地名ショートバリサーチ#1 2021年10月11日

NHK
2022年4月4日 午前11:03 公開

さて、今回は番組宛てに寄せられた3本の地名のナゾに迫る、題して“地名ショートバリサーチ”でした。  

まずは、こちらの投稿。

『天神橋口』交差点は、『昭和通り』と『渡辺通り』が交わる場所にある、連日、多くの車が行き交う交差点。

そこから東に向かって歩くこと5分。見つけたのは…「西中島橋」!

では、肝心の『天神橋』はというと、そこから川沿いを南へ1分。

ということで、投稿にあったように「天神橋口」なのに天神橋の入り口というわけではなさそう。

この県道を管理する県に確認しても由来はわかないとのことでしたが、取材班はここで、交差点のローマ字表記に注目しました。  

TenjinとHashiguchiの間にスキマがありますよね。さらに、Hashiguchiの頭は大文字・・?

実は、ここにヒントがあったんです。

福岡県立図書館にあった資料からおよそ100年前の福岡市の町並みを見てみると・・、

西中島橋のすぐ手前は、“橋口丁”と記されていました。

福岡市の歴史に詳しい、はかた博物館の立石武泰館長に尋ねると、

「あの辺り一帯が橋口町という町だったんですね。これは江戸時代から唐津街道の一部で唐津街道の(西中島)橋がある町、入り口の町ということで橋口町。だんだん天神エリアが広くなったんで、天神エリアの橋口交差点というようなことで、そういった現代にわかりやすいかたちにされたんではないかと思います」。

つまり、天神橋口とは『天神橋の(入り)口』ではなく、『天神』と『橋口』。
かつて橋口町があった頃の名残では?とのことでした。

かつての天神町はごく限られた範囲だったんですが、町が発展するにつれ、どんどん天神と言われるエリアが広がっていったんです。

歴史を感じますよね。


ショートバリサーチ、続いては大刀洗町の道路標示に関する投稿について。

町を代表するのが、築100年を超える『今村天主堂』です。
2つの塔があるレンガ造りの教会で、国の重要文化財にも指定されています。  

その付近を調べると・・ありました!『あぶなかばい』!
周りは細い路地の住宅街。四つ角も多くあります。  

歩いてみると、『あぶなかばい』と書かれた道路標示は全部で3か所。
実は、この語りかけるような文言は周辺の住民の発案だったんです。  

発案者の元区長・青木秀夫さんです。

「この教会が6年前に国の重要文化財に指定を受けまして見学者が急に増えたんですよ。子どもたちが学校に通学するときにですね、車が多いもんですから危なくないようにという思いで」。

こうした要望を受けたのが、大刀洗町役場でした。

大刀洗町役場の黒岩雄二さんがおっしゃるには・・。

「この道は町が管理する町道になります。この先に交差点があるんですけど、こういった交差点のところに対しての注意喚起ということでですね、(方言でも)特に問題はございません」。

さらに、町のあたたかさをアピールするため、こんなポスターも作りました。

黒岩さんは、
「農村の田畑が広がるのどかな町でありますが、町のことを少しでもわかっていただけるとうれしく思います」とのこと。  

この『あぶなか・ばい』という道路標示は、「法定外表示」という法令に定めはありませんが、注意喚起を行うものとされています。道を管理する大刀洗町も運転にも支障がない文字数ということで方言を許可したとのことです。

また、その1年後にはカーブミラーも設置され、今村天主堂周辺での事故はゼロになったそうです。


さて、最後は、ちょっとユニークな交差点についての投稿。

「みやま市高田町の国道208号線沿いに『キロメキ』という交差点があります。
すごく珍しい地名?交差点名だと思いますので、調べて頂ければ幸いです」(みやま市 まさぴろさん)  

ということで調べましたが、こちらの由来は、道を管理する福岡国道事務所でもわからず、資料も見つかりませんでした。

そんな中で、みやま市文化財係の瓜生建さんが、地元の言い伝えを教えてくれました。

「古くは雨が降るとみやまの大地はキラキラと光っていたと言われる。
おそらく、土の中の細かな石の粒子が光を反射していた様子が、
この“キロメキ”の由来なのでは」・・!!  

ただ、あくまで言い伝えということで、情報がありましたら、ぜひお寄せください。

福岡の地名や名前に関する疑問は、まだまだお待ちしております!

追跡!バリサーチ「福岡の地名・名字のナゾに迫る!」