旧統一教会との関わりは?

NHK長野放送局 取材班
2022年10月3日 午後7:26 公開

「世界平和統一家庭連合」、旧統一教会との関わりについて、NHKが現職すべての長野県議会議員57人にアンケート調査を行ったところ、約2割にあたる11人が講演会やイベントに出席するなどしていたことが分かった。(取材班)

県議の約2割 旧統一教会と関わり

安倍元総理大臣の銃撃事件以降、旧統一教会と政治家との関わりが相次いで明らかになっている。教会に恨みを募らせたとする人物が元総理を銃撃したことから、国会議員をはじめ政治家と教会との関わりが注目されている

こうした中、NHK長野放送局は現職の長野県議会議員57人全員に教会側との関わりについてアンケート調査を行い、すべてから回答を得た。その結果、最大会派の「自民党県議団」の10人と「県民クラブ・公明」の1人の合わせて11人が教会側と関わりがあったことを認めた。

関わりとして最も多かったのが関連団体などの講演会や催しへの参加で、以下の7人。

※議員の記載内容より。

鈴木清氏(長野)

 複数回、関連団体が実施した地元の夏祭りなどに参加

共田武史氏(岡谷)

 2回ほど集会に参加

宮下克彦氏(諏訪)

 2020年11月ごろに季節の集会に参加し祝辞

佐々木祥二氏(駒ヶ根)

 2021年6月文化講演会「地方の生き残りの処方箋」

 2021年7月安全保障セミナー「中国共産党創立100年と日本の覚悟」に出席

丸茂岳人氏(茅野)

 関連団体の講演会などに2、3回参加

清水正康氏(宮田村)

 2021年7月安全保障の勉強会に誘われて出席。

 勉強会の内容は「中国共産党、習近平氏の演説から日本はもっと危機感を持つべき」

望月雄内氏(安曇野) ※集会に出席した理由について

 親しくしていた高校の大先輩の 妻から数十人の集まりがあり、地域の課題を聞かせてほしいと言われ報告した

旧統一教会との関係を知っていたのか?

県議会議員たちは、講演会や催しが旧統一教会側と関係していることを認識していたのか。定例会が行われていた県議会で直接話を聞いた。

清水正康氏

「参加した勉強会が旧統一教会と関わりがあるとは全く知らなかった。旧統一教会は社会的に問題を起こした団体と認識していて、議員が出ていたらそうした勉強会が『安心なものだ』と思わせてしまう行為で軽率だった」

望月雄内氏

「民家の2階に30人ぐらいが参加した集会で、松本糸魚川道路 の建設計画について詳しい説明 をほしいと言われ、伝えることは大事なことなので集会で説明した。旧統一教会というと合同結婚式しか頭になく、集会の名前を言われても関係があるとは思わなかった」

これとは別にアンケートで旧統一教会の関連団体が行った自転車のイベントに参加したと回答したのが4人の議員。

山田英喜氏(上田)

 2019年に参加。

丸山栄一氏(中野)

 イベントの出発式に参加

竹花美幸氏(佐久)

 イベントの出発式に参加

大井岳夫氏(佐久)

 去年までの3年間、毎年、佐久市内で行われたイベントの出発式に参加し激励のあいさつを行った。

丸山栄一氏は、イベントに参加したいきさつについて次のように述べた。

「昔からの友人に誘われて何の疑いもなく参加した。当時はイベントが旧統一教会の関連団体のものだと意識していなかった」              

関わりがあった11人のうち直接話を聞いた清水氏、望月氏、丸山氏をはじめ7人は、今後、こうした集会に参加しないなど関わりを見直すとしている。

「旧統一教会と関係があるか判断難しい」

一方で、小池久長氏(富士見町)は、旧統一教会の関連団体が主催した可能性があるフォーラムに2回出席して、その際、資料代として合わせて1000円を支払ったと回答した。

その小池氏にも話を聞いた。

「案内が郵送で来て、平和やアジアの連携の話だったので参加した。旧統一教会と関係があるかどうかの判断は難しく、すべてに出ないとなると政治活動は限られたものになってしまう。そのつど判断していきたい」

このほか1人がイベントに出席したり祝辞や祝電を送ったりしたことがあるか調査中と回答した。

一方、アンケート調査では、▼運動員の派遣など選挙支援を受けたことがあるか、▼献金の受領やパーティー券を購入してもらったことがあるかについても聞いたが、すべての議員が「ない」との回答だった。