恋せぬふたり制作日誌⑬ 最終回のこんなところに注目!

スタッフ
2022年3月23日 午後1:00 公開

ご視聴ありがとうございました。
最終回を監督させて頂きました野口雄大と申します。

ついに、「恋せぬふたり」も最終回を迎えてしまいました。
咲子と高橋さんが選んだ選択、ご覧頂いた皆さまにどのように受け止められたでしょうか。
ここで、5回に続いて最後の問題です!
(知らねーよ!という方は5回放送後の制作ブログをご覧ください…)

最終回の中で、特に思い入れの強い場所が3カ所あります。
それは、一体どこでしょうか!?
思い入れの強い「シーン」とすると全てなので、あえて「場所」に縛りたいと思います。
(毎度毎度、わからないことばかりですみません…)
 
 
 
 
はい、では一方的に正解を発表します!
まずは一つ目ですが…

①「高橋家ダイニングテーブル」です!

様々なことに縛られていた高橋さんを解放するため、咲子は意を決して高橋さんと向き合います。お芝居をしてもらう際、極論、おかしくなければどこでお芝居をしてもらっても良いのですが、なぜこの場所にしたのか。
それは、咲子と高橋が共同生活を始める「始まりの場所」だったからです。

2回で咲子は高橋さんに自分の気持ちを必死に打ち明け、高橋さんが悩みながらも「お試しであれば」と提案し、共同生活をスタートした場所でした。
ただ最終回で「新たな生き方」を提案するのは咲子。2回における高橋さんとの立場は逆転している。その立場の逆転を、始まりと最終回では対照的にしたいと思い、あえて2回と同じステージングでお芝居して頂きました。

 
 
続いて二つ目ですが…

②「都会と地方」です! 

咲子と高橋さんは別々の場所に住み、互いに物理的な距離は離れているが、ふたりの関係は一年経っても続いている(恋愛的な意味ではなく)。そんなことを映像的にも一目でわかってもらうために、高橋さんの新天地には、咲子がいる場所とは対照的な場所にしました。
富士山を望むことが出来る素晴らしいキャベツ畑を制作スタッフが探してくれたのですが、天候不順のため撮影が延期。そしてその間にキャベツが収穫され、撮影日にキャベツがどれだけ残っているか…、と囁かれドキドキでした。
結果ありがたいことに、延期した撮影日は天候に恵まれ、豊かな大自然を撮らせて頂くことが出来ました。撮影後には、お芝居で収穫させて頂いたキャベツをスタッフ一同持ち帰らせて頂き、美味しく頂きました。カズくんみたいにロールキャベツは作れなかったけれど、瑞々しくて、本当に美味しかった…。ご協力頂いた農家の皆さまには感謝の念が尽きません。

 
 
そして三つ目ですが…

③「坂道」です!

ラストシーンで、咲子が自転車で下っていく坂道です。
この場所は高橋家前の坂道ですが、2回で共同生活を始める際に、咲子がトランクケースを押して登ってきた坂道です。

2回は始まりですから、困難が待ち受けているという意味も込めて、坂下から撮っています。
この時はトランクケースを、「咲子がこれまで背負ってきた重みの象徴」という意識で撮っていました。ただ最終回は、真逆で開放的な印象で咲子を描きたい。そんなイメージが、2回の坂道を撮っている時から、頭の中にぼんやりと浮かんでいました。

最終回における咲子の気持ちを映像的に表現するため、坂道はなくてはならない場所でした。これからも困難が待ち受けているかもしれないが、それでも軽やかに希望の光に向かっていく咲子を撮りたい。そんなイメージをみんなで共有し、撮影に挑みました。

 
 
 
以上、最後の「恋せぬふたり問題」でした!

