どうして?保育園の謎ルール 2021年5月28日

NHK
2022年4月4日 午前11:03 公開

5/28の追跡!バリサーチは、「保育園の謎ルール」について。
市内の公園で、「あれっ?」思った保育園のルールを尋ねてみると・・・

「運動会の時にカメラとか一切禁止で 目に焼き付けてくださいって言われる」
「長靴がダメ。スリッパはわかるんですけど」。
などの声が聞こえてきました。  

調査の発端は、視聴者の方からの投稿です。

「子供ふたりを認可保育園に通わせています。運営母体によって『おむつの持ち帰り』『主食の持参』『布団の持ち帰り』など謎ルールが残っていることが分かりました。『なぜですか』と聞いても先生方もうまく答えられていませんでした。親にとって負担の大きいしきたりや慣習は見直して欲しいと思います」(福岡市 「2児の母」さん)

保育園の保護者は、基本的に働いている人たち。都道府県などが認可している認可保育園なのに、統一したルールはないのか?保護者の負担が大きいルールがあるのはどうしてか?ということでした。

そこで、2歳の息子を保育園に通わせ、現在妊娠8か月の私、記者の米山が「謎ルール」をバリサーチしてきました! 

運営の指針は保育園それぞれ

福岡県内のおよそ100の保育園を調べたところ、主な3項目だけでも、やり方がこんなに分かれていました。

なぜ、ここまで園によってルールが分かれるのか、理由は厚生労働省が定める保育所保育指針です。第1章の総則には、「各保育所の実情に応じて創意工夫を図」るとあります。つまり、細かな内容については各園の判断に委ねられているのです。

なぜ?紙おむつ持ち帰り

「紙おむつの持ち帰り」がルールの保育園を訪ねてみました。

東区 信愛保育園

(東区 信愛保育園)

使用済みのおむつは、替えた後にその子専用のおむつ入れに詰め、迎えに来た保護者に渡します。

その理由は・・・、

信愛保育園 田代恵子主任

(信愛保育園 田代恵子主任)。
「廃棄するには金額もかかるので、保護者の方にご負担いただくというのは皆さんに同意がいただけるかっていうところで」。

この保育園で1日に交換するおむつは400枚以上。

  •   子どもの使う枚数はそれぞれ違うため、仮に園で処理をする場合、全員一律の金額を負担してもらうのは不公平ではないか?  
  • ゴミの収集日までの保管場所、そして感染対策は?

といった懸念がありました。

また、おむつを持ち帰ることに、保育の上でのメリットもあると考えています。

「どのくらいの量の排泄があったのか、保護者の方が認識できるかなって思います。おむつの汚れ物の数も少なくなってきて、きょうは一個もなかったよってなれば保護者の方もうれしいし、なによりうれしいのは子どもたち」。

こちらの園では入園前の見学の際に、持ち帰りのルールや園の考えを説明しています。

「みんなで子育てしていきましょうっていうスタンスで 皆さんそれぞれ考えがあると思いますので お互いに歩み寄れたらいいかなと」。

おむつ回収に動き出す自治体も・・・

このように、基本的には園の裁量に委ねられていますが、県内では自治体の方針で対応が変わった例もありました。

飯塚市や那珂川市では、ことし4月から公立の保育園で、公費や保護者会費でのおむつの回収が始まりました。

その理由は、
「コロナを契機に衛生面に配慮」(飯塚市)
「園舎の建て替えを機に園で処理することになった」(那珂川市)
とのことです。  

なぜ?主食の持参

ちなみに「主食の持参」について国に取材したところ、昭和20年代に、家庭と保育所が一体となって保育をすすめるため、「ご飯は自宅から持参し、おかずは園で用意する」という考え方があり、それが今の形にも影響しているのではないかということでした。  

実際に取材のなかで、いくつかの保育園から「給食室が狭い」「多くの炊飯器やお皿が置けない」などの声が聞かれました。  

社会の状況も変化する中で、今後は?

地域の子育て支援が専門で、保護者の実情などにも詳しい福岡女子短期大学三原詔子准教授は、「共働きの増加や核家族化などの社会状況の急激な変化によって、子育てに対する負担は増している。保護者の負担軽減を図ることは、子どもと余裕をもって向き合う時間を増やし、子どものためにもなる。財政面が整えば、国や自治体、園が連携して解決策を検討して欲しい」と指摘しています。

園によっては、施設の都合や考えもあるため、入園前の説明などで保護者とコミュニケーションを取り、その上で、実情に合わないもの、慣例だけで残ってるものがあれば、ルールの変更も含め検討するのが大切だと感じました。

保護者の方ももちろん、現場の保育士の皆さんも実情やご意見をぜひお聞かせ下さい。

追跡!バリサーチ「みんなで考える「子育て」」