みみより!くらし解説

脱毛エステ「通い放題」のはずが・・トラブルに注意!

初回放送日: 2024年2月20日

脱毛エステをめぐって「最初の4回分代金を払えばその後は通い放題」などと言われ契約したのに事業者が倒産したなどのトラブルが増えています。注意点などを解説します。

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出演者・キャストほか

  • 解説委員
    今井 純子
    解説副委員長

目次

  • 脱毛エステ「通い放題」のはずが・・ 倒産・サービス変更 トラブルに注意!

脱毛エステ「通い放題」のはずが・・ 倒産・サービス変更 トラブルに注意!

脱毛エステをめぐって「最初の4回分の代金を払えば、5回目以降は、無料で通い放題」などと言われ契約したのに、事業者が倒産した。サービスを受けられないのに、支払いが続いている、といったトラブルが増えています。今井解説委員。

【脱毛は、関心が高いですよね】
「すべすべの肌がいい」「頻繁に剃るのは面倒」という若い女性、男性を中心に高い関心が寄せられています。
この脱毛には、
▼ 医療資格を持っている医師などしかできない医療脱毛と、
▼ 資格がない人でも施術ができる脱毛エステがあります。

このうち、脱毛エステは、一般的には、
▼ 強力な医療レーザーなどを使う医療エステよりは痛みが弱いとされている一方、
▼ 脱毛効果は低く、長期的に何度も通う必要があるとされています。
そして、この脱毛エステをめぐって、トラブルが急増しているのです。

【どのくらい増えているのですか?】
全国の消費生活センターに寄せられた脱毛エステに関する相談は、2022年度に急激に増えて、ほぼ2万件。そして23年度もまだ途中ですが、1万件を超える相談が寄せられています。

【急激に増えていますね】
その背景にあるキーワードが「無料で通い放題」。
なのに「倒産」あるいは「一方的なサービスの変更」です。
例えば、
▼ 2年間の脱毛の契約で40万円を払えば、その後、無期限・無料で施術を受けられる。との説明をうけ、クレジットの分割払いで契約をした。ところが、2年過ぎたところで、脱毛エステのサロンが倒産。支払いがまだ残っていて、クレジット会社からは、払い続けてもらわなければならない可能性があると言われた。
▼ 脱毛サロンが倒産した。「10回施術を受けたあと、2年間通い放題」と言われ、30万円を一括で支払っていた。まだ、6回しか受けていないので、受けてない分のお金を返してほしい。
こうした相談が多く寄せられていると言います。

【倒産。多いのですか?】
2022年に4件だった脱毛サロンの倒産。去年は、少なくとも10件、発生しています。中には、利用者などの債権者が10万人とか、4万6000人といった、業界大手の倒産もありました。倒産以外でも、サービスの終了や廃業といったケースもあるといいます。

【なぜ、そんなに倒産が多いのですか?】
調査した帝国データバンクは、競争の激化から「通い放題」など安さ、とか、長期間の施術を売りに、利用客を増やした。その結果、予約が取れないなどの不満から評判が悪くなり、新たなお客さんが取れなくなる。すると、新たな収入がない。でも、通い放題なので、無料で施術をしなければいけない。ということで、経営に行き詰まる。いびつなビジネスモデルが限界に達したと分析しています。

【なんとか、お金を取り戻すことはできないのでしょうか?】
倒産の場合、その後の手続きの結果次第ですが、多くは、お金が戻ってくることは期待できないと言います。そうした中、先月、国から特別の認定を受けたさいたまの消費者団体が、去年9月に倒産した脱毛エステのサロン「ビューティースリー」と提携していたクレジット会社を相手に、分割払いで契約した利用者にお金を返す義務があるという裁判を起こして注目されています。

