#1 素数

NHK
2022年7月19日 午後7:38 公開

こんにちは! 笑わない数学のスタッフがお届けするブログです。

今月から始まりました「笑わない数学」。記念すべき第1回の放送は「素数」。いかがでした?

「見逃した!」「よく分かんなかったあの部分、もう一度見たい!」 はい、そういう場合のために、NHKプラスでは放送から1週間、NHKオンデマンドでは放送から1年間、それぞれ配信しています。

NHKプラス

NHKオンデマンド※別タブで開きます

「素数すごい!」「なんだかよく分からなかったけど面白かった」といった反響をいただき、制作スタッフ一同ほっと胸をなでおろしているところです(まだ始まったばかりですが…)。

それにしても、素数の人気には驚くばかりです。最も基本的な数であるにもかかわらず、ナゾだらけで、実は分かっていないことのほうが多いという、ミステリアスで孤高のイメージが多くの人を惹きつけるんでしょうね~。番組で紹介した「リーマン予想」や「双子素数の問題」以外にも、「ゴールドバッハ予想」「ソフィー・ジェルマン素数問題」など、素数に関する未解決問題はたくさんあります。どの問題も解決されれば、世界的なニュースになること間違いなし!の重要なものばかり。尾形さんじゃなくても解きたくなる気持ち、分かるような気がします。

でも気をつけてください。素数の魅力にハマりすぎると、普段目にするあらゆる数が素数なのかどうか、気になり始めます。通り過ぎた車のナンバーは割り切れないのではないか…。交換した名刺に書かれた電話番号は?自分の誕生日は素数だったらいいな、とか。どんどん素数の沼にハマっていくのです(実際、わたしがそうでした)。それでももっと素数のことを知りたいという方は、下の小山信也先生のコラムをどうぞ!!

今回のキーワードと数学者

素因数分解

クレイ数学研究所のミレニアム問題

双子素数

GIMPS(巨大メルセンヌ素数探索プロジェクト)

素数階段、素数が現れるタイミング

レオンハルト・オイラー

無限級数

円周率と素数

ニコライ・ムニェフ

フリードリッヒ・ガウス

自然対数表

ドン・ザギエ

ベルンハルト・リーマン

ゼータ関数

ゼロ点の並び

リーマン予想

ブライアン・コンリー

原子核のエネルギー準位

ヒュー・モンゴメリー

フリーマン・ダイソン

次のコーナーは、この番組の監修者である数学者の小山信也さん(東洋大学 教授)に寄稿していただいた美しい道案内と、小山さんによる、もっと深く学びたい方むけのガイド本の紹介です!

数学者が語る「素数の魅力」 小山信也

数学の研究対象の中で、素数ほど太古の時代から興味を持たれ、かつ、現在まで未解決な謎に満ちたものは無いといえるでしょう.なぜ素数は人を惹きつけるのでしょうか.

18世紀にオイラーは素数の式と 円周率πとの関係を発見し、ガウスは素数の個数が自然対数で表されることを見出しました.素数の配列は単なる無秩序なものではなく、自然界の根底に横たわる原理を反映しているのです.

その結果は19世紀にリーマンによってゼータ関数の研究へと受け継がれ、現代数学の最大の未解決問題「リーマン予想」へと至ります.謎に満ちた素数の魅力をお伝えできればと思います.

ゼータ関数のゼロ点と物理学の関係について、その後の発展を解説した好著を挙げます.

『素数の音楽』(著・マーカス・デュソートイ)

この本は、私がケンブリッジ大学在任時に、ルームメイトのコンリー氏(ゼータ関数論の第一人者)から熱心に勧められました(原題 Music of Primes).

また、素数は私の専門であり、私自身も啓蒙書から専門書まで多くの本を 書いています.一般向けとしては

『素数からゼータへ、そしてカオスへ』(著・小山信也)

の第1部がわかりやすいでしょう.本格的に勉強したい方には、素数論の標準的な教科書として大学院生や研究者に読まれている以下の本が推奨されます.

『素数とゼータ関数』(著・小山信也)

以上です.

パンサー尾形、素数に挑む

番組収録までの裏側をご紹介!

メイキング映像

感想はハッシュタグ#笑わない数学 で。来週の放送もお楽しみに!

(このブログ「数学ノート」は、週1回、放送後にお届けする予定です)