福岡の信号はせっかち?!

NHK
2022年12月7日 午後4:53 公開

今回の追跡!バリサーチ、交通に関する話題です。

福岡では歩行者用信号が赤に変わった瞬間すぐに車用も変わるのです。ほかの件と比べて福岡はどこよりも早いです。調べていただけないでしょうか

福岡の信号はせっかちではないか?と言う投稿です。

これ、具体的にどういうことかというと・・・。

この赤い車を運転していると思ってください。

このような歩車分離式ではない交差点で、車用の信号が青、こちらの歩行者用の信号も青で左折待ちをしています。

歩行者用信号が点滅。

赤になって、歩行者がいなくなったのを確認して進もうとしますが…。

車用の信号もすぐに赤になってしまう。

この切り替わりが他県に比べて早いと感じると言うんです。

歩行者が多いと左折できる車の台数が少なく、渋滞の原因になったり、中には、信号を無視していく車もよく見かける、とも。

皆さんは、いかがですか?

福岡の信号は、他県と比べて切り替わるのが早いのか、バリサーチしてきました。

博多区役所入り口

まずは、博多駅近くの交差点から。

歩行者用が赤になってから車用が赤になるまでの時間を測ってみると…。

4秒でした。

脇山口交差点

こちらは、地下鉄西新駅近くの交差点です。

少し長めの8秒で切り替わりました。

ただ、歩行者が多いため、なかなか左折ができません。

車の流れも滞っていました。

次は、天神中心部へと続く『渡辺通1丁目』交差点。

いつも多くの人や車で混み合っていて、なかなか進めない印象がありますよね。

実際に測ってみると、切り替わりまでは意外と長くて…。

20秒ありました。

そのほか、十数か所を調べたところ、短いところで4秒。

長いところでは30秒ほどと、信号機ごとにかなり差があることが分かりました。

では、ほかの県と比べるとどうでしょうか。

隣接する県でも、主要な駅周辺の歩車分離式ではない交差点、10か所ほどで測ってみました。

佐賀、熊本、大分

その結果、福岡とほぼ同じ4秒から30秒ほど。

バリサーチ調べでは、県による違いはほとんどありませんでした。

とはいえ、調べたのはほんの一部の信号機。

福岡県全体ではどうなのか、県内の信号を管轄している福岡県警察本部に直接聞いてみました。

福岡県警察交通部信号機を担当 塙泰明さん

ディレクター「福岡の信号が早いっていうことは実際にあるんでしょうか」。

塙さん「福岡県では信号機が切り替わるタイミングについては交差点ごとに変えています。ひと言で言いますと交通の安全と円滑を図るためです。車の交通や人の交通、これの安全を確保しつつも交通渋滞等に配意するため、ですのでほかの県と比べて早いとか遅いとかそういったことは一概には言えない状況になっています」。

福岡県警によると、信号機の設定には全国的な基準があり、県ごとの差は少ないというのです。

では、交差点ごとの信号の長さはどのように決められているのでしょうか。

福岡県警察交通管制センター

県警本部の一角にその秘密がありました。

塙さん「こちらが管制センターになります。県内には約1万基の信号機があります。こちらの管制センターで約20%の約2000基を管理しています」。

ここでコントロールしている信号機は、福岡、筑後、北九州、筑豊などのエリアごと、県全域に及びます。

道路にこのような装置があるのを見たことある方も多いと思います。

これは、車の数や渋滞状況を自動的に測定する車両感知器。

集められた情報が管制センターに送られます。

色がついた部分が渋滞を表しています。

赤が特に混雑している状況です。

この渋滞を解消するため、コンピューターが状況に応じて信号が変わる長さを常に調整しているというのです。

警固交差点で確認してみました。

午後2時ごろ、歩行者用が赤になってから車用が赤になるまでは…。

22秒でした。

午後7時ごろに計測してみると…。

16秒。日中より6秒短くなっていました。

こうして、2000の信号を一つ一つ、常に調整。

車の流れをコントロールしているというのです。

ただ、どの信号をどう調節しているかの仕組みは、安全上の理由で明かせないとのことです。

塙さん「交通管制システムによって渋滞解消のために最適な信号制御、1秒単位で、あくまで交通管制システムが自動で判断して変わっていくという流れになります」。

▼信号機の設定には全国的な基準があり県による差は少ない▼福岡県では約2,000の信号が状況に応じて長さを変えている

今回の調査結果です。

信号の切り替わりが早い遅いはそれぞれ感覚もあって、同じ人でも状況によって感じ方が違うこともありますよね。

でも、信号の側も状況によって常に長さを変えているのは驚きでした。

ちなみに、交通工学に詳しい福岡大学の辰巳教授に伺ったところ、

信号のサイクルは長い方が効率はいいが効率が悪くても都市部ではサイクルを短めにするのが一般的

とのことでした。

ちなみに一橋アナは、時間帯によって、信号がすべて青でスムーズにいけるときと、やたらと赤が多くて止まることがあるのが気になると言っていましたが、管制センターでは効率を重視するだけ無く、死亡事故が起こった道路でスピードを出しすぎないよう、深夜から明け方の時間、4つ並んだ信号のいずれかがかならず赤になるように調整したケースもあるそうです。

【8000の信号の設定は?】

ところで、県内の信号はおよそ1万あるとのことでしたが、自動制御されているのは2000でした。

では、残り8000はどうなっているのでしょうか?

県警にきいてみたところ、基本は信号機ごとに警察が最適と判断した設定で固定しており、最初の設定は1つ1つ手作業で調整。あまりに事故が多い場合など、設定の変更を検討することもあるとのことでした。

が、実は、私たちの意見を伝える仕組みもあるんです。

福岡県警のホームページにある『信号機BOX』。

具体的な場所や時間、要望内容など情報を提供すると、担当の警察官が現場を調査し、改善が必要と判断されれば、調整されることもあるそうです。

皆さんの気になる疑問、バリサーチが追跡します!

どんどん投稿してください。お待ちしています!

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