汚い!ムダ!気持ち悪い!と悪者扱いされている「ムダ毛」。
しかし、最新研究ですごい能力が明らかに!?
もくじ ●ムダ毛はそっても濃くならない! ●毛をそると跡が残る理由 ●腕毛をなでると幸せ&肌プルプル!? ●すね毛は不要⁉ムダ毛の”傷を癒す力”とは?
ムダ毛はそっても濃くならない!
アンチの言い分「ムダ毛をそると太く濃くなる!」 ムダ毛の言い分「そると太く濃くなるなんて大間違い!」
カミソリなどで毛をそると…
刃の入り方で、どうしても毛が斜めに切れてしまいます。
すると元々あった毛よりも断面が広くなったように見えます。
そることで毛が太くなったわけではなく、太くなったように見えているだけ。
太く見えているのは、錯覚なのです!
また、人間の毛穴は約500万個あり、その数は一生変わらないと言われていて、そることで毛の本数が増えることはありません。つまり、ムダ毛をそっても濃くなることはないのです。
毛をそると跡が残る理由
アンチの言い分「わき毛をそるとポツポツになる!」 ムダ毛の言い分「ポツポツは人間のせい!」
わきの毛をそると、“ポツポツ”になってしまい、毛穴だけが目立つ状態になることがあります。
では、なぜポツポツになるのか?
毛をそったときの皮膚の様子を模型で表すと…
そり残しのないように、と無理に毛をそると、毛穴の周辺の皮膚に傷をつけてしまいます。
すると、傷ついた皮膚を治す機能によって毛穴がふさがれ、毛は応急措置をされた透明な皮膚の中で伸びられなくなります。
この伸びられなくなった毛がポツポツと見えてしまうのです。
つまり、ムダ毛をそった後のポツポツは、毛のせいではなく、私たちのそり方に問題があったのです。
腕毛をなでると幸せ&肌プルプル⁉
アンチの言い分「そもそも腕に毛はいらない!」 ムダ毛の言い分「腕の毛には癒しの力がある!」
癒やしの力とは一体、どういうことなのか?
解説してくれるのは、心と体の研究をしている桜美林大学教授の山口創さん。
山口さんは「腕の毛の大切さ」を示すための実験をしてくれました。
「毛をそった左腕と毛をそらない右腕を、それぞれなでて、脳の変化を計測します」
実験を進めるため、被験者の左腕の毛をきれいにそります。
まずは毛をそった左腕から実験です。1秒間に5cmの速さで1分間なでます。
腕をなでた後に唾液を採取します。唾液の成分から脳の活動の違いがわかるそうです。
続いて毛をそっていない右腕も、左腕と同様に1秒間に5cmの速さで1分間なでて、唾液を採取します。
こうして得られた「腕毛あり」と「腕毛なし」の2つの唾液を分析しました。
分析の結果です。
山口さんによると「脳で分泌される”ハッピー成分”オキシトシンが、腕毛がある右腕をなでたとき、よりたくさん分泌されていました」とのこと。
オキシトシンは、顔や腕の毛をなでると、より多く分泌される成分です。
毛をなでるとオキシトシンが分泌される仕組みがあります。
毛には、幸せを運ぶ特殊な神経が巻き付いています。この神経には毛が揺らされた振動を刺激として脳に伝える役割があります。
毛がやさしくなでられたことが脳に伝わると、脳の中でハッピー成分のオキシトシンが出て、幸せを感じるのです。
子どもがなでられると気持ちよさそうにするのはオキシトシンのおかげで、人と触れ合うとき、特に腕の毛をなでられるとオキシトシンはたくさんでるそうです。また、オキシトシンには幸せを感じる他にも、ストレスや痛みを和らげる働きがあります。
山口さん曰く「腕毛をそるということは、自ら幸せを手放している、ということになるんです」
さらにヴィランは
「腕毛をなでると、肌がプルプルになる」と主張します。
いったいどういうことなのか。
桜美林大学教授の山口さんが再び実験で示してくれました。
腕毛をなでる前と後で、肌(顔のほほの部分)の水分量を比較します。
腕毛をなでた後、10分間安静にしてから肌の水分量を計測。3回計測して平均をとりました。
実験の結果は、腕毛をなでる前に比べて、なでた後は肌の水分量が17%もアップしました。
この理由について、山口さんは、「オキシトシンは、血液にのって全身に運ばれます。すると、肌の細胞が元気になって、肌に潤いを与えてくれるんです」と解説。
海外の研究でも、腕の毛をなでると肌の細胞が活性化したことが報告されています。
「腕毛はムダ」なんて見当違いだったかも⁉
すね毛は不要⁉ムダ毛の“傷を癒す力”とは?
アンチの言い分「見た目が汚い すね毛はムダ!」 ムダ毛の言い分「すね毛には傷を癒す力がある!」
一体、どういうことなのか?
すね毛の「傷を癒やす力」の源になっているのは、毛の周りにある毛包幹細胞という細胞です。この細胞は、病気などで毛の細胞が減ったりなくなったりしたときに毛の根元に移動して毛を作る細胞に変身します。しかし、普段は特別な働きをしていません。
この毛包幹細胞は、秘められた力を持っているというのです。
解説してくれるのは、パラデル漫画という不思議な動画を作る芸人・本多修さん。
パラデル漫画でわかりやすく解説している様子はこちら
足をケガしたとき、傷口を再生するため毛包幹細胞が働きます。
<傷口が再生される流れ>
①毛包幹細胞が周りの血管を呼び寄せ血管網をつくらせる
②血管網から栄養や酸素を取り入れ毛包幹細胞が活性化
③毛包幹細胞が神経、筋肉、皮膚など けがを治すために必要な細胞に変身
④変身した細胞が傷口を再生
この”毛包幹細胞の再生能力”は失った体の組織を新たに作り出す「再生医療」で注目されています。
解説してくれるのは皮膚研究の第一人者で再生医療のスペシャリストである北里大学病院 皮膚科長の天羽康之さん。
「これはマウスの毛包幹細胞から作られた心臓の筋肉の細胞です。黒い部分がマウスの毛包になります。毛包にある毛包幹細胞が放射状に伸びて心筋の線維になります」
(マウスの)皮膚や神経の再生にも成功していて、人間への応用が期待されています。
天羽さんによると
「従来の再生医療では、他人の細胞を使うしかありませんでしたが、体が拒絶反応を起こしたり、ガンになるなど健康上のリスクがあったんです。一方、自分の毛包幹細胞を使う再生医療では、そういった健康上のリスクが低いことが最大のメリットなんです」 とのこと。
「ムダ毛は人の命を救う可能性を秘めています。ムダな毛は一本もありません」
まとめ
いかがでしたか?
ムダ毛はムダではない、私たちの健康に役立っていたのです!
たまには感謝の気持ちを込めて、そっとなでてあげましょう。
<体の神秘!なヴィランたち>
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