「コロナ禍で皆がつらい時期、人それぞれの大変な気持ちを感じられる物語です。タクシーに乗ってくる乗客が運転手さんにちょっとだけ弱音を吐いて、すっきりして、「ありがとうございました」って帰っていく姿がめちゃくちゃすてきでした」
●画像クリックで登録後すぐに視聴できます:配信期限2021年1月1日(金)午前3:29まで
「コロナ禍で皆がつらい時期、人それぞれの大変な気持ちを感じられる物語です。タクシーに乗ってくる乗客が運転手さんにちょっとだけ弱音を吐いて、すっきりして、「ありがとうございました」って帰っていく姿がめちゃくちゃすてきでした」
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[この番組は12月29日(火)総合 午後1時5分から放送「このドキュメンタリーがヤバい!2020」で紹介する番組です] 人生の交差点、タクシー。新型コロナ緊急事態宣言で不要不急の外出自粛が要請されていた5月中旬、そして宣言解除後の6月上旬、都内を走るタクシーに固定カメラを設置。それでも外出しなければならない乗客とドライバーの会話から、東京のリアルが浮かび上がる。電車に乗りたくないと嘆く通勤者、感染の不安におびえる通院患者、給付金の申請に行く経営者、賑わいを失った夜の街の住人…そして深夜、ドライバーにある出来事が!
Q.1 制作するうえで、どんなことにこだわりましたか? 【ドライバーさんの人柄】 事前取材も含めて全て「非接触」を徹底していたため、担当のドライバーさんも電話取材のみで依頼し、ロケ当日に初めて対面しました。ロケ中は会話をモニタリングして必要に応じて指示を出させて頂きましたが、基本的な車内の雰囲気作りはドライバーさんまかせです。未知数なことばかりのロケでしたが、どのドライバーさんも想像以上に個性的で温かく、お客さんとの会話はもちろん、それぞれのドライバーさんが抱える物語にもロケをしながら引き込まれていきました。 【ロケの作戦】 ロケは行き当たりばったりの一発勝負ではありますが、どの場所をどんな時間に走ればどんなお客さんに出会えるか、お客さんの属性からどんなメッセージを紡ぐことができそうか…都内全域のタクシー会社に取材をして作戦を練りました。 Q.2 ぜひ見てもらいたいシーンは? 【デパートの前でドライバー仲間と出会い立ち話】 待機中に出会った仲間のドライバーから「いくら走っても最低賃金に満たないから、翌月は山形の農家に出稼ぎに行く」と聞かされます。冗談交じりの何気ない会話から、乗客の減ったドライバーの苦境と、外国人労働者に依存した農業の苦境をリアルに伝えることができたのではないかと思います。 【2軒目の酒場を探す男性→車内を除菌するドライバー】 緊急事態の街のリアルを記録したい…という思いが企画のスタートでした。どこまで「自粛」すべきで、何が「不要不急」なのか。その判断は個々の判断に委ねられていましたが、その一方で疑心暗鬼が募り不寛容さが増していくことを感じていました。 タクシーに乗ってくれるお客さんに感謝しながらも、つい不安や疑念を抱く自分に悲しさを覚える…というドライバーさんの複雑な心境に共感しました。 【タクシーの神様が付いてくる】 タクシードライバーの仕事をしていると毎日様々なお客さんを乗せるため、気持ちを切り替える術が自然と身につく…と4人とも口々に仰っていました。「タクシーの神様が付いている」という言葉からはその人生哲学の一端を感じます。こうした前向きな心がけが、コロナ禍の日常を生き抜く小さなヒントになるのではないかと思いました。 Q.3 苦労したところ、難しかったことは? 【偶然乗り合わせたお客さんへの取材交渉】 いかに快く取材に応じてもらえるか、限られた乗車時間でどこまで語ってもらえるか。声かけの仕方や質問の投げ方など、乗車時の雰囲気や時間・場所などを考慮してドライバーさんと相談しながら探っていきました。 Q.4 放送後の反響で印象的なことはありますか? 作り込まない(制限があり作り込めない)状況だったからこそ、リアルさを感じてもらえたように思います。また、ドライバーさんたちの姿に共感する声が多かったことが印象的でした。さらに、出演してくれた4名以外の様々なドライバーさんたちから「良かった」「改めて自分の仕事について誇りを持てた」と声をかけて頂いたことを嬉しく思いました。 (番組ディレクター 横田大樹)