2020年2月3日放送 https://www.nhk-ondemand.jp/
ストーリーズ
ノーナレ
「謎の詩人 最果タヒ」
ナレーションのないドキュメンタリー「ノーナレ」。いま注目を集める詩人・最果タヒ。本名は公表せず、メディアに顔も出さずにいる謎の詩人だ。彼女が語る「レンズのような言葉」とは? 現代詩集としては異例の数万部を売り上げ、いま注目を集める詩人・最果タヒ。しかし、その素顔は謎だらけ。「言葉だけの存在になりたい」と、本名は公表せず、メディアに顔を出さずにいるのだ。独特なリズムの語り口。難解な言葉は使わず、それでも読む者に深い読後感を与える最果タヒの詩。彼女が語る「レンズのような言葉を書きたい」とはどのような意味なのか。読者のドキュメントや評論家たちのインタビューから探る。
番組スタッフから
担当ディレクターより
【この番組を企画したきっかけ】 最果タヒさんの言葉に深く触れるようになったのは、去年4月。たまたま手にしたオムニバス形式の平成を振り返る本に、「最果タヒ」の名前がありました。なんとなく気になり、別のエッセイを読んでみると、それまで表現できずにいた(言語化を諦めていた)、いつか感じたことのある気持ちが言葉になっていて、どんどんタヒの沼に・・・。と思いきや、詩集は、読んでも読んでもわかりませんでした。「わからないけど、なんかひっかかる」そんな不思議な感覚が気になって、もっと最果さんのことを知りたい!そんな思いから番組を企画しました。 【制作でこだわった点、もしくは、苦労した点】 作家の人間性を一切出さずに、「言葉だけの存在になりたい」と言う最果さん。形のない言葉の世界をどのように映像表現するか、その表現に最もこだわりました。 最果さんは、「レンズのような言葉を書きたい」と言います。その言葉が映しているものは何なのか。読者ひとりひとりの人生と向き合いながら、リアルな日常の中に言葉を表現しました。言葉が持つアナログさを大切にしつつ、1カット、1カット、こだわって撮影をしたので、ぜひご覧頂きたいです。 【取材をする中で印象に残った言葉】 ある詩集のあとがきに、「私の言葉なんて、知らなくていいから、あなたの言葉があなたの中にあることを知ってほしかった。」という言葉があります。 私はずっと、自分の気持ちを言語化することが苦手でした。話すのが下手で、途中で面倒になって諦めてしまうのです。いつも最果さんには、「自分の言葉で話せよ」とお尻を叩かれている気がします。下手くそでもいいから、まとまってなくてもいいから、共感されなくてもいいから、私だけの感情を言葉にしたいと思いました。 (番組ディレクター 髙田理恵子)
見逃し配信
「将棋界のレジェンド」羽生善治九段。タイトル戦の大舞台から遠ざかっていたが、最先端の将棋を研究、「竜王」への挑戦を決めた。迎えた七番勝負はまさかの展開に…。 ここ数年で激変した将棋界の勢力図。進化するAIを使いこなす若手棋士が台頭し、「将棋界のレジェンド」羽生善治九段もその激流に飲み込まれた。3年前に「竜王」を奪われて無冠に。大舞台から遠ざかっている間、家族との時間を大切にするなど、心身ともにリフレッシュ。さらに最先端の将棋に向き合い、「AI世代」の感覚を吸収していった。その成果が表れたのが去年秋。藤井聡太二冠を王将リーグで下し、さらに将棋界最高峰のタイトル「竜王」挑戦も決めた。相手は、かつて棋聖位を奪われた因縁のある豊島将之二冠。迎えた七番勝負はまさかの展開に…。50歳の苦闘を描く。