謎の音楽、裁縫箱・・気になる“アレ“を調査!

NHK
2022年5月16日 午後2:50 公開

今回の追跡!バリサーチは、視聴者の方々から寄せられた、“長年気になってしかたない疑問”を2つ解決していきます。

まずは、大牟田市のちいこさんから寄せられた投稿です!

30年来の疑問の正体とは、いったい何なのでしょうか、

取材班は、『エリーゼのために』が聞こえるという、高泉団地の土手へ。

いよいよ朝7時、音楽が聞こえくるのを待っていると・・・。

待てど暮らせど音楽は聞こえてきません。

そこで、通りがかった人たちに聞いてみました。

「音楽ですか?朝7時ごろ走るんですけど、聞いたことないですね」。

「わからない」。

あれ!?情報に行き違いがあったのか。

そこに・・・。

「エリーゼのためか、あの曲が流れよっとよ」

「市役所、市役所」

(スタッフ)「きょうは聞こえてました?」

「知らん、市役所に取材したら分かる市役所に」。

【大牟田市役所 広報課 木下恵里さん】

【大牟田市役所 広報課 木下恵里さん】

ということで、大牟田市役所に尋ねてみました。

ところが・・・。

「市役所ではですね流してないんですよね」。

(スタッフ)「防災行政無線を使ってそういう音楽を流してるっていうことは?」

「いいえ、そういったこともしておりませんので」。

では、いったいどこから???

その時!

「手鎌公民館の方で朝『エリーゼのために』を流されてるっていう話をうかがいいましたので」。

なんと、音楽を流していたのは、土手から3キロ離れた公民館だというのです。

【手鎌公民館 高畑義勝さん 河野久治さん】

【手鎌公民館 高畑義勝さん 河野久治さん】

「こんにちは/こちら朝7時に『エリーゼのために』っていう音楽を流されていますか?」

「はい、7時に鳴っております」。

ついに発見しました!。

聞けば、平成2年に放送機器を新調して以来、毎日朝7時に30秒間『エリーゼのために』を流しているそうです。

ではいったい、なぜ?。

【手鎌公民館 高畑義勝さん 河野久治さん】

【手鎌公民館 高畑義勝さん 河野久治さん】
「半農半漁両方やっている方とか農業を専門にやっている方は結構いらっしゃったんですよね。だからここから流すことで、時間の目安が分かると」。

ちなみに、音楽は、手鎌地区全域で聞こえるようおよそ2キロの範囲で音量を設定しています。では、3キロ離れた高泉団地方面まで聞こえることがあるのはどうしてでしょうか。

【手鎌公民館 高畑義勝さん 河野久治さん】

【手鎌公民館 高畑義勝さん 河野久治さん】
「風向きが方向によって高泉団地方面だったらゆっくり届くかなと」
「高泉までなら高い建物とか障害物がないんで風しだいでは届くかなとは思います」。

ロケの日はまったく無風だったため、音楽は届かなかったのかもしれません。

放送後、投稿者のちいこさんから、こんな感想が寄せられました!

「長年どこからなのか、やっとわかり、そうだったんだと。まさか、手鎌から聞こえていたとは、ビックリしました。ありがとうございました。」

そのほか番組には、大牟田在住の方から「我が家でも長年どこから聴こえてくるのか謎でしたがとけました!離れている場所ですが風の影響で聴こえてるのですね!ありがとうございました」といった声も寄せられました。こちらこそ、ありがとうございます!


さて続いては、けいたんさんの投稿です。

「コロナ禍でおうち時間が増えて、お裁縫をするようになったのですが、この謎の仕切りが気になって作業がはかどりません」。

・・なんと一橋アナウンサーも、小学校からの裁縫箱を今でも愛用しているとか!

ということで、裁縫箱の仕切りの謎をバリサーチしてきました。

けいたんさんが、40年間愛用している裁縫箱。

けいたんさんが、40年間愛用している裁縫箱。

けいたんさんが、40年間愛用している裁縫箱。

そこには、謎の仕切りがいくつもありました。

謎の格子状の穴

その1、謎の格子状の穴。

仕切りの謎の段差

その2、仕切りの謎の段差。

大きさの違う2つの切れ込み

最後は、大きさの違う2つの切れ込み。

これらは、いったい何のためにあるのでしょうか。

【教材メーカー 開発室 佐藤穣さん】

【教材メーカー開発室佐藤穣さん】

裁縫箱にあった刻印から、大阪の教材メーカーが製造したものと分かりました。

さっそく取材を申し込むと、快くご協力いただけることになりました。

「調べてみると1982年の商品でした」。

まず、謎の格子状の穴について聞くと・・・。

「(仕切りの)裏側にですね、練習用の布を入れたりするので/中身が見えた方がいいっていうことでそういうメッシュ状というか」。

この裁縫箱は2段になっていて、下に布などを入れることができます。

1段目を重ねた時、格子状の穴から確認できるというわけです。

次に、謎の段差について。

「そこには、チャコペンシルっていう縫いあととか折る場所とかを印をつけるようなペンシルを、それをこう溝に合わせて収納するっていう溝なんですね」。

さらに、20センチの竹物差しもきれいに入れられるように設計されています。

最後に、大きさの違う2つの切れ込みについて。

まず、小さい方の使い方は?

「ちょうどそこの部分というのはですね(もともとは)まち針というのを刺す/布がついてるんですけれども、それを起こせるような仕組みになってるんですよ」。

この部分には、もともと、使うときには起こし、しまうときには倒せる針山があり、切れ込みは、その軸を支えるためのものだったのです。

そして、もう片方の切れ込みは、もともとセットになっていた別の収納ケースを指で引っかけて、取り出しやすくする工夫だと言います。

【教材メーカー 開発室 佐藤穣さん】

ということで、随所に小学生でも使いやすい工夫がこらされていたんですね!

さらに、今回の依頼内容に佐藤さんは・・。

【教材メーカー 開発室 佐藤穣さん】
「(40年間)使って頂いてくれていたっていうのは、開発者としては一番うれしい限りです。感謝しかないと思いますね。」。

ということで、放送後のけいたんさんの感想がこちら。

「このたびは、私の素朴な疑問を解決してくださってありがとうございました。
また、販売会社の方のコメントを聞いて、長く愛用してきたことを喜んでいただけていて、本当にうれしかったです。これからも大切に使おうと思います。」

これからも、皆さんからの身近な疑問を、HPやLINEでどしどし募集します!!