ならホリ!「風流踊」

NHK
2022年12月6日 午後7:17 公開

奈良を愛する人たちが奈良県内の歴史や文化の魅力をホリ下げる『ならホリ!』。

今回のテーマは、ユネスコの無形文化遺産に登録されたばかりの「風流踊(ふりゅうおどり)」です。全国24都府県、あわせて41件の盆踊りなどで構成されていて、そのうちの1件には「十津川の大踊」も含まれています。今回はその魅力をホリさげていきます。

一緒にホリ下げていくのは奈良県文化財保存課の森本仙介さんです。

奈良市内で行われている踊りの練習現場にいるというので訪ねてみると、ずっと練習の様子を撮影したり、地元の人に話しかけたりしています。なぜなのか尋ねてみると…

「映像を撮影したり、練習の様子などを書いたりして、記録することが私の仕事なんです」(森本さん)。

森本さんの仕事は、踊りや技術など形がないものの記録を後世に残すこと。作成した書類は、国や県が文化財の指定を判断する材料にも使われています。「十津川の大踊」の登録にも裏方としてかかわったそうです。そんな、無形文化遺産の第一線で働く森本さんに、さっそく質問。「風流踊」って、どんなおどりですか?

「風流踊はだいたい4つほどの定義があります」(森本さん)。

この4つをおおむね満たしていれば「風流踊」。格好や道具もポイントなんですね!

今回のユネスコの無形文化遺産に登録された「十津川の大踊」には、小原・武蔵・西川の3つの地域で8月のお盆に踊られるものが含まれています。

森本さんによると、中でも小原の踊りには、特徴があるそうです。

「『化け』という仮装をした人が出ることが多いんです。見ている人を楽しませよう、驚かせようという仮装が、今も残っているんです」。

古い映像を見てみると、「帽子」をかぶって仮装した人が確かにいます。こうした特徴を伝えていることが評価されたんですね。

でも「風流踊」って、県内は「十津川の大踊」だけしかないのでしょうか?尋ねてみると、奈良県内にあるのは、あわせて9つ。

どんなものなのか、教えていただきましょう。

まずは、五條市大塔町の篠原地区に伝わる「篠原おどり」。お正月に行われ、集落の神社に奉納されています。どういう理由で始まったのかというと・・・。

「長年、村民を困らせていたオオカミがいたんですが、それを退治できたということで、感謝を込めて氏神様に奉納したといういわれがあります」(森本さん)。

「篠原おどり」は門外不出のおどり。太鼓や歌でリズムをとれる人が地区にいなくなったため、存続の危機に陥りかけたことがありました。しかし、思いがけないところで受け継がれていたため、危機を乗り越えられたということなんです。

「篠原出身の方々が年1回集まる『篠原会』というのがあって、実はその宴会の出し物として伝えられていました。『篠原会』に参加した人が指導できる、音頭をとれるとわかったので、その人に来てもらって復活を遂げました」。

続いて、教えていただいたのが、奈良市東部の「大柳生の太鼓踊り」。大きな飾りを背負い、胸の前に太鼓を抱えながら、飛び跳ねるなどの激しい動きを行うのが特徴です。江戸時代の「風流踊」を描いた絵馬と見比べてみると、格好がそっくりです。今は地元の中学生が授業で習い、受け継ごうとしています。

記録だけでなく、継承や復興にも取り組む森本さん。今回をきっかけに地域の伝統にも関心を持ってほしいと考えています。

「無形民俗文化財、無形文化遺産を伝えているのは『人』なんです。奈良県の自分の地元にもこんなたくさんの踊りやお祭りがあるということを知っていただいて、興味がわいたら踊りやお祭りのときに、現地に行って見て頂いたらいいかなと思います」。

秋田紗千加 記者

静岡県出身 クラシックバレエ歴10年

踊るのが好きです