The Crossroad 二宮和也さん

NHK
2022年12月28日 午前11:01 公開

今日のゲストは、二宮和也さん!
国民的アイドルから第一線で活躍する俳優へ。
飛躍を続ける二宮さんの
人生の分岐点に迫ります。
聞き手は中條誠子アナウンサーです。

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中條:「2022年ですが、
目まぐるしい1年でしたか?」

二宮:「そうですね。
このペースはグループにいる時には
たぶんできないペースなので、
また新しい時間軸の過ごし方といいますか。
自分にとっては、
ここまで働いているというのは新鮮でした。」

■そんな二宮さんの人生の分岐点は…。

二:「僕は出ていないですけれど、
『花より男子』というドラマがあって。
僕らは主題歌を
担当させていただいていたのですけれど
そのドラマが僕個人的には
大きかったと思っています。」

■自分のことではなく、
グループの仲間である
松本潤さんが出演したドラマ。
それが分岐点だという二宮さん。
平均視聴率20%近くの話題作となり、
嵐が歌う主題歌も大ヒットしました。

二:「若いうちにいろいろなことを
やっていたけれども、
なかなか皆さんに(嵐を)
知っていただくタイミングが少なかった。
けれどいろいろな人に
(嵐を)知ってもらえたときに、
いろいろな人たちにもまれて、
その年代で恥をかきながらも
いろいろなことを知ることができたのは、
今となってはよかった、
経験できてよかったなというのは思うし、
本当にもう2倍3倍速ぐらいで
経験できたのは大きかったと思います。」

■分岐点を機に、
嵐という居場所が
揺るぎないものになりました。
それをベースに
二宮さんは新たな挑戦を続けていきます。

■分岐点の翌年…23歳で、
俳優としての原点となる作品に出会いました。
クリント・イーストウッド監督の
『硫黄島からの手紙』です。
この作品で演技力を高く評価された二宮さん。
その後、戦争映画など
シリアスな作品で存在感を示していきます。

■今年公開の主演作では、
第二次世界大戦後、シベリアに抑留され
過酷な運命を生きた実在の人物を演じています。
この作品で
二宮さんが意識し続けたことがあります。

二:「僕らは
ドキュメンタリーを撮っているわけではない、
映画を撮っていることを忘れずに
とにかくエンタメとして、映画界として、
映画というこの文化を
自分たちがどうやったら作っていって、
それをつなげていけるのか
ということも考えなくてはいけない。
戦争とか歴史のものをさわる時に
僕を応援してくれている若い世代がふれる
きっかけになったり、それこそ、
親子で見に行くきっかけになったり
(作品に)呼ばれている理由はある
と思っているので、
それを全うしたいというのが
多分あるのかなと思います。」

■そして役を演じるにあたって
二宮さんには大切にしていることがあります。
それは“決めてかからない”こと。

二:「一つの役に対しても
説明できればできるほど、
僕はちょっと嘘くさいなと思っているので、
人間として。
『この人はこういう性格だから、
ちょっとトーンはきつめで。』
みたいなことになっていっちゃうと、
誰に対してもきつくなっていっちゃって、
距離感が分からなくなっちゃうというか。
自分で作らずに人に作ってもらって、
その世界を生きていくのが、
今のところ正しいのではないか
というふうに思ってやらせてもらっています。」

■役柄の人物像を決めつけずに、
その瞬間に湧き上がった感情を
演技に乗せていく。
いわば、自然体で演じるスタイルが、
高い評価につながったのです。

中:「(撮影)現場の二宮さんは、
カメラがまわっても非常にニュートラル、
平坦なイメージがあります。
これは心がけていらっしゃるのですか?」

二:「心がけていますね。はい。
しんどかった、寒かったとか
いろいろネガティブなことがあったりするので、
せめて現場だけは楽しく、
ちゃんと毒も吐けて、ガス抜けて
いいなと思ったものに対して
いいねと言えたりとか。
ポジティブでいる方が
すごく生きやすい世の中だなと思いだして
現場でもそういう感じでいるので、
働くのは大変だけど
働いている現場は
ちょっと楽しくいられたらいいかな
というのはありますね。」