ことし4月に行われる統一地方選挙。
県内では9日に県知事選挙と県議会議員選挙が行われます。
ところでみなさん。知事や県議会議員がふだん何をしているか知っていますか?
県庁のトップ? 議会で答弁する人? セレモニーで挨拶する人?
選挙を前にあまり知られていない、知事や県議会議員の仕事を紹介します。
知事の仕事は?
知事っていったい何をする人でしょうか。
知事はいうまでもなく都道府県のトップです。
奈良県には警察官や教員を含めると1万6000人あまりの職員がいるのでその県庁のトップともいえます。
知事の仕事は多岐にわたりますが、大きくは
予算をまとめること。
条例案を作ること。
知事部局の職員の人事を決めることなどです。
ほかに、
新型コロナや大規模災害が起きた時の対応。
国と市町村とのパイプ役として、国との折衝や市町村との調整。
地域の産業を活性化させることも重要な仕事です。
全国知事会という組織があり、まとまって国への要望や提言を行うこともあります。
去年7月には奈良県で全国知事会が行われました。
1日のスケジュールは?
知事の平日のスケジュールのイメージです。
午前9時に登庁。
午前中は記者会見などへの対応。昼食を挟んで、午後からは会議や出張などです。
知事は特別職なので、勤務時間に規定はありません。
なかには、午後から登庁して数時間だけ仕事をして帰る人もいます。
その日の業務に合わせて柔軟に仕事をしているのです。
週末には、地域行事への参加といった公務も入ります。上京など県外への出張もあります。
どこに住んでいる?車は?
奈良県知事は以前、県庁近くにあった公舎に住んでいました。緊急事態に対応するためです。しかし県は知事公舎やその周辺にホテルを誘致し、現在工事が進められています。
このため現在、知事公舎はありません。
移動の際には、公用車を使います。
ほかの県では公用車に高級車を導入したことが話題になりましたが、奈良県知事の公用車はワンボックスタイプの乗用車です。
県議の仕事は?
いっぽう、県議会議員の仕事は何でしょうか。
県議の主な仕事は、
知事から出された予算案や条例案のチェック。
税金の使い方は適切か、県民のために役に立つ事業なのかを議会で審議。
議員が立案した議案を議会に提案などです。
奈良県議会の議員の定員は今は43です。
戦後初めての選挙では40でした。その後、県の人口が増えたのにあわせて定員も増加。平成7年には50にまで増えました。しかし、その後は減少し、43になったのは平成31年からです。
奈良県議会の定例会は2月、6月、9月、12月の4回あります。
これ以外に必要な場合に臨時議会を開きます。
取材する記者によると本会議中に居眠りをしていたり、他の議員が質問をしているのにヤジを飛ばしたりする議員もいたということです。
知事と議員は「車の両輪」と例えられます。
県民のために知事と議会が議論を交わす場で、こういう場面を目にすることはとても残念なことです。
気になるお給料は・・・
次は気になるお金の話です。知事や県議会議員の給料は条例で定められています。
奈良県の条例では
知事は月額121万4000円
県議会議員は77万8000円です。
実際には厳しい財政状況を考慮して減額措置がされていて
知事は109万2600円
県議は70万円が支給されています。
これとは別にボーナスにあたる期末勤勉手当が支給されます。
知事は任期を終えるごとにいわゆる退職金にあたる手当が支払われますが、県議には退職金はありません。
また、議員といえばバッジです。
奈良県議会は当選すると当選証書とともに議員バッジが交付されます。
そのバッジを4年間着用します。
議会事務局によると14金製で4年前は1つおよそ2万5000円だったということです。
大阪府議会や滋賀県議会では、議員バッジの素材を変えて経費を抑える動きがありますが、奈良はいまのところ変更の予定はないということです。
奈良県知事選挙は3月23日に告示、県議会議員選挙は3月31日に告示されます。
投票はいずれも4月9日です。
奈良県の将来を決める大切な選挙です。1票を無駄にしないためにも投票に行きましょう。
西村 亜希子
1992年入局、去年に8月から3度目の奈良局勤務。
現在は県政と生駒市政を担当。