The Crossroad 島崎和歌子さん

NHK
2023年4月28日 午後2:54 公開

きょうのゲストは
朝ドラ「らんまん」に出演中の
島崎和歌子さん。
「らんまん」は、
高知県出身の植物学者の半生を描いたドラマ。
高知で生まれ育った島崎さんは、
女性の地位向上を目指し
奔走する人物を演じています。
いつも自然体のスタイルで活躍する島崎さん。
その人生の分岐点とは。
聞き手は佐藤俊吉アナウンサーです。

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■「らんまん」で島崎さんが演じるのは、
高知で“民権ばあさん”と呼ばれる
実在した女性です。

佐藤:「演じるうえで
心がけていることはありますか?」

島崎:「あまり役作りいらないなと。」

佐:「素でいけるくらいの?」

島:「そうですね。
素でいけたなってこともありますし、
ふだん使わない土佐弁だったので
その辺がちょっと難しかったですけれど。」

■島崎さんは、16歳で歌手デビュー。
NHKの若者向けの
音楽番組にも出演しました。

佐:「デビューしてからが
なかなか大変だったということですよね?」

島:「アイドル冬の時代でしたから、
歌番組がみんな終わっていって、
歌う場所がなかなかなかったですね。」

■アイドル歌手としての将来を
悩み始めた島崎さん。
そんなとき、人生の分岐点が訪れます。

島:「17歳の時に
大林監督の『ふたり』という映画にご縁があって
お邪魔させてもらったのですけれど。」

■映画「ふたり」は、
3年前に亡くなった
大林宣彦監督の代表作。
島崎さんは、
大林監督と初めて出会ったときのことを、
今も忘れられないと言います。

島:「監督と面接したときに
ずっと監督が笑っていらっしゃって。
『あなたは何をなさっているの?』と言われて
『アイドル歌手やっています。』と。
そうするとニコっと笑って
『そうなの~。そうなの~。』と。
そこからスタートだったのですけれども。
撮影中もずっとニコニコ笑顔で
怒った姿は見たことないですね。」

■映画は、広島の尾道を舞台に
少女たちの成長を描いた物語です。
島崎さんは、
演劇部で主人公と対立する
ライバル役を演じました。

佐:「主人公の石田ひかりさんを
いじめるじゃないですけれども…。」

島:「嫌がらせしたりとか、そういう嫌な役。
でもまったくそう感じなくて。
『あなたの役がこういう感じだから
今の気持ちはどう思う?』と
丁寧に説明する演技指導でした。」

■島崎さんは大林監督から、
17歳の自分をありのままに表現するよう
優しく教えられたのです。

佐:「例えば厳しい監督だったりすると…。」

島:「たぶん萎縮して
楽しくないと思ったでしょうね。
厳しかったり、どなり声が聞こえる現場だったら
現場が楽しいなとは
思わなかったかもしれませんね。」

島:「大林監督の撮影現場は
本当に伸び伸びと、
撮影現場が楽しみで行くような感じでしたね。」

島:「監督に言われるままなのですけれど、
今まで等身大の役に携われたのは、
すごくありがたいなと思うのと。」

■この大林監督との出会いをきっかけに
飾らないキャラクターで
活躍するようになった島崎さん。
2010年大河ドラマ「龍馬伝」では、
龍馬の義理の姉役に抜擢されました。

島:「坂本龍馬は高知の英雄ですし。
そういう作品に携われたのは、
“故郷に錦を飾る”って
こういうことなのかなと。」

島:「龍馬の兄の妻だったので、
これも実在する人物だったので、
それはありがたかったですね。」

■17歳のとき、
大林監督から学んだ自然体の演技は、
50歳で演じる朝ドラ「らんまん」でも
いかされていると言います。

島:「大林監督との出会いって
大きかったのだなと。
大林組のときは10代で年相応の役で、
今回も「らんまん」で50代で
そういうちょうどいい年齢の役に出会えるのは
ありがたいなと思いますね。」

島:「今後50代、 60代と
そういう等身大の役に巡り合えていけたらいいな
と思うのですけれどね。
こればっかりは皆さんが決めることなので。」