 
 
 
今回この作品に向き合い続けてきましたが、同時に、今までの自分の「あたりまえ」に向き合い続けてきた日々でした。その向き合いは、間違いなく今後も続いていくと思います。
今回はアロマンティック・アセクシュアルのふたりが主人公でしたが、今回描いたことは、決してふたりのことだけを描いた訳ではありません。

咲子が最後に言ってくれましたが、家族や生き方の考え方も、目まぐるしくかわっていく。本当にその通りだよなぁ、とつくづく思います。
「いつの間にか縛られていないか?」と、俯瞰して物事を見てみようとすることが、これからの自分にはもっともっと必要だと感じています。また、相手への理解も大事ですが、簡単なことではないと思います。だからこそその前に、まずは相手の気持ちを尊重しようとする気持ちが大事なのではないかとも、向き合いの中で感じました。

 
 
 
最後に…

「恋せぬふたり」では本当に多くのスタッフが、世界を彩ってくれました。
誰一人も欠けることなく同じスタッフが集まり、また一緒に別の作品を作ることはほぼ不可能です。一期一会、旅のような出会いと別れの連続がドラマづくりです。
エンドロールで名前が出るのは残念ながら一部なので、感謝の意味も込めて、最後にキャスト・スタッフの名前を掲載させて頂ければと思います。

ありがとうございました。
 
 
 

【出演】
岸井ゆきの 高橋一生 / 濱正悟 小島藤子 菊池亜希子 北香那 アベラヒデノブ 西田尚美 小市慢太郎
【作】
吉田恵里香
【音楽】
阿部海太郎
【主題歌】
CHAI「まるごと」

●制作統括/尾崎裕和 ●プロデューサー/大橋守・上田明子 ●広報プロデューサー/積田有希
●演出/野口雄大・押田友太・土井祥平
●演出部/舟橋哲男・吉住亮・山口智誠・渡邊由奈 ●AP/杉本明千世
●制作部/長船巧・須永桂太・金井洋亮・古賀美沙紀・吉岡万穂
●衛生班/唐沢宏史・岸川瑛 ●リソースデスク/飯島多佳奈 ●放送事務/堺愛子
●美術統括/山田崇臣 ●美術/伴内絵里子 長谷川皓平 ●コストマネージャー/宮本えり子
●音響統括/畑奈穂子 ●音響デザイン/吉川陽章・松本有加・岸優美子 ●MAオペレーター/鷹羽直治
●記録/古谷まどか ●編集/堀田弘明・村上雅樹・鈴木真一
●番組広報/青山優歩 ●編成/土屋勝裕・松田彩 ●編成リソース/阿久津裕
●NOD/社華奈子・岩崎さと子 ●スチール撮影/高梨彰 ●台本印刷/田口貴博
●キービジュアル制作/山本陽子・松田洋和・石田真澄
●画面デザイン/カトオヨオイチ・モリヤマサヤ
●PR制作/水ノ江知丈 ●ホームページ/鈴木はるこ
●権利情報/田中和正・平野昌孝・山田郁映・戸田久子
●TD/富樫吉男・増田徹
●撮影/榊原大悟・佐々木達之介・岡田裕・田中哲平 ●撮影補助/近藤祥平・後藤大樹
●照明/中島誠・岡本理・貫井聡一・熊谷宗洋・久慈和好・田幡響子・中内泰佑
●音声/佐伯悠・下迫賢治・妹川英明・高木陽・菅野佑介
●VE/原亜希斗・岡本卓 ●ECS/石澤祥子
●美術進行/神野直之・中川允人・川崎ゆき ●美術プロデューサー/小山隆 ●制作管理/金平裕之
●装置進行/永渕一孝 ●大道具製作/菊池俊輔 ●大道具操作/秋山剛隆 ●建具/白岩竹雄 ●造園/小山哲夫 ●小道具装飾/飯田恵一
●衣装/高橋さやか・松代芽衣・文挟彩由奈
●メイク/北原勇樹・竹形美穂 ●持ち道具/石井心

●アロマンティック・アセクシュアル考証/中村健・三宅大二郎・今徳はる香
●スタント/雲雀大輔 ●美容師指導/舟橋柚姫
●取材協力/にじいろ学校 大熊菜央 ●資料提供/As Loop