番組を担当したディレクターの高橋です。
4月上旬に予定していた番組は当初
「コロナ禍で花見さえままならないお茶の間に、美しい夜桜を届けられないか」という番組としてスタートしました。しかし予定を超えて桜の開花が早まり、放送日には桜がないかもしれないという事態に!コンセプトを一から見直し、今回の番組となりました。
この転換にはもう一つ理由がありました。
皆様から寄せていただいた喜怒哀楽あふれるお便りの存在でした。
遠距離恋愛中の恋人の新たな一面を知ったという方
母国に帰ることができずに苦しんだ海外出身の方
コロナ禍での日々で、お子さんの成長を感じた方
ウイルス対策の最前線で戦っている看護師の方や、
身近な家族が感染したという方の便りもいただきました。
「新型コロナを他人事だと思わないでほしい」という言葉が、重く響きました。
いただいたお便りを一通一通に目を通しながら、「お便りをそのままご紹介する番組にしよう」と考えたのです。
コロナ禍で面会できないまま、家族を亡くされた方の言葉が強く印象に残っています。
「コロナで大切な人と会えないまま失った悲しみや怒りは消えないし、どうしようもないけれど、こうして誰かに伝えることで少し楽になる」。
今回の番組が、それぞれの体験の共有と共感の場になっていればと願います。
最後になりましたが、お便りをくださったみなさま。
本当にありがとうございました。