新型コロナワクチン 副反応どう考える? 2021年11月22日

NHK
2022年4月4日 午前11:03 公開

今回も、前回に続いて、新型コロナウイルスのワクチンについて取材しました。
テーマは「副反応」です。  

県内の実態について調べようと、医師や医療機関が作成した「予防接種後副反応疑い報告書」を福岡県に情報公開請求しました。すると、680人分、1300枚余りの書類が出てきました。

こちらが報告書のひな形です。

項目としては、患者の性別と年齢。ワクチンの種類と接種日。それに、症状の概要や程度、患者を診察した報告者の意見などがあります。

今回入手したのは、ことし3月から9月下旬までに接種した680人に関する報告です。
それらを項目別で集計していきました。

まず男女別でみてみますと、女性が509人とおよそ75%、男性が170人のおよそ25%でした。  

年代別では、40代が149人と最も多く、30代が129人、50代が127人などとなりました。  

  症状の程度別では、「重い」が158人となりました。 
「重い」症状について、死亡、障害、入院など、さらに細かく書くことになっています。  

それぞれの人数ですが、死亡が29人、障害が4人、入院が104人などでした。

こうした人たちの具体的な症状についても見ていきます。

70歳の女性の報告の内容です。
「接種の翌日から38度台の熱。4日目に熱は下がるものの腹痛と吐き気。 6日目に病院で受診、意識ははっきりとしていて、検査で異常なし。 7日目に腹痛のため再び受診も 容態が急変して死亡」。  

続いて、50歳の女性の報告では、
「接種後30分間は異常なく帰宅。その日の夜にじんましんが出て、 ひどい頭痛と38度台の熱。接種の翌日、昼過ぎごろに救急搬送。 CT検査で脳内出血確認。意識消失の状態が続く」。  

こうした人たちはいずれも副反応の「疑い」として医師から報告されたもので、この時点では実際の副反応かどうかは確定していません。  

また、死亡した人については、いずれもワクチン接種との因果関係は「わからない」とされています。    

ワクチン接種後の具体的な状況がわかると、非常に不安になるかもしれませんが、こうした症状は全体で見ると極めて少ないということも今回、わかりました。

では、どれだけの割合で報告書が提出されているのか。

680人が接種した期間には、県内ではあわせて340万人ほどが接種していますので、単純に計算すると、副反応の疑いで報告が出された人は全体の0点02%。つまり5000人に1人の割合にとどまります。  

この5000人に1人の割合をどのように受け止めればいいのか。

国内の研究者で作る「日本ワクチン学会」で理事長を務める、福岡看護大学の岡田賢司教授に聞きました。

「ワクチンを打った後、何か症状が出たら報告するのが副反応疑い報告制度です。その中で0.0何%と上がってきているがその中に真の副反応が正確にわかりませんが、それよりももっと少ないはず。  他のワクチンと比べてメッセンジャーRNAワクチンだけに特別な副反応が検出できたかというと、いまのところ世界中からそんな報告はない。 人に特別、重篤な副反応はいまのところなさそうなのでワクチンを進めようという話になっている」。  

岡田理事長は、報告数は多くないと受け止めているとしたうえで、今回のワクチンについて、特別に注意しなければならない状況は見つかっていないと指摘しました。

来月からは3回目のワクチン接種が始まるわけですが、では、この報告書はいったい、何のために集めているのでしょうか。  

厚生労働省は新型コロナに限らずワクチンの予防接種では、副反応が起きる可能性があるとして、国はこうした報告を集める制度を設けています。

この制度では、現場の医師や医療機関が副反応の疑いがあると判断した場合に報告書を書きます。  

国が委託した専門の組織が、内容を分析・評価し、厚生労働省に報告します。
予防接種に重大な懸念が生じた場合、接種を中止するなど速やかに対応するためです。  

このような報告を集める意義について、岡田理事長に聞きました。

「上がってくる症例は1例1例みんなちがう。打った後の症状や死亡の原因がみんな違う。1つ1つ評価しようとしても因果関係は評価できない。 しかし、そんな人がたくさん増えてきたら関係しているかもしれないのでそこからあるシグナルがわかったらそれを医学的に疫学的に比較していく」。  

接種後にでた症状をできるだけ多く集め、その中から注意すべき傾向が出てきたらすぐに対応していこうということでした。

感染者が減って、日常生活を取り戻しつつあるとワクチンの効果を感じている方も多いと思います。しかし、その一方で、副反応の疑いでつらい思いをしている人がいるのも事実です。そういった人たちのためにも、今後も副反応の疑いを幅広く集めて分析し、対策や支援に結びつけていくことが必要だと感じました。

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