健次郎(國村隼)の告別式。町子(藤山直美)の先輩作家であり、町子と健次郎の最初の出会いのきっかけを作った池内幸三(板尾創路)が、“カモカのおっちゃん”との思い出の弔辞を読む。最後に喪主の町子(藤山直美)が会葬の人たちにあいさつをする。健次郎からプロポーズをされたころの口説き文句を披露して会場をわかし、明るいお葬式で終わる。そして徳永家に戻った町子は、健次郎の笑顔の遺影の写真と2人きりになると…。
健次郎(國村隼)は日に日に体力が落ちて、口かずも少なくなっていく。入院して4か月目に入るとさらに病状が悪化し、起きている時間も少なくなる。そして、さらに2か月を過ぎたころ、健次郎は病室で静かに息を引き取る。通夜と告別式を前に、亡くなった健次郎といっしょに徳永家に戻った町子(藤山直美)は、喪主のあいさつの内容を考えていると健次郎の声が聞こえる。振り向くと、そこにいつもの健次郎が座って笑っていた…。
健次郎(國村隼)の治療が始まって2週間、コバルト治療のつらさは、健次郎の体力を徐々に奪っていたが、昭一(火野正平)や和代(香川京子)、徳永家の近所のみんなが見舞いに訪れ、健次郎を元気づける。そんなある日、町子(藤山直美)は病院から健次郎の外泊許可を取る。その日は健次郎の誕生日であった。徳永家に子どもたちが集まり、盛大に健次郎の誕生日を祝う。そして久しぶりに夫婦2人だけの時間を自宅で過ごす。
町子(藤山直美)は、健次郎(國村隼)に病気についてほんとうのことと治療のことを話す。事態を冷静に受け止めようとする2人だが…。その夜、町子は子どもたちを集め、健次郎の病気のことを話す。また、同居していた町子の母・和代(香川京子)が足をねんざし、町子の妹・孝子(メイサツキ)と弟・信夫(西興一朗)が徳永家に見舞いにやってくる。信夫は和代をしばらく信夫の家で預かることを町子と和代に提案するのだが…。
町子(藤山直美)と秘書の純子(いしだあゆみ)は、加藤医師(串田和美)から、健次郎(國村隼)が肺がんであることを聞く。手術は行わず、放射線治療を行うが余命は半年から1年だという。健次郎の病室に戻った町子だが、健次郎にはほんとうのことが話せない。徳永家に帰った町子に、純子はほんとうのことを健次郎に話すほうがよいのではと諭す。町子もその気になり、翌日、原稿を仕上げた町子は、健次郎のいる病院に向かう。
健次郎(國村隼)がかっ血して倒れ、病院に運ばれる。意識はあるがレントゲン撮影の結果、右の肺に大きなしゅようが出来ており、町子(藤山直美)と駆けつけた晴子(田畑智子)は、加藤医師(串田和美)から、腫瘍の細胞を採取して詳しく検査することを聞く。いったん、徳永家に帰った町子は、健次郎のことが気になりながらも朝方まで仕事を続け、翌日、秘書の純子(いしだあゆみ)といっしょに検査結果を聞きに病院へ向かう。
平真佐美(なるみ)は昭一(火野正平)の通帳から全額引き出し、それをそっと返しに来た事情を説明する。真佐美の兄・広明(小西博之)が勝手に真佐美のカバンから通帳を抜き取り、金を引き出していた。真佐美はそんな悪い兄がいることを昭一には話せなかったのだ。健次郎(國村隼)にいわれ徳永家にきた広明に、この金で一からやり直せと約束させる。無事ふたりは結婚式をあげ町子(藤山直美)は幸せを感じていたのだが…
昭一(火野正平)が酔って帰宅し、健次郎(國村隼)と平真佐美(なるみ)のことで言い争いになる。町子(藤山直美)は機転をきかせて2人を落ち着かせる。矢木沢純子(いしだあゆみ)は北野吾郎から結婚すると告げられる。町子は心配していたが、純子は落ち着いていて北野と出会った幸せを町子に話す。そんなとき、文鳥の飼い主の鮫島(三浦誠己)が現れて…。さらに玄関に通帳と封筒が置いてあることに気付く…
昭一(火野正平)は、貯金通帳を持って出かけた内縁の妻・平真佐美に、お金を全額引き出されてしまう。昭一と町子(藤山直美)と健次郎(國村隼)は真佐美の帰りを待つ。一方、町子は秘書の矢木沢純子(いしだあゆみ)がほのかに恋心を寄せる編集者の北野吾郎(RIKIYA)から結婚の話を聞く。相手は北野と同じ出版関係で彼女のことは純子も知っているという。北野から純子に伝えてほしいと頼まれる町子は…。
昭一(火野正平)の内縁の妻・平真佐美(なるみ)と兄の広明が言い争い、広明が真佐美をアンタと呼んでいたことを知った健次郎(國村隼)は、広明が真佐美の実の兄でないのではと疑う。そんなとき、昭一は真佐美からお金の用意を頼まれる。兄の広明に借金があるのだという。昭一は真佐美に貯金通帳ごと渡すのだが…。一方、徳永家に迷い込んだ文鳥が死んでしまい、健次郎はなぜか感傷的になり元気をなくす。