今回の食イチ!は、ピンク色に輝く刺身こんにゃく「桜こんにゃく」をご紹介しました。
「桜こんにゃく」を販売しているのは、佐賀県神埼市の山深い集落にポツンと立つ直売所「岩政ハッピーサロン」。県外から買いに来るお客さんも多数いて、2時間で100個売り上げるほど、今人気を集めています。
やわらかい食感と抜群ののどごしが魅力で、集落では正月や法事など特別な日のごちそうとして親しまれてきたそうです。しかし、作るのに非常に手間がかかるため、製法を受け継ぐ人も減り、近年は“幻の味”となりつつありました。
そんな中、桜こんにゃくを復活させようと住民たちで販売を始めた背景には、ダム建設で集落が水没してしまうという現実がありました。
岩屋・政所地区は、2030年度の完成を目指すダムの水没予定地。
「ダムに沈む前に何か集落の伝統を残したい。」そんな切実な思いから地元住民が集まり、2020年に直売所を設立。桜こんにゃくの販売に取り組み始めたのです。
代々受け継がれてきた、桜こんにゃくの製法のいちばん大切なポイントは、稲わらを燃やして作る「アク」。燃やして灰になったわらを水にひたし、何度もろ過してできたアクには、こんにゃく芋をほどよく固める力があります。
それを集落秘伝の調合でこんにゃく芋と混ぜ合わせれば、柔らかく、のどごし抜群に仕上がるんだそうです。
取材にご協力いただいた岩屋・政所集落のみなさんは、集落がダムに沈むことに複雑な思いを抱えながらも、笑顔で和気あいあいと「桜こんにゃく」を販売する姿が印象的でした。
直売所は、第2・第4土曜日に営業しています。集落への思いがいっぱいに詰まった「桜こんにゃく」、皆さんもぜひ味わってみてはいかがでしょうか?
中田理奈の一言
こんにちは!中田理奈です。
今回の食イチは、佐賀県神埼市の「桜こんにゃく」でした!
ピンク色で、とてもきれいでしたよね^^
桜こんにゃくが販売されている直売所に伺うと、新鮮な野菜やきのこなどが並んでいて、山あいにあるにもかかわらずお客さんはどんどん訪れていました。
何人かの方にお話を伺うと、皆さんこの桜こんにゃくを目当てに訪れている方が多く、何個も買って帰る方ややみつきになっている常連の方もいらっしゃいましたよ^^
また、犬と一緒に訪れている方もいて、そのわんちゃんの後ろ姿がとってもかわいかったです!
直売所代表の鶴田さんも、にこにこしながらなでていて、ほっこりしました^^
さて、この桜こんにゃく。
実際にいただいてみると、ぷるぷるつるんっと、とてもやわらかくて、のどごしの良さに驚きました。
また、後味にもえぐみなどは全く残らず、ゆずこしょうをつけて食べると最高でした・・・。
お酒のおつまみにしているという方もいましたよ!
そんな桜こんにゃくの作り方を見せてくださったのは堤京子さん。
陽気で優しくて、お話し上手な方でした。
桜こんにゃく作りで一番大切なのは、“アク”だということでしたが、まさか稲わらを使うとは思ってもみませんでした。
稲わらの保管管理から、燃やし方まで、いろんなことに気をつけながら作るといいます。
アク次第でこんにゃくの出来が変わるということなので、本当に重要なのだそうです。
桜こんにゃく作りには、本当に手間と時間がかかっているのだなあと感じました。
いつもは地元の皆さんで作っているということですが、皆さん本当に仲がよくて、わいわいと楽しそうに作業をしていらっしゃったのが印象的でした。
集落がダムに沈んでも、この桜こんにゃくと皆さんの絆やあのほっこりする空気感はなくなってほしくありません。
堤さんは、桜こんにゃく作りを教え始めているということですし、すでにあれだけ愛されているのですから、きっとこれから先、何年何十年と残っていってくれますよね^^
切にそう願います。
皆さんもぜひ一度召し上がってみてください。
あの食感のとりこになってしまうかもしれませんよ^^
NHK福岡視聴者ふれあいセンター
電話:092-724-2806