【クレジット会社を相手に・・ですか?】
はい。この脱毛サロン。利用者と「最初の4回が有料。5回目以降は無料・無制限で施術する」という契約をしていました。それが倒産。利用者は、無料のサービスを受けられなくなりましたが、クレジット会社から、分割払いの残りのお金を払うよう求められていると言います。「クレジット契約の対象は、有料の4回分」。つまり、利用者がその4回分の施術を受けていた場合、全額払う義務があると、いうのです。

【消費者団体はどう訴えているのですか?】
もともと「高額だけれど、無料で通い放題だから、1回あたりは割安になる」と、店から説明されて、契約した人も多くいる。そして、無料のサービスにも、人件費や設備のコストがかかるわけで、「通い放題を含め、全体として40万円で契約していると考えられる」というのが消費者団体の考えです。
なのに、脱毛サロンも、そして、クレジット会社も、利用者との間で「有料の契約は4回で、5回目以降は無料サービス」という契約書を交わしているのは、脱法的なウソの記載をしたもので、法律に基づき、いつでもクーリング・オフできる。として、「クレジット会社は、分割払いで契約した利用者に、施術を受けた分を含め、全額お金を返す義務がある」と訴えたのです。

【店は倒産しているから、クレジット会社からお金を返してもらおうというのですね】
裁判所がどういう判断をするのか、注目されます。そして、脱毛エステで、返金の義務があると訴えた裁判は、もうひとつ起きています。
裁判を起こしたのは、大阪の消費者団体です。こちらの脱毛エステの事業者は、「アフターサービスとして回数・期間無制限で施術を受けられる」として契約していたのに、一方的に、客が自分で機器を操作して脱毛するセルフサービスに内容を変更し、その後、すべての店を閉鎖してしまった。契約書には、サービス変更がありうるとは書かれていなくて、不備がある。いつでもクーリング・オフできる。として、こちらも、サービスを受けた分も含め、全額、お金を返す義務があると訴えています。これに対し、脱毛エステ側は、「無償のアフターサービスなのだから、変更は自由にできる」と主張しているというのです。

【「無料で通い放題」は、気をつけた方がいいですね】
そうですね。もし、裁判で勝ったとしても、最初のケースでは、お金を返してもらえるのは、利用者のうち、このクレジット会社で分割払いを利用した人だけです。現金で払った人などは、この裁判の対象外になります。また、2つめのケースでは、事業者は、事業をやめていますので、支払い能力の点で不安が残るという指摘もあります。
さらに、ほかにも、脱毛エステの契約をめぐっては多くのトラブルが起きていて、例えば、
▼ 納得がいかず、途中で解約しようとしたら、高額な違約金を請求された
▼ 返金を断られた。
▼ 契約してすぐにクーリング・オフを申し出たら、「アフターケアに」と買わされた高額な化粧品については、クーリング・オフできないと言われた。
消費生活センターには、こうした相談も寄せられています。

【脱毛エステの契約をする場合、どのような点に注意をしたらいいでしょうか?】
国民生活センターやこの問題に詳しい弁護士などは
▼ 「通い放題」と勧誘を受けた場合でも、自分の肌にあっていなかったり、近くの店が閉まったりして、解約せざるを得ない。あるいは倒産もあるかもしれない。ということを考え、慎重に契約すること。
▼ 有料のサービスの期間や回数。さらに、中途解約できる期間や返金のしくみ。分割払いの場合は、支払いの期間や回数などを確認すること。
▼ そして「きょうなら、割安」「現金払いなら、割安」といった勧誘を受けた場合、資金繰りが厳しい事業者かもしれません。注意が必要だということです。
▼ その上で、トラブルになった場合、近くの消費生活センターに相談をしていただきたいと思います。全国共通で188の電話番号から、つながる仕組みになっています。
ただ、消費者が注意をしても、限界があります。いずれ事業が成り立たなくなる可能性が高い勧誘については、法的な規制を明確にするとともに、悪質な事業者については指導などの処分を強化する、といった、消費者庁の対応も求められるのではないか、と思います。

非常に関心が高くニーズもあるサービスだけに、誰もが安心して利用できるよう、政府・業界あげて取り組んでほしいと思います。