校3年の黒川、高畑、荻生田、小松の4人は水口先生の監禁について通報し、警察を訪ねます。警官を待つ間、挑戦状の「真相は君たちにしかわからない」という文面から、互いの共通点を見出そうとしますが、荻生田が所属していたサッカー部の副顧問が水口先生であったり、英語の授業を受けたりしたことくらい。犯人が4人を指名した理由を見いだせずにいる中、生徒たちに話を聞きに出てきたのは警官の市原(森田甘路)と梶浦(足立梨花)。梶浦ユミミ(本名)にクロチャンと呼び掛けられる黒川。どうやら顔見知りのようです。高畑がこれまでの経緯を説明しようと、あらためて手紙のQRコードをスマホで読み込み、監禁動画を見せようとしますが、うまくいきません。警察にはイタズラと言われてしまいます。
警察署を出る黒川たち4人。警察は捜査してくれると信じる黒川。高畑は、挑戦状が家に届いたことから、送り主は生徒の名前と住所を把握できる、欅台高校の教師だと推測。そして、黒川たちは、水口先生が72時間飲まず食わずのままなら、そのまま衰弱死に至る危険性を認識し、自分たちで犯人を見つけることを決心します。
一方、水口先生が姿を消した欅台高校では、校長の柿本静江(峯村リエ)が緊急会議を開き、教師全員に水口先生の件を固く口止め。体育教師の野上が異様な動揺を抱え、音楽教師の宇部渉(木村達成)も伊藤先生も野上先生を不審がっています。中庭では、花の「妖精」と呼ばれる理事長、小菅泰治(北山宏光)が草花を愛でていました。見つけると幸せになれるという噂が生徒たちの間に広まっているようです。エントランスで、久田教頭(枝元萌)が、柿本校長に来客を伝えると、欅野署の市原と梶浦が欅台高校を訪れていました。
【#3】
警官の市原と梶浦は、欅台高校で柿本校長に、水口先生の監禁を通報した生徒4人についての聞き取りを始めます。通報した内容ではなく通報した人間を調べようとしているようです。警官と顔見知りの黒川以外、生徒3人のプロフィールをスラスラ説明する柿本校長。3年5組の荻生田は、スポーツ万能でサッカー部の中心選手。明るく目立つタイプ。3年7組の小松澪は、男子生徒から人気があり、SNSでの学校内ミスコングランプリに選ばれました。柿本校長は、そのミスコンを主催した生徒を停学処分にしたことをさらりと明かします。また、3年2組の高畑あやねは、中学の3年間をロンドンで過ごした帰国子女で学年一の秀才。最後に、警官に水口先生の所在を聞かれた柿本校長は、水口先生は3日後に迫った卒業式の準備に追われ、普段通り出勤していると証言。生徒から人気でいたずらに巻き込まれることも多かったとのこと。水口先生、大丈夫でしょうか…
黒川たち4人は、学校内の情報を手に入れるため欅台高校に戻ります。黒川は、水口先生が学校にいるのか確かめようと、唯一信頼をよせる伊藤先生に連絡。高畑は、通りかかった音楽の宇部先生に直接話を聞きますが、水口先生は職員室にいると言われました。なぜか、急に座り込んでしまう小松。伊藤から黒川への連絡で、水口先生は行方不明で、柿本校長から口止めされていることを知り、黒川と伊藤は学校の外で会う約束をしました。
黒川と伊藤先生の行きつけの飲食店「よるイチ」を訪ねる黒川たち生徒4人。マスター(本間朋晃)は無口なので面倒なことになる心配はないとのこと。あの朝の番組みたいな名前の「よるイチ」に向かおうと、学校を出ようとする伊藤先生でしたが、柿本校長に呼び止められびっくり。水口先生の件は警察に相談済みで、きっちり捜査してくれるとわざわざ報告を受けます。警察にそんな話してませんでしたが…
「よるイチ」で食事をしている4人の元に、水口先生の18時の監禁動画が配信。その映像の片隅には、犬のテレビ番組の映像が映り込んでいました。それが「よるイチ」でまさに放送されているテレビ番組と同じであると気付いた黒川たち。水口先生が本当に誘拐されていて、監禁動画がリアルタイムの映像だと確信します。
【#4】
黒川たち4人の待つ「よるイチ」に伊藤先生がやってきます。友達のいなかった黒川が他の生徒たちと一緒にいることに喜ぶ伊藤先生。職員の緊急会議で柿本校長が話した、水口先生の件について伝えました。欅台高校では柿本校長が、心配気味の小菅理事長から事情を尋ねられています。日頃から男性関係のトラブルが多かった水口先生が朝、学校関係者ではない男性と話し込んでいたと話す柿本校長。小菅理事長とともに作り上げた理想郷を汚す者は許さないと、解決に向けて動くことを約束します。
「よるイチ」で、さきほど配信された監禁動画のスクリーンショットを伊藤先生に見せる黒川。伊藤先生は、柿本校長に話して警察に見せるから、あとは大人に任せて帰れと指示します。おとなしく従う生徒たち。解散した4人はそれぞれ家路に。グループチャットをつくろうと小松に話す荻生田。
夜、黒川は母・由美子(仙道敦子)が入院している病院を訪ねます。毎日の日課です。3日後の卒業式に参加するのは難しいかもしれないが頑張るという母。天国にいる父とともに大学合格を待ち望んでいました。黒川が自宅アパートに帰ると、高畑あやねがアパート前で待っていました。黒川が水口先生の件で、一人で動こうとしているのではないかと心配になり、幼馴染でありながら連絡先を知らなかったため、待つしかありませんでした。高畑は、黒川と毎日一緒に遊んでいた小学生の頃、黒川が母を一人で看病していた時期を思い出し、「辛い時には頼ってほしかった。一人でどうにかしようとするのは悪い癖だよ」と黒川に伝えます。挑戦状が送られた4人で一緒に水口先生の件を解決しようと、高畑からグループチャットの招待を受ける黒川。
しかし、それぞれの自宅に戻ると、小松が「みずぐち死ね」と書いたノートのページをハサミで切り刻み、高畑は「水口先生が許せない」と記した日記を見ていました。お互いに水口先生と深い接点はないと言っていたのに…そんな折、どこかに監禁されている水口先生は意識を取り戻します。犯人にロープを首に巻き付けられ、「助けて!!」と叫ぶ水口先生。時刻は3月8日(火)0:00、タイムリミットまで62時間を迎えました。つづく…