投票率「低」 どうする!?福岡

NHK
2022年7月5日 午前6:32 公開

参院選の投票日まで1週間あまり。

きょうは『低迷する選挙の投票率』についてバリサーチしてきました。

参議院選挙、福岡選挙区の投票率の推移

まずは、参議院選挙、福岡選挙区の投票率の推移です。

3年前の前回は42点85%。

大雨の影響があったとは言え、過去最低の数字でした。

さらに調べてみると、実はこれ、全国でも3番目に低い数字だったんです。

都道府県別の投票率(2019年)

この投票率の低さ、町の皆さんはどう思っているのか聞いてみると・・・。

女性「あまり期待してないところがあるかもしれないですけど、(投票)しても変わらない気もして」。

女性「政治を少しでも動かせるようになったらいいですけど、その効果が分からないんですよね、私たち一般市民には」。

女性「慣れというか別にみたいな、もっと関心があったらみんな行くでしょうけどね」

男性「結局ここが勝つだろうというふうな形なんで、だからいかに若い人たちに政治に興味を持たすと」

一橋「どうしたらそうなりますかね」

男性「うーん」。

諦めや慣れといった声も多く、その気持ちもわかります。

でも、そもそも投票率が低いと何が問題なのか、改めて専門家に聞きました。

政治学が専門の西南学院大学、鵜飼健史教授

政治学が専門の西南学院大学、鵜飼健史教授です。

鵜飼教授「投票している熱心な有権者の方の意見が通りやすくなってそうじゃない方はますます政治にそっぽを向く感じの構図が出来てしまう。低投票率になってまた無視されてまた選挙に行かなくてというふうな感じですね、よくない循環に入る」。

6割近い人が選挙に行かないということは、

まさに悪循環に陥りつつあるということかも知れません…。

古賀市の『せんきょ割』

こうした中で、なんとか投票率をあげようという取り組みをしているのがこちら。

古賀市の『せんきょ割』です。

古賀市の『せんきょ割』

投票した証明書を見せるだけで、スイーツの割引とか、マッサージとか、まちのお店でさまざまなサービスが受けられるというものでした。

どうしたら投票率をあげられるか

番組ではどうしたら投票率をあげられるか意見を募集しました。

ネット投票の導入やマイナンバーにポイントをつけるなどの声をいただきました。

ちなみに、ネット投票については、海外の有権者による在外投票には導入が検討されていて、総務省が必要なシステムの開発を進めています。

一方、世界では投票率を上げるためにどんな取り組みをしているのかも調べてみました。

オーストラリア『義務投票制』

『義務投票制』をとっているのがこちら、オーストラリア。

正当な理由なく投票をしないと、日本円で2000円ほどの罰金が科されます。

ベルギー 違反する度に罰金の額が増えて、その上、一定の期間選挙権を剥奪されたり、公職に就けなくなってしまう

さらに厳しいのがベルギー。

違反する度に罰金の額が増えて、その上、一定の期間選挙権を剥奪されたり、公職に就けなくなってしまうんです。

ともに90%の投票率を誇りますが、この義務投票制、どう思いますか?

スウェーデン『主権者教育』投票率は87%

そんな中で、義務投票制でなくても投票率が高い国がスウェーデンです。

4年前の国政選挙の投票率は87%。

その背景にあるのが、『主権者教育』です。

18歳から選挙権があるスウェーデンでは、小学6年生の社会科の授業で投票に行くことの大切さを学びます。高校生が国会の議場を使って政策について議論している相手は、なんと本物の大臣!やりとりは議事録に記録され、実際の政策に反映されることもあるそうです。

実際に自分たちの意見が反映されることまで体験できれば、選挙に行こうという気持ちになるかも知れませんね。

実は、日本でも選挙権が18歳に引き下げられたことをきっかけに主権者教育の取り組みが始まっていて、福岡県内でも熱心に取り組んでいる学校があるんです。

福岡雙葉高等学校生徒

福岡雙葉高等学校です。

選挙に対する意識の高さに驚かされました。

一橋「自分が投票権持っていたら行きたいと思っている人手を挙げてもらっていいですか?あ!全員」。

生徒「みんなに平等に1票ずつ配られている権利なのでそれを利用しないのはすごく損だと思うので、私は絶対選挙に参加したいと思います」。

生徒「選挙に行かないのになんでこんな制度があるんだという文句を言う大人になりたくない」。

生徒「高齢者に向けた福祉に関する政策ばかりではなく、教育に関する政策をもっと充実させてほしいなと思います」。

生徒「子どもたちが大人に、自分たちの声を届けるパイプラインをもっと増やしてほしいと思っています」。

専門家の鵜飼先生も「単純に投票率の数字をあげるのではなく、質が大切」と話していました。

まだまだ数字として投票率アップにはつながっていないのが現状ですが、

こうした意識を育てること、大切ですよね。

すぐには結果がでなくても、地道にコツコツ積み重ねていって、

彼女たちのような子たちが大きくなっていつかはスウェーデンのようになるのが、

本当の意味での投票率アップということなのかも…。

今回、最後にご紹介したいのが、先ほどの福岡双葉高校の生徒からの逆質問です。

投票行くの面倒くさいなと思うときないんですか?

生徒「質問したいことがあるんです。(候補者)を調べて(票を)入れなきゃいけない調べたときに、面倒くさいはないかもしれないけどそう考えちゃってやっぱり投票行くの面倒くさいなと思うときないんですか?」。

彼女は、投票しなければいけない事は分かっているけど、実際に投票しようと思うと候補の主張を一人一人調べて、何が正しいのかを選ぶのは難しいと思っていたようなんです。

そこで答えたのは、あくまで私個人の考えですが、一人ひとり候補を調べなくても、極端に言えば、まずは与党と野党で考える。今の世の中のままで良いと思えば与党。今のままではダメだと思えば、野党に投票する。そのくらいのシンプルに考えてもいいんじゃないかと答えました。

今回、私自身も皆さんと話をして、政治について改めていろいろ考えることが出来ました。

こうして政治についてオープンに話をしたり、考えたりすることが政治との距離を近づける一歩になるのかもしれません。

NHKでは、7月10日日曜日総合テレビよる7時55分から参議院選挙の開票速報を放送します。

以上、追跡バリサーチでした。