大木町ってすごいかも 2021年5月21日

NHK
2022年4月4日 午前11:03 公開

バリサーチ取材班は5/14の放送で、「福岡愛のヒミツ」に迫りました。
その取材の中でこんな声が聞かれました。  

「大木町好きっていう人は多いかも。
コロナになる前は各国から見に来られる人も多くて、
すごいと思います」。  

↑「大木町への愛」を熱く語っていただきました!

<県内随一の「エコ」な町>

この声をもとに取材してみると、大木町が「ごみゼロ」を掲げた取り組みを進める、
県内でも随一の「エコ」な町で、環境保護の取り組みを学ぶため、世界各国から視察に訪れていることがわかりました。  

その環境保護の中身とは。そして、その理由とは。
世界から注目の大木町を「バリサーチ」しました。  

↑大木町

↑大木町

<大木町のごみ分別は29種類!>

今、世界から熱い視線が注がれているのが大木町のごみの集積場です。
大木町では20年ほど前から資源ごみの活用やごみを減らす取り組みが進められています。  

注目ポイントが、ごみの分別の数。

↑大木町のごみ集積場

↑大木町のごみ集積場

紙おむつ、小型家電、それに古着とカーテンは別々に収集するほか、眼鏡、時計、それに水筒のふたまで、細かく分別しています。
その数、なんと29種類!  

↑大木町のごみ分別は29種類!

↑大木町のごみ分別は29種類!

紙おむつは外壁の資材などとして、眼鏡や水筒のふたは細かく分解したうえでリサイクルされるほか、古着やカーテンは新型コロナの影響でいったん中断しているんですが、海外に輸出し売り上げ金を地域に還元しています。  

<大木町では、生ごみは捨てない!>

さらに、大木町では、生ゴミを捨てない!
生ゴミは週2回、地区ごとに設置された専用の容器に集められます。  

生ごみを専用のタンクに入れて発酵させることで、
肥料として、地元の農家によって再利用されています。  

↑生ごみを集める専用の容器

↑生ごみを集める専用の容器

住民も積極的に分別に取り組んでいます。

(住民)。
「最初はめんどくさいと思いましたよね、
でも慣れたら今もう全然それが当たり前と思って分別しているし、
生ごみは生ごみで不純物が入らないように気をつけて出しています」。

(住民)。
「おむつは燃えるゴミに紛れ込ませて捨てられると思うんですけど、
おむつはおむつとかで別にして再利用されていることは、すごいんだなと」。  

<背景には気候変動への危機感が>

なぜここまで、ごみの分別を進めているのか。
取材を進めると、昨今の気候変動への危機感が強まっていました。  

大木町でアスパラガスを生産する的場慎一さんはここ数年、収穫の時期にばらつきが出ていると感じています。  

(的場慎一さん)。
「これだけ気候が変わってくると本当に毎年毎年、栽培方法を変えて考えていかないといけないような状況になってきていますね」。  

↑アスパラ農家 的場慎一さん

↑アスパラ農家 的場慎一さん

近年の温暖化で猛暑日が増え、アスパラガスを育てているハウスの温度が上がりすぎることがあり、その結果、成長が止まり、収穫の見通しがたたない時があるといいます。  

↑ハウス内で栽培中のアスパラガス

↑ハウス内で栽培中のアスパラガス

(的場慎一さん)。
「僕たちは1年中外で作業しているのでそれ(気候変動)を肌で体感します。
 暑さ寒さ雨風というのが脅威になってくるような毎年ですよね」。  

的場さんは栽培方法を工夫するなどして、県内一の生産量とブランドをなんとか守るための日々が続いています。  

<大木町で相次ぐ水害>

一方、問題は気温だけではありません。

大木町には、至る所に水路が張り巡らされています。
その距離、実に215キロ。  

農業用水を確保するとともに、雨水を排水する役割を担い、水害を防いできました。  

↑大木町に張り巡らされている水路

↑大木町に張り巡らされている水路

しかし、ここ数年の豪雨では、これまで見られなかった被害に見舞われるようになったのです。  

↑大木町の水害(平成30年7月)

↑大木町の水害(平成30年7月)

(大木町総務課 防災担当 石橋浩二さん)。
「最近の大雨がですね、かなりやっぱりひどくてなかなか対応しきれません。
 今まではあまりそういった浸水被害ってなかったんですけれども、平成30年、令和元年、令和2年と3年続けて住宅とか農地への影響が出ています」。  

↑大木町総務課 防災担当 石橋浩二さん

↑大木町総務課 防災担当 石橋浩二さん

ごみの分別を徹底する大木町。
身近に迫る気候変動に対し、何ができるのか。
その危機感が町の取り組みを後押ししていました。  

(大木町 境公雄 町長)。
「今、待ったなしの状況になっています。次の世代にツケを残さない負担を残さないようなことをやれることをやろうということがですね、いちばん基本的なところの考え方となっています」。  

↑大木町 境公雄 町長

<全国に広がる「ごみゼロ」目指す自治体 しかし大切なのは、これから…>

大木町のように「ごみゼロ」を掲げている自治体は神奈川県逗子市や徳島県上勝町など
全国に8つあり、徐々に広がっています。  

今回の取材を通して気候変動への対策をさらに進めるためには、行政の取り組みはもちろん、私たち市民が考えることも重要になると感じました。  

「追跡!バリサーチ」では、皆さんが身近で感じている環境問題について、今後もご意見を募集します。
近所の山や川で見かける自然環境の変化や、海岸に打ち寄せられたプラスチックゴミなど、皆さんの身の回りで起きている環境問題。また、我が町でやっている環境対策などについて、ご意見をお寄せください。
お待ちしています!!  

追跡!バリサーチ「私たちのまわりの環境問題」