#2 無限

NHK
2022年7月27日 午前11:25 公開

こんにちは! 笑わない数学のスタッフがお届けするブログです。

「見逃した!」「よく分かんなかったあの部分、もう一度見たい!」 はい、そういう場合のために、NHKプラスでは放送から1週間、NHKオンデマンドでは放送から1年間、それぞれ配信しています。

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第2回のテーマは「無限」。いかがでしたか? 考えれば考えるほど不思議で、簡単には理解できない「無限の世界」。SNSの反響を見ると、「数学というより、哲学のような話だった」といった感想もありました。たしかに、普段生活していて「無限」を意識することなんてほとんどないですよね。でも、その言葉のイメージからは「宇宙」や「時間」といった人間には到底手が出せない領域って印象を受けると思います。

今回はその「無限」に魅せられた数学者カントールのお話でした。何世紀もの間、だれも踏み入ることができなかった無限の世界にひとり立ち向かったカントール…。すごすぎます。カントールのような、突如現れたひとりの天才のひらめきや努力によって、数学の世界は拡張と洗練を繰り返してきたんだなぁとしみじみ思いました。

ところで、番組で紹介した「ゼノンのパラドックス」。「弓と的」以外にも「アキレスと亀」、「無限ホテル」といった「無限」にまつわる不思議なお話がたくさんありますので、興味を持った方はぜひ調べてみてください!

今回のキーワードと数学者

無限大

数え上げ

自然数全体の個数(∞自)

偶数全体の個数(∞ぐ)と奇数全体の個数(∞き)

1対1に結ぶ

ゼノンのパラドックス

ゲオルク・カントール

無限同士の個数を比較する

有理数全体の個数(∞有)

数直線

稠密

実数全体の個数(∞実、連続体濃度)

カントールの対角線論法

背理法

∞自=∞ぐ=∞き=∞有<∞実

でっかい無限(非可算濃度)とふつうの無限(可算濃度)

中くらいの無限

レオポルト・クロネッカー

連続体仮説

クルト・ゲーデル

不完全性定理

「数学の本質はその自由性にあり」

次のコーナーは、この番組の監修を担ってくださっている数学者の小山信也さん(東洋大学 教授)の美しい道案内と、もっと深く学びたい方むけのガイド本の紹介です。

数学者が語る「無限」小山信也

目に見える風景,耳に聞こえる音,手に触れるもの,この世に存在するすべては有限です.古来、数学という人類の営みは、「無限への挑戦」であったと言っても過言ではありません.無限を把握することは、数千年にわたり人類が抱えてきた課題でした.

そしてこの問題は、19世紀にカントールという天才数学者の革命的な着想によって解決します.彼の発見から「連続体仮説」という新たな謎が生まれ、それが20世紀に解明されることで現代数学の基礎が築かれました.

無限の概念は、人類が長年かけて獲得したものであり、それは有史以来の大きな進展の一つであったと言えます.人類が成し遂げた壮大なドラマをご覧下さい.

小山教授の読書案内

ここで扱う内容は「集合論」という分野で、数学専攻の大学2年生が学びます.より深く勉強したい方には、その科目の教科書が役立ちます.一例として、私が集合論の講義を担当したときに用いた教科書を挙げます.

『集合への30講』(著・志賀浩二)

また、次に挙げる拙著には、私がタイムスリップし、カントール以前の数学者リーマンに、その後の数学の発展を説明した架空の対話があります.

『リーマン教授にインタビューする』(著・小山信也)

第2章にカントールの業績の紹介があり、第4章に連続体仮説の解説があります.

パンサー尾形、「無限」に挑む

番組収録までの裏側をご紹介! 

https://movie-a.nhk.or.jp/movie/?v=a25t1x8h&type=video&dir=pqc&sns=true&autoplay=false&mute=false

感想はハッシュタグ#笑わない数学 で。次回もお楽しみに!

(このブログ「数学ノート」は、週1回、放送後に掲載していく予定です)