自由を強く求める野枝と大杉は、“同志”として人生をともに歩む覚悟を決める。そして、平等で公正な社会を作ろうと、“言葉”を武器に理不尽な権力に立ち向かっていくのであった。波乱万丈の人生を更に開花させようとした矢先、関東大震災が勃発。世の中はますます混乱に陥り、野枝や大杉たち無政府主義者にも疑いの目が向けられ…そして、理不尽な暴力が彼女たちを襲ってしまう。
「青鞜」を通して次々と世の中の不平等を訴えていく野枝。しかし、世間の風当たりは厳しく、ついにはらいてう自身が隠居をしてしまう。らいてうから青鞜を引き継いだ野枝であったが、辻との関係も次第に亀裂が生じ、青鞜も廃刊となる。野枝に逆風が吹く中、時代の風雲児でアナキストの大杉栄(永山瑛太)に出会う。野枝は辻との別れを選び、大杉のもとへと駆け寄るが、待ち受けていたのは自由恋愛という名の四角関係であった。
今から100年前。女性の地位は低く、良妻賢母が求められた時代。福岡の片田舎で育った伊藤野枝(吉高由里子)は、東京の女学校へ入学し、教師の辻(稲垣吾郎)から「青鞜」の存在を教わり心を掴まれる。貧しい家を支える為の結婚を蹴り、自由を求め再び上京した野枝に才能を感じ取った辻は、彼女に知識を与え、導く。溢れんばかりの情熱を持った野枝はらいてう(松下奈緒)の青鞜社の門をたたき、時代の若きアイコンとなる。
貧しい家で育った伊藤野枝(吉高由里子)は、平塚らいてう(松下奈緒)の「元始、女性は太陽だった」という言葉に感銘を受け、結婚を蹴り上京。自由を渇望し、溢れんばかりの情熱で青鞜社に参加。結婚制度や社会道徳に真正面から異議を申し立てていく。第一の夫、辻潤(稲垣吾郎)との別れ、無政府主義者・大杉栄(永山瑛太)との出会い…。自由を守ろうと懸命に生きた一人の女性の“炎”を描く。