2020年11月9日放送 https://www.nhk-ondemand.jp/
ストーリーズ
ノーナレ
「おいらは農家 純情ラプソデー」
ナレーションのないドキュメンタリー「ノーナレ」。お金お金というけれど、お金を食べるわけじゃなし。不安な時代に、自給自足を目指して、不思議な野菜を育てる29歳の農家。 「お控えなすって!」畑に立つ渡世人姿。不安ばかりのこの時代に、不思議な野菜を育てる男、石橋千賀良、29歳。自給自足を目指し、農家としてしのぎを削ってきたが、両親の移住で全てを捨てて岡山へ。「お金お金というけれど、お金を食べるわけじゃなし。食べ物があれば安心して生きていけるじゃないか」と農の世界を開拓する。好きな俳優は石原裕次郎。この生き方、あなたはダサいと思うか、それともかっこいいと思うか…。
番組スタッフから
担当ディレクターより
「県北にすごい農家の兄ちゃんがいるから、話聞きに行ってみて。」取材先から紹介されて山奥に向うと、さらしを巻いた石橋千賀良さんの姿が...なんじゃこの人は!?と、ワクワクしながら取材をしたことを今でも覚えています。豪快な姿から想像できないほど礼儀正しく(*私の方が年下のため、今では私が舎弟のように面倒を見てもらっておりますが!)、繊細な味を出す野菜作り。紹介された畑では、卵形したとろっとろのナス、コクある出汁がしみ出るキャベツ、牡蠣の味がする葉物野菜、生で食べるフルーツみたく甘いカブなど、驚きの連続でした。そして目をキラキラさせながら自分と野菜のことを話す少年のようなその姿に、私は惚れ込みました。 取材を進めつつ、実際に畑作業の手伝いをしていく中で、ふと「生きている」という実感を得た瞬間がありました。汗と土まみれで草刈りを終え、きれいになった畑を見ながら水を飲んだ時のことです。「水はうめえし、爽快だろう?」千賀良さんにかけられたその言葉通りでした。これってコンクリートジャングルで、経済のために働いている中ではなかなか生まれない感情だなと思い、これをどうにか番組で伝えられないかと考え始めました。 千賀良さんを見て話して伝わってくる、やりたいことをやって生きていこうとする姿。もちろんその裏にはその分の苦労もあります。しかし、千賀良さんのものの捉え方として、草刈りは爽快感が得られるもの、収穫は野菜とのコミュニケーション、野菜作りと子育ては同じようなものなど、どんなことも楽しくやろうと見方を変えようとするその生き様は、今の時代を生きる我々に必要なことではないでしょうか。 見た人を勇気づける、爽快な気持ちにさせる、そんな番組だと思いますので、皆様ぜひご視聴ください! (番組ディレクター 赤坂 拓哉)
見逃し配信
「将棋界のレジェンド」羽生善治九段。タイトル戦の大舞台から遠ざかっていたが、最先端の将棋を研究、「竜王」への挑戦を決めた。迎えた七番勝負はまさかの展開に…。 ここ数年で激変した将棋界の勢力図。進化するAIを使いこなす若手棋士が台頭し、「将棋界のレジェンド」羽生善治九段もその激流に飲み込まれた。3年前に「竜王」を奪われて無冠に。大舞台から遠ざかっている間、家族との時間を大切にするなど、心身ともにリフレッシュ。さらに最先端の将棋に向き合い、「AI世代」の感覚を吸収していった。その成果が表れたのが去年秋。藤井聡太二冠を王将リーグで下し、さらに将棋界最高峰のタイトル「竜王」挑戦も決めた。相手は、かつて棋聖位を奪われた因縁のある豊島将之二冠。迎えた七番勝負はまさかの展開に…。50歳の苦闘を描く。