このドキュメンタリーがヤバい!12月30日放送
NHKスペシャル 「緊迫ミャンマー 市民たちのデジタル・レジスタンス」
初回放送日: 2021年12月28日
【この番組は12月30日(木)総合 午前8時35分から放送「このドキュメンタリーがヤバい!2021」で紹介する番組です】 緊迫のミャンマー情勢・いま何が起きているのか?▼抗議デモを続ける若者たちを現地取材▼密着!Z世代による“デジタル・レジスタンス”▼現実世界とネット“表裏一体”の攻防の行方を追跡▼世界各地からキーボード戦士が続々参戦▼ネットやSNS上の投稿動画を徹底解析!軍による弾圧の実態▼日本に住むミャンマー人たちの闘い方とは?▼クーデターの背景に何が?88年との違い▼求められる国際社会の役割は?
番組スタッフから
担当プロデューサーより:
Q.1 制作するうえで、どんなことにこだわりましたか? 今回、こだわったのは、市民が軍の弾圧を撮影してSNS上に投稿した無数の動画や写真を、番組としてどう活かせるか、という点です。現地の市民たちが「この惨状を国際社会に知って欲しい」との思いから決死の覚悟で撮影・発信したものばかりで、こうした貴重な告発をネット上だけで埋もれさせてはいけないと考えたからです。そこで、それらの動画や写真の真偽を検証し、撮影した人物、日時や場所などを調べあげ、「フェイク」ではないと確信出来たものだけ、番組で再構成しました。それが、ネット時代のTV報道の役割だと考えたためです。 Q.2 ぜひ見てもらいたいシーンは?(理由もお願いします) 3月3日、軍に対する抗議デモのさなかに銃弾に倒れた19歳のエンジェルさんという女性の死について多角的に検証している部分です。今回、私たちは、世界各地の主要メディアが使い始めた「オープンソース調査」と呼ばれる、デジタル技術を使った新しい調査報道に挑戦しました。SNS上の動画や写真を分析することを中心に、その場にいた人などを探し当てて証言を取るなどして、エンジェルさんの殺害を否定していた軍の主張とは違う結果、つまり、軍が殺害に関与していた可能性を示しました。その点を見てもらえたらと思います。 Q.3 苦労したところ、難しかったことは? 現地に取材に行くことが出来ず、かつ、ミャンマー軍による情報統制などもあり、現地で何が起きているのかを正確に把握することが難しく、やはり、ネットやSNS上に投稿された情報や、動画・写真などから弾圧の実態を検証していった訳ですが、その際、出来る限り、当事者や関係者の証言をとるなど、ファクト・チェックを行い、その検証に耐えたものだけを使用する。いわば「真偽を確かめる作業」にいちばん時間を割きました。 Q.4 放送後の反響で印象的なことはありますか? 番組の放送後、視聴者の方々からは、この新たな調査報道に対して「NHKの本気度を感じた」という意見など、大きな反響をいただけたことが印象に残ってます。 (番組プロデューサー 善家 賢)