奈良県の山下県政がスタートして、きょうで2週間。
山下知事は、初登庁の日に打ち出した「予算執行査定」の関係先を視察したり、関係部局や自治体から意見を聞いたりするなどの作業を進めています。
結果を公表したいとしているのは、来月上旬。
来月には、この「査定」がメインテーマになるとみられる「県議会」も開会する予定です。新たなメンバーも加わった県議会は、就任後の知事の動きをどのように評価し、対峙しようとしているのか、キーマンたちに聞きました。
(奈良県政取材班)
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5月17日、山下知事の姿は、上皇ご夫妻の私的なご旅行に対応する前から、天理市の「なら歴史芸術文化村」にありました。
「文化村」に関する事業は、知事が5月8日に打ち出した、予算の執行をいったん停止した21の項目に含まれていませんが、「文化村」は山下知事が選挙などの際に「必要性や費用対効果の検証が非常に不十分」と批判していたものの1つです。
報道陣に公開されたのは、視察の冒頭およそ5分間。文化財の保存修理を公開する施設の内容や、施設を活用してどのような事業を行っているかなどを担当者から聞き取っていました。
20日には、奈良市にある「奈良県コンベンションセンター」を訪問。こちらについても、施設の稼働率など、運営状況を聞き取っていました。
奈良県 山下真知事
「国際会議向けで非常に大きいなと思ったのと、非常に立派な施設で、お金がかかっているなという印象を受けました。コロナもあったが稼働率が低迷しているホールもあるので、今後どうやって稼働率を上げていくのか、奈良県にとって大きな課題かなと思いまして、せっかくの施設ですからいろんな用途を考えて多方面に営業活動を展開していってほしいというふうに経営の担当者と指定管理者にお願いしたところでございます」。
そして、視察終了後、「査定」の今後の見通しを報道陣に説明しました。
奈良県 山下真知事
「『予算執行査定』のほうは、ほぼ終わりまして、視察もほぼ終わりまして、だいたいの方向性は固まってきました。これから細部の詰めを行うのと、県議会とマスコミ、県民向けに発表する資料を作成していくという段階に入ります。6月上旬にまず記者会見をしたいと思っております。同時期に県議会のみなさまにもペーパーベースでお配りして、同時期に県のHPにも資料等をアップしたいと思っています」。
「査定」に向けて、着々と作業を進める山下知事。
対する奈良県議会は、知事選挙と同日に行われた県議会議員選挙を経て、定員43の構成は選挙前と比べて大きく変わりました。
今月19日、知事と県議会議員が一堂に会する県議会の議員全員協議会が開かれましたが、その前後で各会派などのキーマンに「山下知事のこれまでの動きをどのように評価し、対峙するのか」聞いてみると・・・
自由民主党・無所属の会 井岡正徳議員
「6月議会までに結論を出したいと言うことなので、それを見ながら対応したいと思います。議会の予算の議決をした責任は議会側にもあると思いますので出された議案を精査しながらみんなで議論をしたいし、また質問もしてただしたいなと思っています。22人で最大会派を組めたと言うことで、これから一致団結して県政運営に関して臨みたいと思っています」。
日本維新の会 松尾勇臣議員
「選挙での公約は、有権者との約束ですから、粛々とこのスピードでやるのは、本当にすごいことだなと思いながら見ています。しっかり支えるのはもちろんのことですが、議会としての機能も果たしていきたいので、是々非々で対応しなければいけないことも出てくると思います。山下知事も、我々も、県民の期待を裏切らないようにしっかりとやっていきたい」。
公明党 大国正博議員
「予算執行を停止したことが年度内の予算の執行に対してどのような影響が今後出てくるのか、県民生活にどのように影響が出てくるのか、しっかり注視しなくてはいけないと思います。知事も選挙で選ばれた方ですし、私も含めて県議会としては同じ選挙で選ばれた県民の代表であります。山下知事が行う県政を是々非々の立場で県民目線で進めてまいりたい」。
改新なら 藤野良次議員
「新知事は選挙でも公約として述べられておられるので、新知事は新知事のやり方をされると理解はしていますが、我々としては我々が認めた様々な内容、案件について新知事がどのように判断をされてどのように議会に対して提案されるのか、しっかりと見極めていきたいと思います。我々の思いと反対の方向に進めるのであれば真っ向から反対していきたい」。
無所属(日本共産党)山村幸穂議員
「私たちも前知事が進めていました巨大な開発、2000メートル滑走路とか関西空港新線とかそういうものは中止すべきと思っていました。今回見直されるということで期待しています。もちろん見直すべきは見直していただいて賛同できる部分もあると思っていますが、中身によっては県民の利益になるかどうか、きちんと判断していきたいと思っています」。
山下知事の「査定」がメインテーマになるとみられる「県議会」は、来月開会予定です。